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最終更新:2011年4月13日(水) 23時36分

飯舘村で住民集会 「首相発言」に村長涙

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 復旧のメドが立たない原発。計画的避難によって村ごとの避難を余儀なくされる福島県飯舘村の住民たちは、今後の選択を迫られています。13日に住民への説明会が行われ、不安の声が上がりました。

 「私の時代はいいのです。息子の時代のときに困るのです。投資して農業で食っていくって頑張ってきました。(今は)何もありません」(飯舘村の村民)

 全ての住民が「計画的避難区域」の対象となった福島県飯舘村では、13日に住民集会が行われていました。その説明会が一変します。それは、菅総理が述べたとされる発言です。

 「これが国を操る人の言葉ですか。ふざけないでください」(飯舘村 菅野典雄村長)

 「当面住めないだろう。10年20年住めないのかということになってくると、再び住み続けることが不可能になってくる」

 13日、菅総理と会談した松本内閣官房参与が、原発周辺の避難地域について、菅総理がこう述べたと明らかにしたのです。

 「少しでも早く戻れるように国が一生懸命やりますよというのが政治家の仕事でしょ。一国を操る人の言葉がなんという心ない話なんだ。本当だとしたら我慢なりません。まったく・・・話になりません。ぜひ、皆さんとともにこの言葉をすぐにでも撤回させないと、私たちは避難どころでもなんでもないと思います。こんな話を、たとえそうだとしても、もっと言い方があるはずじゃないですか。こんな心ない政治家がやっていたのであれば、たまったものではありません。どうかよろしく協力をお願いします。一生懸命、私もやります」(飯舘村 菅野典雄村長)

 松本氏は、その後、菅総理から「言っていない」という電話がかかってきたことを明らかにし、当初の説明を撤回しました。

 菅総理自身も・・・

Q.「原発周辺には当面住めない」という話は総理の発言ですか?
 「私が言ったわけじゃありません」(菅直人総理大臣)

 飯舘村では、計画的避難指示の発表前から村独自で自主避難を勧めていました。13日、福島市の温泉旅館には、飯舘村の乳幼児のいる家族4組10人が避難しました。しかし、これですべての問題が解消されたというわけではありません。

 「娘たちは働いているので急に(孫を)連れてきた」(避難してきた人)

 一緒に避難できる保護者は一家族につき一人と決められていて、家族が離れ離れになってしまうのが現状です。「大人も急に『計画的避難』と言われたが、今日(13日)の集会でまた何と言われるか・・・。1か月ここにいても家族は離れ離れに、アパートを借りなくてはいけないかも」(避難してきた人)

 家族そろって安心して暮らす日はいつになるのでしょうか。その問いに誰が、いつ答えるのでしょうか。(13日23:05)(B

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