2011年4月13日22時21分
東日本大震災の大津波が、1千人以上が犠牲になった869年の「貞観(じょうがん)地震の大津波」よりも、仙台市などで大規模だったことが、東北大災害制御研究センターの菅原大助さんや今村文彦教授らの研究でわかった。13日に同市内で開かれた報告会で発表した。
菅原さんらは、仙台市若林区で今回の津波が海岸から約5キロまで押し寄せたことを確認。当時の海岸線から3.4キロまでだった貞観の津波よりも内陸に達していた。
また、津波の痕跡などから貞観地震の規模をM8.3〜8.4として津波の高さをコンピューターを使って計算。今回と比較した。
その結果、貞観の津波は、当時の海岸線で高さ約7メートルだったとみられるのに対して、今回は約10メートル。約3キロ内陸部では、貞観の津波が約2.5メートル、今回は約2.8メートルだった。
菅原さんは「貞観津波よりも陸地の広い面積が浸水しており、いかに規模が大きいかわかる」と話している。(松尾一郎)