東北地方太平洋地震と

福島原発メルトダウン

 

崩壊熱

2011年03月11日午後3:46、マグニチュード9(世界で4回目)の超巨大地震で福島第一、第二原発はスクラムした。核分裂反応が停止しても核分裂物質の崩壊熱は減少しながらも長期間にわたって出つづける。古川先生提供のU.S. Atomic Energy Commission (USAEC) Report WASH-1250, July 1973 "The Safety of Nuclear Power Reactors and Related Facilities"のFig 1.3によれば、110万kW炉で燃料を293日燃やした後のdecay heatは下表のようになる。

heat (kW)

day after scrum

decay/fission ratio (%)

cumulative decay/fission (%)

power output

1,100,000

-

-

-

fission heat (38%)

2,894,737

-

100

-

decay heat

225,000

0

7.7727

0.000

decay heat

17,000

1

0.5873

8.360

decay heat

10,000

5

0.3455

9.742

decay heat

7,500

10

0.2591

11.037

decay heat

4,060

30

0.1403

13.248

decay heat

1,740

90

0.0601

16.855

decay heat

660

365

0.0228

23.125

decay heat

300

730

0.0104

26.907

decay heat

204

1,095

0.0070

28.269

decay heat

180

1,460

0.0062

31.447

Decay heat

スクラム後の津波で非常用電源を失ない、ついにバッテリー電源を失うまでの運転

この原発の非常用電源は東北電力から供給されていたが送電鉄塔が倒壊した。この時点で外部電源を失う。非常用ディーゼル発電機が自動スタートしたが、1時間後に止まってしまった。ディーゼル油タンクが津波で流出したことが原因だ。ABCニュースのJapan Earthquake: before and afterを見れば岸壁にあったデーゼル油タンクと思しき2基が綺麗に姿を消している。一つは丘の上に打ち上げられ、もう一つは沖にながせれているのが目撃されている。

また米国規準で覆いもなく、裸で設置されていた全ての海水ポンプのうち、津波が強く襲ったと思われる4号機の巨大な海水ポンプ3台のモーターが水中にあるポンプからちぎれて流失している。14.8mの標高に建設した女川原発は無事だったが、標高10mの福島は悲惨なことになった。

1号機のみ、GEの設計思想に従い、崩壊熱除去のためにアイソレーション・コンデンサー(非常用復水器)が装備されていた。アイソレーション・コンデンサーはあらかじめ貯蔵している水で炉心で発生する蒸気を凝縮し、重力で圧力容器に戻す仕掛けである。日本メーカーが建設した2と3号 機ではアイソレーション・コンデンサー不要と考えたようである。上の流れ図は女川のもので、ここにも無論表示されていない。そして日本の殆どの原子炉にはアイソレーション・コンデンサーはついていない。

原子炉のスクラム後、ディーゼル発電機が動いていた間は非常用炉心冷却装置(ECCS; Emergency Core Cooling System)またはABWRなら残留熱除去系が動いていたはずである。ところが3/11/15:41非常用ディーゼル発電機停止で1-3号機は全電源喪失に陥った。日本の原発はこの全電源喪失シナリオはありえないこととして設計ベースになっていない。2-3号機はすぐ圧力容器の圧が上昇。1号機はアイソレーション・コンデンサーをしばらく使ったが、能力不足で圧が上昇。緊急炉心冷却システム用ポンプは電源喪失で動かない。そこで炉に水を補給するために原子炉からの蒸気で作動するタービン駆動の原子炉隔離時冷却系ポンプ(RCIC; Reactor Core Isolation Cooling system)を使用した。これは所内電源と非常用ディーゼル発電機による電力のすべてが失われた事態を考慮して、崩壊熱による蒸気を使用したタービンによってポンプを駆動するものである。しかしながら、バッテリー駆動の制御弁が継続的な使用で約8時間で上がり、DC(直流)電源を喪失した。たちまちにして燃料棒が露出し、燃料管被覆が酸化して水素が発生した。圧力容器の圧が上昇したため、時間差はあるが全ての炉は減圧系 (安全弁)が作動して、炉心水が蒸発し、水位が下がった。格納容器はこれを処理しきれず設計圧の2倍の圧力にさらされ、一部ガス漏れが始まった。

バッテリーがあがるまでの8時間の間に東電は倒壊しなかった1,000,000Vの送電線を逆送して非常用電源を生かす準備し、バッテリー充電をすればよかった。しかし東電はなにもしなかった。東電は燃料棒が露出したのち、慌てて4台の工事用電源車を22:00現場に持ち込み、接続したが、プラグとケーブルが合わないし、 プラグは水没しているし、電圧も異なり、ポンプを動かすに至らなかった。仮に電圧が同じであっても海水ポンプのモーターは海水につかって使えなかったはずだ。因みに原子炉隔離時冷却系ポンプは原子炉建屋内の地下に設置されている。原子炉隔離時冷却系ポンプタービンの排気はサプレッションチャンバーで凝縮される。タービン駆動の原子炉隔離時冷却系ポンプは日本の殆どの原子炉に装備されているが、バッテリー電源が失われれば弁が閉じてしまい役に立たなくなる。全電源喪失以上の事態に陥っていたのだ。多重バックアップシステムがたった一つの原因、津波で一瞬にして失われたのだ。

Flow scheme of GE Mark-I reactor (Onagawa)

圧力容器と格納容器内の現状分析

炉心が露出してから持ち込んだ工事用ディーゼル発電機も使えず、圧力容器内で発生した水素ガスが格納容器内に放出され格納容器の圧も上昇した。12日の2:30には最高使用圧力の2倍の840kPaGとなる。ところがその3時間後の5:14圧力は突如低下傾向をしめした。どこかが破れて充満したガスが格納容器からもれた。濾過水タンクの真水を消防車を使って消防系ライン経由残留熱除去系に真水を注入しはじめた。しかし圧力容器内圧が高く、消防ポンプ車の吐出圧では海水を注入できない。安全弁(SR弁)の設定圧以下に下げるために自動減圧系(ADS: Automatic Depressurization System)を空気圧を使う遠隔開操作にって開こうとしたが電源がなく開かない。漸く、電池を繋ぎ開けることに成功し、蒸気を格納容器へと放出した。海水注入をすると圧が上がる、そして注入不能になるという状態が繰り返された。ADSが今でも働き開状態にあるか、高温でADS機能が喪失して閉状況にあるかは不明。温度が上がれば水を増やし、下がれば絞るということをするうちに圧力容器の底が抜けて圧はかなり下がって安定している。しかし 圧力容器の底が抜けているために、燃料棒を水没させることはできず、水位はダウンスケールしている。したがって燃料棒は蒸発する水蒸気による冷却しか確保されなかった。午後3:36に1号機で水素爆発があった。東電の武藤副社長はようやく午後8:20に至り、政府の命令という形でようやく海水注入を決断したのだった。株主代表訴訟が怖かったためという。

スクラム後1月を経るも、いまだにメクラ運転で、(中央制御室に照明がついても計器電源は死んだまま)炉心に消防ポンプで毎時数トンの海水を注入することしかできていない。この海水は炉心で蒸発し、サプレッション・チャンバーで再凝縮して格納容器内に温水となって溜まり続け、水素や希ガスなど不凝縮ガスは水にとけこまないため、格納容器の圧は上昇する。再度、ベントせざるを得ない事態になると考えられていた 。しかし格納容器が破損し、水がジャジャもれで19-25日頃には格納容器内水面も一定になったようだ。一体どのくらい格納容器内に溜まるのか上の崩壊熱から計算してみた。3号機は燃料棒548本のうち32本はMOX燃料だったということなので、崩壊熱を10%増しにしてある。

Unit No

1

2

3

4

power output

kW

460,000

784,000

784,000

784,000

fission heat (assumed thermal efficiency of 38%)

kcal/h

1,040,810,526

1,773,903,158

1,773,903,158

1,773,903,158

cumulative decay/fission ratio of reactor fuel over 10days

%

11.037

11.037

12.141

11.037

cumulative decay/fission ratio of reactor fuel over 30days

%

13.248

13.248

14.573

14.573

cumulative fission heat of reactor fuel over 10days

kcal

114,874,258

195,785,692

215,364,261

195,785,692

cumulative fission heat of reactor fuel over 30days

kcal

137,886,579

235,006,690

258,507,359

258,507,359

design pressure of containment

kPaG

430

430

430

430

max. permissible temperature of water

C

145

145

145

145

sea water temperature

C

10

10

10

10

water enthalpy change between sea and containment

kcal/kg

135

135

135

135

minimum water required for cooling over 10 days

ton

851

1,450

1,595

1,450

minimum water required for cooling reactor over 30 days

ton

1,021

1,741

1,915

1,915

minimum salt deposited inside reactor over 10 days (3.5%)

ton

29.8

50.8

55.8

0.0

actually injected water until April 2 (over 22days)

ton

5,700

9,300

9,000

0

assumed reactor inside diameter

m

4.5

5.3

5.3

5.3

reactor volume (assumed length of 15m)

cu.m

238.6

330.9

330.9

330.9

theoretical water injection rate over 10 days

ton/h

4

6

7

6

actual sea water rate

ton/h

2 to 18

NA

NA

NA

inside diameter of suppression chamber tube

m

6.0

6.5

6.5

6.5

diameter of torus

m

27.0

28.5

28.5

28.5

volume of suppression chamber

ton

2,398

2,971

2,971

2,971

diameter of dry well upper portion (assumed length of 15m)

m

9.0

10.6

10.6

10.6

diameter of dry well sphere

m

14

15

15

15

volume of dry well minus reactor volume

ton

2,152

2,760

2,760

2,760

total volume of dry well + suppression chamber - reactor

ton

4,551

5,731

5,731

5,731

reactor thickness

cm

16

16

16

16

containment wall thickness

cm

3

3

3

3

volume of surface condenser (water inside)

ton

1,600 (400)

3,000 (3,000)

3,000 (3,000)

3,000 (3,000)

condensed water tank (water inside)

ton

2,000 (700)

2,359 (900)

2,500 (1500)

0

spilled water depth in turbine room

m

2.0

2.0

2.0

0.0

spilled water in reactor house basement

ton

3,806

4,503

4,503

4,503

spilled water in turbine room

ton

4,000

4,000

4,000

0

spilled water in pit

ton

3,100

6,000

4,200

?

fuel pool volume of 12m depth

ton

1,020

1,425

1,425

1,425

status of pool gate

-

closed

closed

damaged

closed

volume of cover water based on above gate status

ton

680

950

475

950

status of pool gate

-

closed

closed

damaged

open

volume of cover water based on above gate status

ton

680

950

475

1,900

number of spent fuel assembly

-

292

587

514

1,331

number of spent fuel lot in pool

-

0.5

1

0.9

3

decay/fission ratio of first year

%

0.0114

0.0228

0.02052

0.0601

decay/fission ratio of 2nd year

%

0

0

0

0.0228

decay/fission ratio of 3rd year

%

0

0

0

0.0104

total decay/fission ratio

%

0.0114

0.0228

0.02052

0.0933

decay heat rate of spent fuel in pool

kcal/h

118,652

404,450

364,005

1,655,052

water enthalpy change between 40C water and 100C steam

kcal/kg

598.8

598.8

598.8

598.8

supplied water to pool of spent fuel until April 2 (over 22days)

ton

included in 3

0

6200 inc.4 &1

included in 4

cumulative evaporation loss of pool water over 10 days

ton

48

162

146

663

time to loose water submergence

days

143

59

33

14

decay heat rate of spent fuel in pool reported by media

kcal/h

60,000

400,000

200,000

2,000,000

reported cumulative evaporation loss of pool water over 10 days

ton

24

160

80

802

Heat and water balance

計算結果が示す 冷却に要する最小水量に対し東電はほぼ5倍の水を注入していたことが分かる。これは内部での冷却が効率よく行われていないことを意味する。27日になって発覚した2号機のタービン室の溜まり水はこれだけでなく、配管ピットにもみつかり、未確認だが、原子炉建屋地下を満杯にしているはずなのだ。そしてこの水には炉心の燃料棒と同じ組成の物質が発見された。

地震後20日間経過した時点で原子炉建屋地下、タービン建屋地下、配管ピットに溜まった水はほぼ実際に注入した量に匹敵する。即ち注入した水は全量1-3号機からもれていたということになる。即ち格納容器はジャジャ漏れということになる。冷却する最低限の水の注入でも地震後30日間経過すれば。サプレッション・チャンバーは満杯になり、不凝縮ガスが圧縮されるので早晩ガスをベントせざるを得なくなるはずという危惧は全く的はずであった。注水量と同量の水が漏れ出るのでもはやガスベントはしないで済むようになった。

水の垂れ流しを止めるために循環ポンプと循環水冷却器を動かさねばならない。しかしそれも絶望的だ。なぜなら循環ポンプは原子力建屋の地下に設置され汚染水に水没していると考えると水収支がぴったり一致するからだ。外部電源を10日目の3月21日に引き込み を開始し、23日には接続が完成したがあまり意味がない。

3号機ではタービン室まで放射性コバルト、ヨウ素、バリウム、セシウム、プルトニウム238、239、240など燃料棒に含まれる物質を含む高濃度の水が溜まり、作業員のベータ線熱傷などあった。毎日750人の作業員を投入して4月1日になるも循環冷却システム稼動にむけ努力するという 政治的発言をしている。タービン室地下室の水を炉心に注入すれば循環運転できるが塩が炉心に蓄積するのでそれもできない。格納容器から水が垂れ流しでは結局なにもできない。

細野豪志 首相補佐官が3ヶ月を目処に既設の循環運転確立といっている言っているが不可能だろう。東電は一時に一つのことしかできない中央集権の集団だから指揮官の頭にあることしか実行できない。いくつかの代案を平行して進めるのが苦手の集団だ。

消火ポンプ車による炉心への海水注入そして真水への切り替え

非常用ディーゼル発電機(400V、6,000V)が燃料タンク流失で停止したのち、東電は工事用ディーゼル発電機(200V、100V)を持ち込んだ。しかし電圧が違うため、当然つかえない。電力会社としては基本的なことが分かっていないドへま。そこで消防車を岸壁に置き、海水をくみあげてシビアアクシデント対策で用意されていた追設の消火系または復水補給系から残留熱除去系に送水するラインを使って圧力容器を冷却した。水は循環していなく、温まった温水をワンスルーで溜め込む方式だ。ホウ酸をどのように添加したかは不明。

ちなみに全電源喪失シミュレーションはGE Mark-I型のブランズフェリー原発一号機をモデルにオークリッジ国立研究所が1981年に行っている。今回はこのシミュレーション通りに進行した。

built in water injection line from fire fighting water for severe accident of total black out

25日、1-3号機は圧力容器のヘッドスプレイヘ送っていた海水を真水に切り替えた。しかし消防ポンプは同じものを連続使用している。ホウ素はもう充分だろうと真水に切り替えてからは添加していない。しかしこれは危険だ、圧力容器底部がこわれて注入水はジャジャ漏れだからホウ素は流れさってしまう。再臨界の心配は残る。27日、消防ポンプはそろそろ寿命が来るので仮設電動ポンプに交換することを検討していると報道される。

2号機を真水に切り替える準備をしていると25日に発表したが27日になるもできていない。

25日、米軍は沖合いにバージを浮かべ、バージと発電所をパイプで結び、真水を供給することを提案。自衛隊が運営をすることになった。曳航される映像はTVにでた。その後、岸壁に2隻接岸したTV映像が4月6日海上30kmからNHKが撮影して紹介した。接岸は多分タグボートの支援があったのだろう。これを真水の供給と汚染水の一次貯蔵に使うと報道されている。

圧力容器内での塩の蓄積

GEの設計者Richard T. Lahey Jr.はこの圧力容器内の蒸発と格納容器内の凝縮で圧力容器に塩が析出し、徐熱が難しくなるだろうという予測をしていると望月氏が教えてくれる。塩分濃度を3.5wt%として全量溜まるとして計算してみたところRichard T. Lahey Jr.の計算値26-46トンとほぼ同じレベルとなった。一方格納容器には真水が溜まっているはずである。塩が燃料棒を囲めば燃料棒の温度は上昇し、食塩の融点は801oC。ジルコニウムの融点は2,200oC。塩が溶け、ジルコニウムが熔け、酸化ウランペレットが炉底に落ち、一部溶融し、圧力容器底部に溜まっていると想像できる。801oCなら鋼鉄製の圧力容器の底が抜けないが、ケーブル貫通部の充填材がダメになり、隅肉溶接部はストレス・コロージョン・クラッキングで割れるであろう。上から降ってきた水はこの溶融塩の上に落下してやけたフライパンにそそぐ水のように瞬間蒸発して 底の隙間からサプレッション ・チャンバーに向かって流れ、真水で熔けた塩は塩水となった割れ目から下のインターペデスタル(スカート部)にしたたり落ちているというシーンがみえるようだ。ホウ酸も注入されているが洗い流されたところでは局所的臨界になって崩壊熱プラスの熱を出していると思われる。

格納容器の破壊ならびにウェットウェル・ベントに伴う建屋の水素爆発

ジルカロイと呼ばれるジルコニウム合金は金属の中で熱中性子の吸収断面積が最小のため、原子炉の燃料棒の被覆材料として使われている。圧力容器内で燃料棒露出による480oCレベルの高温でジルコニウムが水蒸気と反応して水素が発生する。

Zr + H2O = ZrO2 + H2

また水が高温や中性子により酸素と水素に解離する可能性がある。ただこうして生成したガスはすぐ燃えてもとの水に戻るだろう。というわけで主としてジルコニウムと水蒸気の反応で生成した水素が安全弁経由格納容器内に出てきて溜まり、格納容器の圧が上昇し、3つの格納容器は意図せざる大きな漏れが生じた。格納容器にはあらかじめ窒素が封入されているので爆発することはない。

2,3号機では意図的にサプレッション・チャンバーに追設されていたウェット・ウェルベントもした。ウェット・ウェル・ベントはシビアアクシデント対策としてはおざなりといわざるをえない。フランスでは砂を充填した巨大な吸着塔を用意している。しかし意図したベントは少なく、大部分のガスは格納容器の圧があがると勝手にもれ出てきたのである。 これが原子力建屋に充満し、一番弱い燃料交換室の壁と屋根が吹っ飛んだのである。

ウェット・ウェル・ベントとはトーラス型(ドーナツ型)のサプレッション・プールからガスをスタックに導くラインである。弁操作は不明であるが、操作次第で非常用ガス処理系ないし原子炉建屋排気系ダクト経由でベント・スタックに水素と希ガスを放出したかもしれない。仮にそうでなくとも、停電でファンは停止してい るからベントスタックから建屋への逆流はありえる。バッテリー上がりで遠隔操作弁が使えず、多量の放射線を浴びての困難な作業であった。意図せざるガス漏れはもっと始末が悪く、原子炉建屋の地下室から燃料交換用の通路を通って燃料交換室に抜けた。このため、原子炉建屋に水素が充満する結果となり、1号建屋と3号建屋を失ったのである。

built in wet venting line from torus for severe accident of total black out

実はサプレッション・プールが満杯になってもベントできるようにドライベントラインなるものも用意してるようだが詳細は不明。

時系列の記録

保安院が公表した格納容器ベントは下記の5回。

Unit No 1 2 3
March 12, 10:17 1    
March 13, 8:41     1
March 13, 11:00   1  
March 14, 5:20     1
March 15, 0:02   1  

official announced venting

しかしアエラ(Asahi Shimbun Extra Report and Analysis)が整理した記録では 下表のようになっている。12日5:14の時点で1号機の格納容器に漏れが始まっていたのだ。

date

time

event

2011/3/11

14:46

scrum

15:41

emergency diesel generator stopped

22:00

mobile emergency diesel generator mal function

2011/3/12

2:30

pressure of primary containment vessel (PCV) of reactor-1 reached 840kPa>2times of design pressure

5:14

sudden de-pressuring of primary containment vessel of reactor-1 and detection of radiation

5:44

evacuation order

 

6:30

start pumping fresh water into reactor-1 by fire engine

15:36

explosion of reactor-1building

20:20

switched to sea water

2011/3/13

2:44

unable to inject sea water into reactor-3 due to high pressure

9:20

intended venting radioactive gas from reactor-3

15:29

high radioactive density of 1,015mSv/h by unintended gas release from reactor-3

2011/4/14

7:44

pressure of PCV of reactor-3 reached 460kPa

11:01

explosion of reactor-3 building

13:25

loss of cooling capability of reactor-2

16:34

start pumping fresh water into reactor-2 by fire engine

21:37

high radioactive density of 3,130mSv/h around reactor-2

22:50

abnormal high pressure of PCV of reactor-2

2011/3/15

1:11

high radioactive density by unintended gas release from reactor-2

6:00

explosion of reactor-4 building (possibly by gas from reactor-3 through vent stack duct)

6:14

explosion of PCV of reactor-2

9:38

fire in reactor-4 building

2011/3/16

5:45

fire in reactor-4 building

8:30

steam from reactor-3 building

historical record of event by AERA

圧力容器の圧と温度

圧力容器(RPV)の設計運転圧は87.5気圧、運転温度273oCである。スクラム後の圧力容器の運転状況と格納容器の状態は分かりにくい。新聞やIAEAから、うかがい知ることができた圧力容器の状態は下表の通り。

Reactor No 1 2 3
pressure (Mpa)@March 23 0.25 - -
pressure (Mpa)@March 24 0.385 0.063 0.137
pressure (Mpa)@March 25 0.31 - -
pressure (Mpa)@April 5 0.4-0.7 - -
temperature (oC) @March 22 302 - -
temperature (oC) @March 23 400 - -
temperature (oC) @March 24 182 105 185
temperature (oC) @March 28 320 - -
temperature (oC) @March 29 299

170

-
temperature (oC) @April 2 249 - -
temperature (oC) @April 5 237 142 90

historical pressure and temperature

3月26日発表の政府の原子力災害対策本部資料を週間朝日4/8号にまとめたものがある。これから再構築した16日までに公表された圧力容器の運転圧データに文部省のサイトに公表されたその後の原子炉圧力容器圧力推移を加えると下図の通り となる。

 

1号機:12日2:45圧力容器の圧は一気に9.5気圧に下がった。この前日の11日20:00頃、メルトダウンで圧力容器の底に穴が貫通しはじめたと思われる。以後の圧力容器の圧は2気圧に下がったままだったがメルトした溶融コアや塩が底部に溜まり、連通した穴を閉塞し、水の通りが悪くなり、圧力が次第に上昇。そして4月には入ってから3気圧程度、7日には下部で7気圧になった。冷却がうまく出来なくなって温度も400oC以上になった。ジルコニウムもメルトしたコアに中に溶け込んでいるため、ジルコニウムの酸化せず、水蒸気はメルトした酸化ウランにふれて高温で熱分解し、かつ強い局所的臨界で生じる中性子線と塩分の影響で水素と酸素が発生しているためなかなか温度が下がらない。注水量を増やすとかえて温度が上がる現象は局所的臨界で説明できる。 局所的臨界で生じる中性子線の証拠として半減期は30分程度の塩素38が検出されている。

2号機:14日19:02に圧が75気圧から7気圧にストンとおちた。格納容器の圧が上がって意図したベントをせざるをえなかった。このとき圧力容器の底が抜けたと判断される。

3号機:12日午前中に圧が80気圧から10気圧に急に下がったが、13日6:00頃に給水が停止して圧が最上昇し、その後急減した。このとき、圧力容器の底が貫通したと考えてよい。格納容器の圧が急上昇したので意図したベントをせざるをえなかった。

圧力容器の温度の推移は下図の通り。

record of operating temperature of RPV

格納容器の圧力

格納容器(PCV)の設計圧は430kPa。格納容器に関しては新聞社は資料を入手してはいるはずだが正確な圧力は報道されていない。その後、文部省のサイトで16日以降の圧力の記録がみれるようになった。これをここでまとめてみよう。

record of operating pressure of PCV

1号機:12日2:45、格納容器の圧が9.5気圧に上がり設計圧を越えたあと急に圧が下がった。このときどこかに漏洩個所ができたようだ。しかしその後圧はあがり、上下を繰り返しなら次第に下がって1.5atmでほぼ安定している。4月6日になって水素と酸素が格納容器に溜まり、水素爆発のおそれがあると米国のNRCが警告 。ニューヨークタイムズにもすっぱ抜かれて4月7日には窒素を注入しはじめた。すると圧力がドライウェルが空であると想定したより早く圧力が上昇した。内部にかなりの水が溜まっているようだ。1.5atmは水深5mに相当する。これは漏れているベロウズが水封される深さで、そのために ガスは水封され圧力が測定されるのだろう。水に関しては1号機の格納容器はいまでもジャジャ漏れ。NRCが心配するほど水は溜まっていない。

2号機:3月15日、爆発音のとき破損したらしい。その後、圧力が大気圧に下がったままである。温度が100oC以下に下がると水蒸気が凝縮して負圧になり空気を吸入する。そうすると水素爆発がありうるので窒素注入はしたほうが良いだろう。

3号機:3月14日、設計圧以上の異常圧を経験している。その後圧は下がったり上がったりしながら大気圧で安定している。温度が100oC以下に下がると水蒸気が凝縮して負圧になり空気を吸入する。そうすると水素爆発がありうる ので窒素注入はしたほうが良いだろう。

以上を総合すると格納容器は程度の差はあれ、いづれも損傷していると考えられる。

格納容器内放射線と燃料棒損傷率

4月6日現在文部省の福島原発原子炉の状態原子炉の放射線量によれば

1号機:燃料棒の損傷率は70% 31.1SV/h  これが4月8日突然100SV/hに上昇。4月7日の地震の影響?

2号機:燃料棒の損傷率は30% 31.3SV/h 

3号機:燃料棒の損傷率は25% 19.8SV/h

ガス漏れと意図したベントと原発周辺の空間放射線率

朝日新聞を含むマスコミは14日頃まで東電の公表する正門前と西門前の数値を掲載していたが、これとベント操作の相関が見えずナゾだった。データを探していたところ「美浜の会」が東電と保安院が公表した原発敷地での空間放射線率の生データから次のような統合図を作っているのを見つけた。Uは予期せざるガス漏れ、Vは意図したベント、Eは爆発を示し、番号は原子炉番号として著者がマークした。意図せざる格納容器の漏れと見られるものが多い。大気漏れ出た総放射性物質の2/3は2号機から漏れたものであることが分かる。16日以降は西風のため、風上にあるセンサーにはピークがでなくなっているが、地面からの放射だけは見えている。

Radiation in power plant (V; intended vent, U; unintended leak, E;explosion)

以上はすべてガンマ線の計測である。東電は14日午後9時ごろの2号機ベント時、福島第一原発の正門で中性子線を検出したと発表した。使用済み燃料棒をいれたキャスクの側ではシールドを透過して中性子がでてくることもあるので再臨界ではないという説もあるが局所的再臨界からでてくるという説もある。

圧力容器でメルトダウンは生じたか?

全ての炉において水位計は燃料棒が露出したことを示していた。そして格納容器から漏れ出た溜まり水から燃料と同じ組成の核物質は見つかっている。特にプルトニウム やストロンチウムが周辺の土壌から見つかったことで2号機と3号機は圧力容器底部に穴が開き、コアの中味が流出していることは確実視される。1号機は11日の内にはやばやと圧力が下がっているので破損した燃料棒からこぼれ落ちた酸化ウランのセラミックが鏡板の上に集積し高熱を発する。この熱で圧力容器の底の貫通部に欠損が生じ、冷却水が格納容器に流れ出したと推定される。やがて集積した酸化ウランのセラミックの内部はメルトして底で塊にな ているだろう。海水注入で溜まった塩は次第に底の穴を塞ぎ、流動抵抗が増えて4月5日からは圧力容器内の圧力が上がっているようだ。温度も一時400oCに上昇したのち、200oC前後でなかなか冷えない。

一方2-3号はいずれも圧力容器は14日と12日に底板貫通部が破損したままで、格納容器と連通していることは同じ。

米DOEは4月1日、1号機の核燃料の70%が破損、2号機は1/3が破損としている。ちなみにスリーマイル島は45%が溶融したとしている。1号機はメルトしたコアが底に溜まっている。2号機は底に穴があいてメルトしたコアの一部が格納容器に落ちている。3号機は底に小さな穴があいている。

drain, IC & CRD housing penetration at the bottom of the reactor

圧力容器には500本ほどの制御棒駆動機構(control rod drive CRD)ハウジングた数本のインコア(IC)モニタハウジング、ドレンパイプが貫通しており、CRDには1本当たり 約200kg程度の燃料集合体と制御棒一式が乗っている。

CRD and fuel assembly

冷却水が無くなって赤熱した コア部分からぽろぽろと落下してくる高熱の酸化ウランというセラミックスのデブリは圧力容器底部に落ちて塊となり、中心部は高熱となり、周辺を過熱する。底部鏡板中央にあるドレンホールには細いがゆえに肉厚の薄いステンレス管が溶接されている。これが真っ先に熔け るか割れてて内部の高熱の蒸気を格納容器に漏らすだろう。底部それからICモニタハウジングと沢山のCRDハウジングはスタブチューブという短いパイプを炉内面に隅肉溶接 されている。そしてインコロイ製のハウジングをスタブ チューブに通し、スタブとハウジングを隅肉溶接した構造になっている。隅肉部は弱いので熱で割れ、海水をいれたので応力腐食割れ(SCC)が生じ、ハウジングがいくつかストンと下に抜けたかもしれない。当然格納容器外に設置された制御棒駆動装置に連なる細いマカロニチューブも破断されただろう。破断口は格納容器外にある制御棒駆動装置や復水タンクと連なっている。ここを逆流したかもしれない。

意図しない局所的臨界は生じているか?

Peace Philosophy Centre, based in Vancouver, Canadaがモントレー国際問題研究所不拡散研究センターの研究員、フェレンツ・ダルノキ・ヴェレス博士(F. Dalnoki-Veress)による論文のIEERエネルギー環境研究所所長であるカリフォルニア大学バークレー校工学博士アージャン・マキジャーニによる解説文を掲載した。論文はWhat Caused the High Cl-38 Radioactivity in the Fukushima Daiichi Reactor #1?というもの。Nature電子版にも掲載。これによるとヴェレス博士は 3月25日に共同通信が1号機タービン建屋の溜まり水の東電の分析結果を掲載した。そこに半減期37分の38塩素が1.6MBq/ccとあったのをみてビックリした。 使用済み燃料に含まれるキューリウム243、244などの超ウラン元素は自発的核分裂をして中性子を放射する。当然半減期37分という短命の38塩素も微量生成するが排水中に含まれていた量はとてもそれでは説明できないほど多量であった。1号機では時々中性子ビームを発する局所的再臨界が生じてい るとしか考えられない。炉底に溜まった塩に中性子が照射され、38塩素が作られててタービン室地下にでてきているというのである。分析間違いの名人の東電だから間違いかもしれない。しかし正しいとするなら、これだけの量を製造する中性子は超ウランが崩壊して出す中性子の量では説明がつかない。局所的に臨界になっていると推定するしかないというのである。

京大原子炉実験所助教小出裕章氏も4月6日、同じ指摘をしている。38塩素があることと、ヨウ素がいっこうに減らずむしろ増えてることもその理由としている。臨界のときに出るだろうと思われるヨウ素134というのがある。前に東京電力が検出したと発表したのが間違えてたということがあったのだが。実際は分析者が間違えるということはないだろうと思うし、ヨウ素が減らないということは、ひょっとすると、と今は思うようになっていると考えているという。臨界といっても爆発はしない。温度が上がり形状が変わると臨界がおさまる。おさまるとまたもとに戻って核分裂反応が始まるということを繰り返しいつまでたっても発熱が止まらない。2号機にもこの傾向がある。小さな原子炉がいつまでも動いていて止められないという状態なっている。動いているということは、核分裂生成物を次に生み出してるということだから、放射能が次から次へ漏れてくる。それがヨウ素の濃度が1億倍を超えてしまったということ。ホウ素の注入量が少なすぎたので局所的臨界が継続しているのだ。そういえば海水から真水に切り替えたときホウ素の添加をやめたという報道があった。

国際原子力機関(IAEA)の原子力安全担当のデニス・フローリー氏が、福島第1での再臨界の可能性について「最終判断ではない」としたうえで「これ(再臨界)は部分的に起きる恐れがあり、放射性物質の放出が増加するかもしれない」と述べたとしていると米ブルームバーグ 紙が報じている。

東京電力は23日、東電福島第一原発の原子炉建屋の約1.5km西にある正門付近で、これまでに2回だけ計測されたとしていた中性子線が、12-14日に計13回検出されていた と発表した。燃料棒プールからと考えたほうが良いかもしれないが、関係あるかもしれない。

7日の7Mの余震後、1号機の温度が急上昇を始め、内部の放射線強度も急に3倍になったことも説明できる。震動でより臨界が維持しやすくなったと説明できる

酸素と水素が発生しているとして慌てて窒素ガスを格納容器に注入しはじめた真の理由の説明になっている。ガンマ線だけではそう水素と酸素が発生するものでもない。やはり中性子線がなければ説明がつかない。

核物理学者の森永先生に局所的臨界現象について聞いたころ、コアがメルトしてしまうとホウ酸を投入してもメルトしたコアの中には届かない。したがって、ずっと局所的臨界は発生していてもおかしくはない。東電の担当者が朝日の記者に語った、「注水量を増やすと炉頂の温度があがる。不思議だ」というつぶや きは水のファットマン効果を疑わせる。制御棒は無論燃料棒と一緒にとけて圧力容器の下のほうで熔けて熱いタドンのようになった塊のなかに溶け込んでいるだろう。制御棒は炭化ホウ素、カドミウム合金、インジウム、銀など中性子吸収剤で作られているから濃度の高いところでは臨界にならない。しかし均一に混ざっているわけではないから、まるでないところもある。そういう局所的なところでホットスポットになっていると想像される。4月6日のM7の余震の後、温度が再上昇し、260oCになった。その後も3日間220oCを維持している。局所的臨界が疑われる。臨界のとき、中性子線のパルスが出るので分かるはずだが、炉心内部の現象なので厚い遮蔽のために外には中性子線はでてこない。局所的臨界しても薪が弾けるようにパ チパチと瞬間・局所的ミニ爆発をしてジェオメトリーが変わるので液体燃料の東海村の臨界のように継続するものではない。局所的臨界を証明するためには中性子によって合成される自然界には存在しないな 放射性アイソトープが排水にでてくるので、ヨウ素やセシウムが発するガンマ線だけでなく、広域のガンマ線スペクトルを測定すれば確認できるのだがとつぶやいている。東電か保安院がそのような測定をしているか不明。安全委員会でそのような指導をする立場だけれど日本では核物理学者は死に絶えたからどうかな?とおっしゃっていた。

現場で働く作業員がもっている線量計は中性子を検知できない。これは労働衛生上問題となろう。

格納容器の構造上の脆弱性

ゼネラル・エレクトリック社でマーク1の安全性を再評価する責任者だったデール・ブライデンバー氏(79)が毎日新聞に格納容器について「設計に特有の脆弱さがあった」と指摘。容積が小さいことが最大の理由らしい。開発後に社内で強度を巡る議論をしたが受け入れられなかった。ブライデンバー氏はGEを辞め、原子炉格納容器の上部が小さく、下部と結合する構造が脆弱で万一の事故の際には危険であることを米議会で証言。マーク1の設計上の問題は、米原子力規制委員会の専門家も指摘し、GEは弁を取り付けて原子炉内の減圧を可能にし、格納容器を下から支える構造物の強度も改善。GEによると、福島第1原発にも反映された。「補強しても基本設計は同じ。水素爆発などで生じた力に耐えられる強度がなかった」という。

サプレッション・チャンバーは破損したか?

15日、2号機サプレッション・チャンバー付近で爆発音がしたとき、確かに環境の放射線量はピークを示した。爆発音以降格納容器の圧が計測不能だから破損したと東電は言う。爆発音がしたとき、圧力検出センサーが破壊されて計測できていないだけかもしれない。圧力容器内のメルトしたコアが圧力容器内下部に落下して水蒸気爆発した時の衝撃波が安全弁経由サプレッション・チャンバーに放出されたなどの仮説が披露された。しかし圧力容器の底が一挙に抜けない限り、水蒸気爆発など生じない。幼稚な学者の説と聞こえる。圧力容器の底板がドカンと抜けるのではなく、ドレンや制御棒が抜けた穴から水と蒸気が漏れる程度では水蒸気爆発は生じない。また水が圧力容器から漏れてはいるがインナー・ペデスタル・エリアに多量の溜まり水がない場合も水蒸気爆発は生じない。そして格納容器にはすでに漏れ個所があり連続的に流出しているのだからインナー・ペデスタル・エリアに多量の溜まり水があるわけがない。だから水蒸気爆発は生じなかったし、今後も生じない。

27日に至り、1-3号機タービン室地下とピットから多量の水が発見されたことからと、意図したベントと関係なく、間歇的に放射線強度が突発的に上昇したことからも、全ての格納容器は破壊されていると推定される。その破壊個所はあるとすればエキススパンジョン・ベロウだろう。熱膨張を吸収するために薄いステンレス管で作た蛇腹管だから真っ先に破れる。エキスパンジョン・ベロウはドライウエルとトーラスを結ぶ10個以上あるベント管についている。(下図褐色部)もれた汚染水は トーラスを収納する原子炉建屋の地下を満たし、溢れて唯一ある通路、主蒸気配管と給水管を通すトンネルを経由してタービン建屋に流れて溜まったと考えるのが妥当だろう。 仮にエキススパンジョン・ベロウではなく、別の個所であっても漏れた水はまず原子炉建屋の地下を満杯にしてから主蒸気配管トンネル経由でタービン室に流れ込む。溜まった量も注入した総量とほぼ一致している。

3号機も4月2日に格納容器圧が大気圧なのでほぼ同じように格納容器は破損している。

1号機はアイソレーション・コンデンサー(非常用復水器)が装備されていた。アイソレーション・コンデンサーを使っていたためかスクラム後半日も経たない11日中に格納容器の圧が設計圧の2倍以上に上昇して早期に破損したと考えられる。 東電は格納容器の水素爆発を防止するために6,000m3の窒素を注入するのだと大々的に宣言し、4月6日から413Nm3の窒素 を注入したところ、圧力が156から176kPaに上昇した。 予想より早く上昇するしたのは水位が高くなっているのではとの東電のつぶやきが報道された。これはニューヨークタイムズにスッパ抜かれた米国のNRCが懐いた高水位と余震の危惧を共有していたからと思われる。本当にそうなら大変危険だ。そこでNRCと東電の危惧が当をえたものか理想ガスの状態方程式を仮定してドライウェルの残り空間を推算してみた。理想ガスの状態方程式は

PV=nRT

だから注入した窒素のモル数nは

n=100 x 413/RT

あらかじめ格納容器にあったガスのモル数n0はドライウェルの空間容積をV0とすれば

n0=156 x V0/RT

注入後の状態は

176 x V0=(n+n0)RT

だから

V0=(100 x 413 +156 x V0)/176

V0=2,065m3

となる。概略の寸法から推算したドライウエル内容積から圧力容器の容積を除いた容積は2,152m3だからぴったり一致する。ドライウェルまで水位は上昇していない計算結果となる。やはり1号機の格納容器は水に関してはジャジャ漏れなのだ。漏れ個所が原子力建屋の地下室で水封されているからガスは漏れていない。住民にとっては不幸中の幸いでもある。だがもれ出る水をどうかしなければ東電は膨大な漁業補償に直面する。ちなみに東電が用意した窒素ガス6,000m3を全て注入すれば圧力は446kPaに上昇し、設計圧の430kPaを越えてしまう。まーそうなる前に水封圧以上になれば汚染ガスがぶくぶくでてきてまた原発周辺の放射線濃度があがる。すでに 格納容器内ガスは上がってメーターは8日から100Sv/hで振り切れているが東電は計器故障とウソを言っている。4月12日になり、東電は幾ら窒素を注入しても圧が上がらない。どこからか漏れているようだといいだした。不思議なことに周辺の放射線強度は上がっていないという。窒素だけもれているのか?

Path way of radiation material and cumulative quantity

4月6日になって東電は米原子力規制委員会(NRC: Nuclear Regulatory Commission)の専門家のアドバイスに従い1号機格納容器に水素爆発防止のため窒素を注入するという。6,000m3の窒素ガスを6日間に渡って注入するという。これは格納容器の内容積の2倍の量だ。その理由として2通り考えられる。

@格納容器はあらかじめ窒素が封入されているわけだから、次第に温度が下がれば内部の水蒸気が凝縮して負圧になり、2-3号機は空気を吸い込むかもしれないと考えるのは妥当。ただベロウズが水没しているので水封され 、空気を吸い込むおそれはないはず。それにしても6,000m3は多すぎる。この際、ドサクサにまみれて汚染ガスをベントしてしまい、作業環境を良くしようという魂胆かもしれない。

A水が高温や強いガンマ放射線や局所臨界による中性子線を浴びれば酸素と水素に分解する。通常運転時は水蒸気とともにタービンに入り、復水器で未凝縮ガスとして真空ポンプで脱気され、ベントスタックから捨てられる。崩壊時はガンマ線などを出すが中性子線をださない。もし小さな領域で臨界などが生じていれば、中性子線がでて酸素と水素が発生する。水素が4%以上、酸素が5%以上なら爆発する。設計圧100気圧の圧力容器なら耐えられるが、設計圧が4気圧そこそこの格納容器程度では耐えられないと考えたのか?

NRCは上昇する水位によって格納容器に重圧がかかると指摘している。格納容器に水が多ければ多いほど、余震によって壊れる可能性が高くなる。元GEの原子炉設計者、マーガレット・ハーディングも余震を警告して言った。「私が日本側の担当者だったら、地震の後にその構造的完全性を確認もできていない格納容器に何トンもの水を入れたままにしておくことはしない 」と。マーガレット・ハーディングの危惧は杞憂である。なぜなら1号機格納容器は水がジャジャ漏れで満水になる恐れはない。

原子力建屋地下室に溜まり水はあるか?

結論からいうと1-3号機すべての地下室は水没している。4号機は無論水没していない。その理由は4月11日の余震の加速度データは4号機のものしか公表されないからである。1-3号機は水没して死んでいる。

1-3号放射能とタービン建屋地下の溜まり水の流出経路はどこか?

原子力建屋地下室から主蒸気配管と給水管を通すトンネル経由でタービン建屋に流れ込んでいると推定するのが妥当であろう。

格納容器蓋のシリコンゴムガスケット、格納容器に出入するパーソナルエアロックのガスケット、ケーブル貫通部、制御棒駆動マカロニチューブ、計器の信号ケーブルの貫通部などからガスがもれてる可能性もある。ケーブル貫通部(cable penetration)はエポキシ樹脂で固めてある。黒煙がでて火災があったことが分かっているが、いずれかの樹脂が燃えたのだろう。漏洩量が0.5%/dayでプラント境界の放射能量が一定値に達しないなら格納容器 の使用前検査はパスする。今回のような異常を経験すれば漏洩量が増えておかしくない。以上、元東芝設計者後藤政志氏。 ただこれらのいずれからの漏洩であろうと、もれた水はまず原子力建屋の地下に流れ込む。それにドライサンプの貫通穴は全て水面上にあるのでガスは漏れても、水は漏洩しないはずである。

タービン建屋地下に水が溜まり、ヨウ素やセシウムが出ていることから1号機の格納容器の漏れは少ないが3号機は2号機と同様のベロウ部 またはサプレッションチャンバーの他の弱い個所の破壊と漏洩が生じていると考えられる。

BWRは炉心循環水が直接タービン室に連結されているため、蒸気隔離弁が閉じても隔離弁に内部リークがあり、配管がどこかで破損されればもれる。 しかしこのラインには逆止弁、隔離弁があるのでこれらが開いていたとは考えられない。地震動がこれら重要個所を破損したかもしれないが、その可能性より格納容器のベローズ 等の損傷の可能性大である。復水器の冷却海水も止まっていたから復水器に溜まっていた水は給水ラインを逆流したとしか考えられない。復水器が地震で壊れて海水が漏れている可能性もあるが海水ポンプは止まっている。サプレッション・チャンバーの水を圧力容器に循環して残留熱を除去するポンプ系からもれている可能性もあるが、循環ポンプは原子力建屋地下で水没しているはずだからありえない。

containment of BWR

いずれにせよ、2号と3号格納容器は常に漏洩している。特に2号が多いようだ。

Steam isolation valve

Man way of dry well

tube between CRD and control unit

タービン室地下および配管・ケーブル・トレンチの溜まり水

1号のタービン室には18日ころから溜り水が見られるようになり、水深は40cm、放射能濃度は2.9MBq/ccと判明。炉心から流れ出した水が格納容器の破損部経由で 原子力建屋地下室に溜まり、あふれてトンネル経由、タービン建屋地下に流れでていることは組成から断定できる。27日から仮設ポンプで復水器へ戻し始めたがすぐ復水器は満杯になり、30日ではタービン室は水深さは半分になっただけ。

2号のタービン室に27日ころから水がたまり始める。溜まった水の水深は1m、放射能濃度は2.9GBq/cc(通常の10,000,000倍 )と発表された。しかしこれは間違いで、通常の100,000倍(29MBq/cc)だという。炉心から流れ出していることは組成から断定できる。もれた水量はタービン室地下で長さ100m、幅10mに溜まり仮に水深1mとすれば100mx10mx1m=1,000tonとなる。復水器は一杯で収容できない。 そこで東電はこれを復水タンクに移そうとしたがこれも満水。3日かけてサージタンクに復水タンクの水を移し、復水器の水を復水タンクに移す玉突きをやろうとしている。4月9日にようやく完了した。10日にタービン室地下から復水器へ汲み上げ開始するという。

3号のタービン建屋地下で24日作業員被曝。溜まった水の水深は1.5m、放射能濃度は3.9MBq/cc(通常の10,000倍)と判明。炉心から流れ出していることは組成から断定できる。復水器は一杯で収容できない。復水器内の水の組成は発表なし。

さてこの溜まり水を復水器に収容しようとしたところ、1号を除きほぼ満水だった。そこで東電はこれを復水タンクに移そうとしたがこれも満水。3日かけてサージタンクに復水タンクの水を移し、復水器の水を復水タンクに移す玉突きをやろうとしている。4月9日にようやく完了したという。

このほか海水配管を通すトレンチが満水で1号機は大部分海水のようだが、2号機は間違いなくタービン建屋の溜まり水が流れこんだ模様。3号機は未調査。海水ポンプや海水スクリーンの電力ケーブルを通すトレンチにも同じ溜まり水が流れ込み、4月1日、海水スクリーン横から高濃度汚染水が取水口の海に漏水しているのが見つかった。これはセメントで漏れ止めしたが止まらない。吸水性高分子ポリマーを流し込んでも止まらない。コンクリート製トレンチの下に敷いた敷石層が水脈となって流出していると見られる。流出量は7ton/h程度、2号 機への注水量とほぼバランスしている。敷石層に水ガラス(珪酸ソーダ)を注入して流量は少なくなり 、ついに4月6日完全に止まった。濃度はヨウ素で300,000Bq/cc。セシウムで排出基準の1,100,000倍という。

4号機のタービン建屋の地下には水は溜まっていない。1-3号機の汚染水をこれに移すことを検討中と報道される。

5、6号室の地下にも地下水の湧出はあるという。

東電は4月11日からタービン室地下とピットの溜まり水の排水のとりかかるとしている。たとえこれに成功しても原子力建屋地下に溜まる水をどう排水するという大問題がある。ものすごい放射線の下で働くロボットを投入して、また原子力建屋の外から厚いコンクリート壁に穴をあけて排水を始めても、水面がサプレッションチャンバーの破損個所まで下がれば放射性ガスが多量に大気中に漏れ出す。こうして12-16日の悪夢に戻る。現在、この溜まり水が曲がりなりにも水封の原理でガス漏洩を防止しているわだ。(無論これは私なりの独自の推論で、東電と政府は認めたくなく、目をそらしているが)だから排水はここで頓挫するわけ。

通常、化学プラントでは可燃物を扱うから海水配管やケーブルは直接埋葬して可燃物がたまらない構造にする。しかし東電は土木屋が強いからものすごい金がかかるが、世界一高い電力料金を取っているから意に介さない。土木工事量を多くしようとする社内パワーバランスなのか、巨大な海水配管すら地中に巨大なトンネルを構築してその中を通すことを好む。直接埋設のほうが周囲の土壌から優しい力で支えられるのだが、コンクリート・トンネル内の配管は固定点に集中加重をうけるので破壊されやすい。東京湾の扇島のLNG基地も世界の標準は配管は海上のトレッスル上に設置するが、東電は海底トンネルを掘ってここにパイプを敷設せよと要求する。いつかガス漏れ事故を起こすのではないかと心配だ。

汚染排水の回収作戦

玉突きのやりくりはタービン建屋の地下の汚染水が危険すぎて多分不可能と考えていたが、案の定、10日間空費した挙句、集中廃棄物処理施設にある10,000トンの低レベル汚染水を海に放流して開けたスペース3万トンに2号のタービン室地下の水を回収するという。総量5-6万トンの汚染排水があるという。不足する2万7000トンのタンクを1ヶ月で新設するという。現時点でも7ton/hという高濃度の トレンチの漏れは発見後4日後の4月6日にようやく止めることができた。静岡市がもっていたメガフロートを東電が買い上げて横浜の三菱重工で漏れなどチェック後、福島に持ってゆくことも決まり、4月7日には曳航中の映像をみた。これは長さ対深さ比が45もあって通常のバージの12に比べ、極端に薄い。荒天で曳航すればホギングやサギングデ折れてしまうおそれがある。防波堤などの守られた海面でないと汚水 毎失うおそれがある。

当初、塩の蓄積を回避するために米軍が提案した横須賀から運んだ米軍のバージは着岸したが、4月3日現在配管接続がまだうまく行っていない。もう1隻並べて着岸させ汚染排水の一時保管タンクにするようだ。静岡市にある1万トンの収容能力あるメガフロートを現地に運ぶことも計画の内にあるようだ。

4月12日にようやく2号機の汚染排水を復水器に移す作業が開始された。

復水器の水はどこから来たか?

圧力容器の給水ラインには逆止弁が2個と隔離弁がシリーズに入っている。事故後2週間も経過しているのでこれがもれたか、壊れた可能性のある制御棒駆動 ピストンと高圧ボンベを結ぶマカロニチューブ経由か。弁操作が不明のため憶測にすぎないが、復水貯蔵タンクからの逆流などの可能性は低いという。

タービン室地下およびトレンチの溜まり水の核種

一般に核分裂生成物は下表のようなものだ。核分裂生成物を100%としたときの成分比を示してある。エネルギーになって減少した質量を無視するとほぼ同じ質量の核分裂生成物があることになる。

Fission Products

half-life

detected by TEPCO

FP concentration (wt%)

140barium

13d

yes

trace

133caesium

stable

no

6.79

134caesium

2y

yes

trace

136caesium

13d

yes

trace

137caesium

30y

yes

6.09

56cobalt

77d

yes

trace

58cobalt

71d

yes

trace

60cobalt

5y

yes

trace

129iodine

15.7My

no

0.66

131iodine

8d

yes

2.83

132iodine

2h

yes

trace

134iodine

53m

yes

trace

135iodine

6.6h

no

6.33

115indium

440Gy

no

trace

85krypton

11d

no

trace

140lanthanum

2d

yes

trace

99molybdenum

66h

yes

trace

147promethium

2.6d

no

2.27%

106ruthenium

370d

yes

trace

149samarium

stable

no

1.09

75selenium

120d

no

trace

108silver-m

418y

yes

trace

121Sn

55y

no

trace

90strontium

29y

no

5.75

90technetium

211ky

no

6.05

99technetium-m

6h

yes

trace

99technetium

211ky

no to yes

6.05

129tellurium

70m

yes

trace

129tellurium-m

34m

yes

trace

132tellurium

3d

yes

trace

tritium

12y

no

trace

127xenon

36d

no

trace

88yttrium

107d

no

trace

88zirconium

83d

no

trace

93zirconium

1.5My

no

6.3

possible fission products

27日公表のTEPCOの核種の分析表はセシウム134をヨウ素134と間違えただけでなく、典型的分裂生成物である「プロメチウム147」、「サマリウム149」、「ストロンチウム90」、「テクネチウム90」、「ジルコニウム93」を分析していない。ただ「ウ素800」はかなり含有されているらしい。4月になって保安院が公表した溜まり水の分析値共同通信が配信した38塩素などを加えたものは下表である。

Date:March 26

Unit-1

Unit-2

Unit-3

Fission Products

half-life

Bq/cc

Bq/cc

Bq/cc

74arsecic

18d

390

38chlorine

37min

1,600,000

140barium

13d

490,000

19,000

134caesium

2y

120,000

2,200,000

55,000

136caesium

13d

11,000

250,000

6,500

137caesium

30y

130,000

220,000

56,000

131iodine

8d

150,000

13,000,000

320,000

134iodine

53min

140lanthanum

2d

340

190,000

3,100

91yttrium

59d

390

Total

-

2,012,120

16,350,000

459,600

detected fission products

放射能汚染食品摂取に伴う内部被曝の換算係数や物性

131ヨウ素:1Bq=0.000016-0.000022mSv 半減期8days ガンマ線  融点113.6℃、沸点183.4℃

137セシウム:1Bq=0.000013mSv  半減期30year  ガンマ線 融点28.5℃、沸点668.4℃  生物濃縮、人体の減衰係数は70day

90ストロンチウム:1Bq=0.000028mSv 半減期29y ベータ線 融点769℃、沸点1,384℃  人体の減衰係数は18year

89ストロンチウム:1Bq=0.000026mSv

トリチウム水:10,000Bq=0.00018mSv

トリチウムガス:10,000Bq=0.000000018mSv 半減期12.3y ベター線 最近の雨水中のトリチウム濃度2Bq/literとして、この水を1年間摂取すると、実効線量は約0.00004ミリシーベルト。体内取り込みによる内部被曝が問題になる。

239プルトニウム: 半減期24,000y アルファ線

アクチニド

1と3号機の燃料であるウラン235、3号機の燃料であるプルトニウム239も分析していなかったが29日になって検出されたと公表。敷地内土壌のプルトニウム量は0.8Bq/kg。

Actinide or Truns-uranium

half-life

detected by TEPCO

concentration(wt%)

237neptunium

2,140,000y

no

238plutonium

88y

no to proportional to fuel

239plutonium

24,000y

no to proportional to fuel

4%(reactor 2)

240plutonium

6,500y

no to proportional to fuel

241amerisium

432y

no

235uranium

7,000,000y

no to proportional to fuel

1%(reactor1&3)

detected actinide or Truns-uranium

235ウラン4%燃料を使って発電した270kgの超ウラン元素を含有する軽水炉の使用済み燃料40トンの放射強度は下図の通りである。ここでFPとは核分裂生成物(Total FP: Fission Products)、プルトニウムなどのアクチニド(Total Actinides)または超ウラン元素(TRunsUraniumTRU )を個別に表示。

decay of radiation

既存残留熱除去系の復旧は不可能?

東電の吉田昌郎所長は残留熱除去系を動かしたいようだ。元東芝の伊藤さんによると残留熱除去系ポンプは原子力建屋にあるという。でもトーラスが破損していれば当然水没だろう。仮に水没していなくとも冷却水は真水の補機冷却水をつかう。この補機冷却水はタービン建屋で水没している可能性あるから、残留熱除去系を使うということはタービン建屋を使えるようにしなければならないということになる。仮に排水に成功しても原子炉に注水しているわけだから水はドンドンでてくる。賽の河原現象だ。

原子力建屋にある残留熱除去系を動かすには遠隔操作できなければならない。中央制御室の照明は点灯したが制御盤とバッテリーを生き返らすことができるのだろうか? 残留熱除去系のポンプ類は原子力建屋で水没している。仮に原子力建屋の排水に成功しても水没していたモーターは使えないはずだ。タービン建屋の排水をしたところで全く関係ない。

東電は仮設の海水取水ポンプを4月3日に設置完了した。しかし、循環ポンプは原子力建屋の中で使えない。要するに既設の残留熱除去系をよみがえらせる試みは絶望的なのだ。

新しい仮設の循環ポンプシステムを作ってそれをタービン室の給水ラインや主蒸気ラインに切り込んでも圧力容器の底がぬけているので循環運転はできない。

このままでは現在の開放系ワンスルー冷却を数年継続することになりそう。そうなれば格納容器の汚染物質は全てトレンチの割れ目から地盤に滲みこみ、土壌と海洋の汚染を引き起こす。最悪のシナリオになりそう。

唯一の残存熱除去運転法

現在の垂れ流し方式は早急にやめなければならない。提案できる方法としては原子力建屋地下室をサプレッションチャンバーの代用にすることしかないと思われる。ただそれができるのは投入した海水が真水によって全て洗い流すまで待たねばならない。

その時点がきたら原子力建屋の外からボーリング機械で壁に穴をあけ、そこから水中ポンプを原子力建屋地下室に投入し、汲み上げた廃水をろ過して現在の真水注入ラインにつなぎこむことであろう。

使用済み燃料プールは干上がったか?

spent fuel pool reactor well and equipment pool (kashiwazaki-4)

それぞれのプールには残留熱の異なる使用済み燃料が入っていた。蒸発で水が失われ、燃料が露出するまでの日数は日数は;

1号機:140日

2号機:58日

3号機:32日

4号機:14日

1号機は従って話題にもならず。第一水素爆発で建屋の燃料交換デッキがぶっ飛び屋根が下ちて中の様子も分からず、外から水を供給することすらできなくなった。3月31日にコンクリート打設機で注水できたという。何もしなくとも140日は燃料は露出することはないだろう。

2号機は燃料交換デッキは破壊されず、ハッチから湯気がでている程度でこれも問題視されていない。28日に至りで既設配管を使って海水をプールに時々注水しているという。ただ循環運転はできていない。

3号機には昨年10月、再処理したプルトニウムを添加したMOX燃料が装填されていて、炉内の崩壊熱が他の通常燃料より大きいという。本試算では便宜上10%増しとしている。計算によれば使用済み燃料の崩壊熱で3号機の燃料プールの水が少なくなったのではないのは明らかである。3号機建屋の水素爆発時プール・ゲートは吹き飛んだ。結果ゲートを通過して燃料プールの水が原子炉ウェルに流れ込み、ゲート水深4mまでの水を瞬時に失う。それでも475トンを蒸発で失わなければ燃料棒は露出しない。計算では10日間の蒸発量は146トンだから燃料棒は露出しなかったことになる。これは自衛隊機の観測とも一致する。従って 燃料棒が露出してジルコニウム被覆が酸化し、水素を発生して火災が生じたという説明はここには適用できない。放射能の大多数は格納容器ベント時に放出されたものだろう。一方、原子炉ウェルに流れ込んだ水は140oCの格納容器に過熱されて蒸発し、白煙をあげたと理解できる。20-21日、3号機の格納容器の圧力が設計圧近くまで上昇し、格納容器ベントまで検討されたという報道があったが、放水で冷却されたため、ベントせず内圧が維持できたとも解釈できる。放水の動機は別にあったが結果オーライ。けがの功名である。

プール水の循環はオーバーフローした水は循環ポンプで吸引され、補機冷却系という真水の冷却水と熱交換して冷やされプールに戻ることになっている。そのため、地震で配管か関連機器が破損してももれることはない。真水の冷却水は最後は海水で冷却されるのでシステム全てが復旧しなければ動かせない。以上小倉志郎氏。

4号機は定期検査に入っていたため、最もプールの発熱量が大きい。幸いにも燃料棒は100日前に取り出されていたため、発熱量は0.06%程度であった。燃料プールと原子炉ウエルと機器ウェルを連結する深さ4mのゲートが閉鎖されていたとすれば、燃料プール内の遮蔽水深8mの水は950トンである。しかるに崩壊熱で蒸発する水量は10日で663-800トンで燃料棒が露出することはギリギリ免れたと思われる。 それにゲートが地震で外れていれば原子炉ウェルの水も期待できる。ただ地震のスロッシングでかなりこぼれたとすれば一部露出して480oC以上になり、水素を発生させたともいえる。ただ森永先生はガンマ線で水は水素と酸素に分解し燃料プールをバブルアップしている。通常は排気ファンが排出しているが停電でとまり、4日間停止中に火災が生じる程度、燃料交換デッキに溜まったと考えられるという。

米軍のグローバルホークで撮影した映像をもとにNRCの幹部が17日に北沢防衛相を訪れ、4号機のプールが空になっていると伝えたが、当時はまだ屋根が残っており、誤爆で有名な米軍のことだから この情報にあまり信憑性はない。なぜか東電は米軍の情報を無視して3号機に集中し、4号機は数日間放置後、ようやく放水し たが、その時、激しい水蒸気は立ち上がらなかった。その後の自衛隊機の観測では水が見えたというし、赤外線観測で高温部はなかったという。いずれにせよ4号機の火災と 周辺の放射線強度の相関関係はないので4号機の使用済み燃料棒から分裂生成物は大気にはまだでてきていないとみて良いのではないか?4号機のプールもコンクリート打設機で注水継続という。

DOEは1-4号機の燃料プールには水があると3月末確認している。

あれだけさわがれたプールの燃料棒破損の恐れは少くないと思われる。

使用済み燃料プールの循環冷却

仮設電源復旧後、故障した循環ポンプや海水ポンプが復旧したとしても爆発で吹き飛んだコンクリートの破片などがプールの底にたまっていると考えるのがプラントの試運転 を沢山してきた者の常識だ。ただ循環水ポンプはオーバーフロー水を吸引するので多少のゴミがあっても問題ないかもしれない。

問題は循環ポンプも冷却水もタービン室のポンプと海水ポンプが動かなければ循環冷却ははじまらない。タービン室に人が出入りできない以上、全く別に新しい仮設設備を作らない限り循環運転はできない。というわけで30日に至るも原子炉の循環冷却もプールの循環もできていない 。依然として建屋外からの放水で蒸発損失を補っている始末である。そうして汚染された水は垂れ流しだれつづける。そしてオープンとなった原子炉はそのまま放射性物質を垂れ流し続けるのだ。

新耐震指針は過少であった

2006年に改訂された新耐震指針では438ガルであったが、2号機で546ガル(想定452ガル)、3号機でも507ガル(想定441ガル)であったという。4月に入ってからの余震の加速度データは4号機しか公表されていない。多分1-3号機は水没しているのだろう。

無人飛行機写真が教えること

TVでも紹介されていたが新潟県妙高市の無線操縦の小型機が3月24日上空至近距離より撮影した鮮明な写真は沢山の情報を教えてくれる。

@1号機の原子炉建屋の屋根はそのまま、燃料プールのある床に落下してプールを覆っているから外から放水できない状態である。

A2号機の原子炉建屋はエキスプロージョンハッチが飛んだだけで無傷、屋根はそのままである。これはベントしたとき格納容器にあらかじめ充填してある窒素が水素を希釈して爆発範囲にあったガス容積が少なかったためと見られる。従って炉心メルトダウンの事実は同じだろう。

B3号機の原子炉建屋は一番激しく爆発した。飛び散ったデブリが原子炉建屋とスタックをつなぐダクトを完全に破壊し、タービン室の屋根の大穴をあけている。2-3号復水器抽気ベントダクトも落下物で破断している。(1号復水器抽気ベントは原子力建屋換気と共用らしい)

C4号機の原子炉建屋はプールの隣の壁が爆発で飛んでいる。4号機の3台の縦型海水ポンプが流失して見えない。

D流失したディーゼルタンクの基礎が見える。

設計基準と実際

1号機:想定532ガル、実際540ガル 想定津波14.8m、実際13m 引き波で取水口が3-5分干上がる。

2号機:想定590ガル、実際607ガル

3号機:想定512ガル、実際573ガル

無誤謬ドグマ由来の人災

今回の事故のポイントと対応策を整理すると下記のようになります。

@非常用ディーゼル発電機燃料タンクを岸壁に設置していたために流失した。取水口近くの海水ポンプのモーターが冠水して使えなくなったか、モーターが波にさらわれた。

A1号には自然対流を利用するアイソレーション・コンデンサーがついていたが能力が不十分だったためか不凝縮ガスをベントしなかったためか、たいして役に立たなかった。日本の他の原発にはアイソレーション・コンデンサーはついていない。格納容器内にはアイソレーション・コンデンサーを置く空間がないだろう。アイソレーション・コンデンサーがあっても直流電源を失い不凝縮ガスベント弁を操作できなければ使い物にならない。

Bタービン駆動の原子炉隔離時冷却系ポンプは日本の全ての原子炉に装備されているが、バッテリー電源が失われれば役に立たなくなる。そもそも原子炉隔離時冷却系などは格納容器外の原子力建屋内に設置されている。そして半減期1秒という窒素16からタービンを守るために設置されている主蒸気隔離弁以外隔離弁は存在しない、 給水ラインにはチェック弁がある。従ってこれら配管が破損、または弁類の開閉が確認もできない状態では格納容器は封じ込めの機能を果たせない。

Cフランスでは老朽化に伴い、格納容器が脆弱化しているとしてベントガス浄化のためのサンド充填吸着塔を用意しているが、無誤謬神話の日本ではサンド充填吸着塔はタブーだった(フランスは無事故) 米国でもMark I型の格納容器は漏れやすいので活性炭充填のヴェントガス吸着塔をつけるべきとの見解が表明されていた。

Dサプレッションチャンバーベントガスがベントスタックに行くダクトは建屋排気ファン出口と共用、弁類がすべて電動のため直流電源をうしなってからは開閉ができなくなったことのため、建屋ファンを逆流する構造になっていたのはバッドデザイン。水素爆発で建屋を失い、第五の封じ込めバリアを失った。

E格納容器のベントは16日の西風のとき、前髪をつかんでするべきところをしなかった。こうしてベントのタイミングを逸して設計圧を超える運転をし、サプレッションチャンバーを損傷し、多量の放射能汚染水を発電所内にばらまき、残留熱除去系の復旧を不可能にした。

Fスクラム後、圧力容器を満水にしなかった(通常運転時にタービン保護目的で炉心の水位高で自動停止する仕組みを解除して満水にする決断のできる人間が現場にいなかった)

G世界標準に従い海水ポンプモーターを裸で取水口近くに露出させたままにしたため、4号機のモーターは津波で流された。保護建屋に囲まれた福島第二原発、東海第二原発は無事だった。これを見れば他のポンプも同じと判断し、既設ポンプ復旧を断念すべき。敗戦を認める勇気が必要。

Hタンク水のリレーにこだわって時間を浪費せず、既設残留熱除去系の復旧は不可能と判断することからはじめる必要がある。無駄な努力に貴重な人的資源を浪費しないで、汚染水をバージに回収するグループと長期に渡って使える車載残留熱除去装置を作って切り込むグループに分け対処を考えたらどうかと考えたが、東電は手持ちの汚染度の低い未処理水を海に放流してそこに汚染度の高い1万トンの排水を収容するという。しかしまだ残り2万トンをメガフロートにと考えているようだ。

尊大だった清水社長が意外にも心労で倒れて、代わりにソーラーセルなど役に立たない代物と政府の委員会でしつこいほどくりかえし、国民に原子力しかないと暗示をかけてきた勝俣会長が陣頭指揮をとることになった。過去の悪行の反省もなく、当面の事態の打開策も持っていないようだ。悪さするばかりで決断のできる人間が指導層にいない。これでは天災ではなく、人災だ。 いずれ辞任するだろうが個人的な賠償責任があろう。

放射線被曝基準について

自然放射線は2.4mSv/y(0.27mSv/h)。医療被曝を加え、5mSv/y(0.57mSv/h)が平均値である。航空機200mSv、レントゲン検査は600mSv、CTスキャンは10mSvである。急性放射線障害は1,000mSv、死亡率50%は4,000mSv、死亡率100%は7,000mSvである。ちなみにチェルノブイリ事故処理作業員の被曝量は平均100mSv、高線量汚染地住民は50mSv、強制避難した30km圏内住民は33mSvと推定されている。

法律では一般人の被曝許容量は1mSv/y、原発作業者の被曝許容量は50mSv/y、非常時作業は100mSv/y、厚生省は今回の事故処理のために250mSv/yに上げた。屋内退避基準は10-50mSv/y、コンクリート屋内退避または避難基準は50mSv/y以上。5mSv/h(44mSv/y)が報告義務、10mSv/h(88mSv/y)は避難レベル。

国際放射線防護委員会(ICRP)は非常時は原発周辺に住む人々の年間被曝限度量を1-20mSv/yとした。日本政府もこれを受け入れることを検討中。ICRPは100mSvで癌になるリスクは5%上昇するとしている。

国際放射線防護委員会(ICRP)

国際放射線防護委員会(ICRP)のよりどころは直線しきい値なし (LNT) モデルと呼ばれる仮説である。LNTモデルはICRP勧告第26号(1977年)において、人間の健康を護る為に放射線を管理するには最も合理的なモデルとして採用された。各国の国内規制もICRPの勧告に準じていることが多い。仮説を墨守することに対しては批判もある。「これ以下なら確率的影響の確率が全く増加しないというしきい値を持たない」、というこの仮説の特性は、原子力と放射線の利用に反対するグループの宣伝材料として利用された。
一方、逆の立場からの批判もある。欧州緑の党が設立した欧州放射線リスク委員会 (ECRR) は2003年勧告の中で、セラフィールド再処理施設の小児白血病の発生率がICRPの基準からの予測値より100倍以上多いと報告している。その上でホットスポット仮説を考慮すると現在のLNT仮説は内部被曝や低線量の被曝を過小評価しているため、放射線防護基準はICRPの基準より少なくとも10倍厳しくするべきだと主張している。

放射能汚染食品の摂取規準(日本)

飲料水、ミルク中のヨウ素:成人300Bq/liter、幼児100Bq/liter、ICRPは10mSv

野菜中のヨウ素:2,000Bq/kg

魚のヨウ素:無誤謬ドグマのため、なし。泥縄で検討して野菜と同じとした。早速コウナゴは不合格。

魚のストロンチウム:規制値なし。セシウムが規制値以下なら問題ないという意見もある。

土地の汚染:農水省は米作はセシウム5,000Bq/kg以上では玄米ニ500Bq/kg吸収されるので作付けしないことに決定。

海洋生物によるセシウムとストロンチウムの濃縮

ヨウ素は半減期が短いので論ずる必要はない。4月4日茨城産コウナゴから447Bq/kg検出された。IAEAによればセシウムは魚で100倍、海草で5倍濃縮する。

電気出力100万kWの軽水炉を1年間運転すると、10京ベクレル(10,0000tBq)の90ストロンチウムと260京ベクレル(2,600,000tBq)の89ストロンチウムが蓄積する。原爆は高温のため全てを気化する。アメリカと旧ソ連による大規模な大気圏内核兵器実験の影響で1960年代前半に大気中濃度が上昇し、食品の汚染がいちじるしかった。冷戦時代の日本人は核兵器実験の影響で1日に約1Bqの90ストロンチウムを取り込んでいたと推定されている。原発事故のようにメルトしたコアの温度はストロンチウムの沸点1,384℃に達しない。チェルノブイリ原発事故では、大量の放射能が放出された。90ストロンチウムの放出量は、炉内の存在量がほぼ等しいセシウム-137(30.1年)に比べて小さかった。名古屋で採取した大気試料の分析によると、90ストロンチウム/137セシウム放射能強度比は0.002〜0.02の範囲に分布していた。発電所周辺または近隣諸国に降下した放射能に含まれるものの放射能強度比は、上の値より高く0.1に達すると報告されている 。

しかし福島事故では大量の水を壊れてしまった燃料棒の上に注ぎ込み、3万トンもの排水を作ってしまった。これは鉱山でいうリーチングの手法とおなじものだ。リーチングは水に溶けるものを溶かし込み 、地下室やピットに溜まっている。例の富山のカドミウム汚染も、中国のインジウム鉱山におけるトリウム公害もリーチングという方法を採用したための公害であった。今回は福島鉱山の廃液公害になるおそれがある。チェルノブイリもスリーマイルも参考にならない新しい事態であると認識する必要がある。 海水中の90ストロンチウムは魚な人に取り込まれてしまうと18年間体内にとどまるので濃縮される。 水に溶解する試料から化学的にストロンチウムを分離し、1週間以上経過後に生まれてくる90イットリウムを分離し、ベータ線を測定するのがふつうの方法である。しかしまだ 充分な分析体制が整備されていなく東電は廃止にどのくらい含まれているかも分析せず、または秘匿して公表せず、市場の出回る魚の分析体制も未整備だ。現在はヨウ素とセシウムだけで食べてよいかどうか判断しているだけだ。分析は簡単ではないがストロンチウムも測定すべきだろう。

ストロンチウムは核分裂生成物の6%に達する。ストロンチウムはアルカリ金属で化学反応性が高く、水に可溶な水酸化ストロンチウムになる。これも水素を発生させる。だから窒素を注入する。

Sr + 2 H2O → Sr(OH)2 + H2

大気中に放出された放射性物質の総量

広島型の原爆は800gの235ウランが分裂しただけだから、多数の人が中性子線で焼け死んだが残された核分裂生成物はほぼ800gだけ。しかる 1GWの原発には 約100tonの燃料が装荷されている。核分裂物質の235ウランは4%であるからこれを4年間燃すと4tonの分裂生成物が生成する。これが出す放射線はヨウ素とセシウムあわせ6,470,000tBqである。1年当たり1トンだから毎年広島型原爆1,000発分生成していることになる。一日当たり4x1000/(4x365)=2.7kg/d。そのうち数%の揮発性ヨウ素とセシウムだ。チェルノブイリのヨウ素131放出量は1,800,000tBqだ。セシウムを加えれば5,200,000tBqとなる。チェルノブイリでは炉心にあったセシウムの30%、ヨウ素の50%が放出されたとされる。

オーストリア気象当局は事故後3-4日間に放出された放射性物質の量はチェルノブイリ原発事故後10日間の放出量の20-50%に相当するとの試算を発表。フランスの研究機関はチェルノブイリ原発事故の10%と試算。

原子力委員会は25日になりようやく大気中に放出した放射性物質の総放出量を30,000-110,000tBqと公表したが4月12日になり、370,000tBq、原子力安全委員会は670,000tBqと公表、国際評価尺度(INES)レベル7の事故と認定。

Chornobyl overlapped over Japan

漏出水の総放射能

2号機の トーラスのべローズが破損したとすれば原子炉建屋の地下は水没しているはずである。これが溢れて配管トンネル経由タービン室地下に流れ込み更に配管ピットからケーブルピットに流れたと推定すると注入量と見つかった溜る水の量が一致する。このうちケーブルピット経由海に流れ出た量は27日の2号機のタービン建屋の溜り水発見以来10日間で27,468tBq(チェルノブイリの1.5%)に相当する。タービン建屋の溜り水とケーブルピットの合計は247,000tBq(チェルノブイリの13.7%)である。

Unit No.

unit

1

2

3

4

5 & 6

waste treating

contained radiation

discharged radiation

Chornobyl

iodine in reactor from NRC data

tBq

1,300,000

2,300,000

2,300,000

0

0

-

5,900,000

-

-

caesium in reactor from NRC data

tBq

130,000

220,000

220,000

0

0

-

570,000

-

-

iodine+caesium in reactor

tBq

1,430,000

2,520,000

2,520,000

0

0

-

6,470,000

-

-

contained water in reactor basement

ton

3,806

4,503

4,503

4,503

-

-

-

-

-

contained water in turbine room

ton

4,000

4,000

4,000

0

-

-

-

-

-

contained water in pit

ton

3,100

6,000

4,200

-

-

-

-

-

-

contained water

ton

10,906

14,503

12,703

-

-

-

-

-

-

radiation concentration

MBq/cc

0.41

16.35

0.46

-

-

-

-

-

-

total contained radiation

4,472

237,123

5,843

-

-

-

247,437

-

-

leakage rate

ton/h

-

7

-

-

-

-

-

-

-

leakage duration from March 27

days

-

10

-

-

-

-

-

-

-

total radiation of leakage

tBq

-

27,468

-

-

-

-

-

-

-

planned discharge to sea

ton

-

-

-

-

1,500

10,000

-

-

-

radiation concentration

Bq/cc

-

-

-

-

1.5to20

6.3

-

-

-

total radiation discharged to sea

tBq

0

27,468

0

0

0.015

0.063

0

27,468

1,800,000

fouled water

原研の実験では6tBqの海水を東海村沖100kmで海中に放出したばあい、北米大陸に達するまで5-6年かかるという結果がでたという。無誤謬神話が瀰漫し原発推進を国是としている国の国立研究所ではこの程度の実験しかできないということだ。 安全保安院の某審議官が口先でいった拡散してなくなってしまうというのは全く根拠がない。

冷却水放水口では規制値の4,000倍以上の濃度のヨウ素とセシウムが検出されている。

大気と水として漏れ出た総放射能量

unit

Chornobyl

vented to atmosphere

contained quantity

water spilled to sea

spilled % to Chornobyl

iodine+caesium contained in reactor

tBq

-

-

6,470,000

-

-

iodine+caesium contained in basement & pit

tBq

-

-

247,437

-

-

total release quantity (caesium+iodine)

tBq

5,200,000

670,000

247,437

54,936

13.9

soil radiation evacuation limit

Bq/sq.m

555,000 (15Ci/sq.km)

?

-

-

-

soil radiation of Iidate Village

Bq/sq.m

-

3,260,000

-

-

-

Namie village radiation @ March 22

microSv/h

-

90

-

-

-

Namie village radiation @ March 22

microSv/h

-

45

-

-

-

Time to evacuation limit of 50mSv/y

days

-

31

-

-

-

total radiation to environment

27日に判明した2号機のタービン建屋やトレンチに溜まった水も含めればチェルノブイリの総放出量の40%となる。

各地の放射線強度

30km圏の外にある飯館村の土壌からは136セシウム163,000Bq/kgが検出されている。これは3,260,000Bq/m2相当。チェルノブイリでは550,000Bq/m2の地域は強制移住対象となったと朝日が報道。文献によればチェルノブイリでは15Ci/km2が強制移住対象であった。1Ci=3.7x1010Bqだからこれは15x3.7x1010/106=555,000Bq/m2となり、一致する。上図はチェルノブイリの汚染地域を日本地図に同じスケールで重ねたものである。濃い赤色が15Ci/km2に相当。政府は知らぬ顔を決め込んでいたが31日になり、IAEAが飯館村は避難地域に該当と発表。補償費用の増加を止めたい役人根性丸出しである。いつものパターン。結局負けるのが明らかなのに抵抗したがる。

朝日新聞によれば福島市でもこの数日高い数値を記録していて6.38-5.9mSv/h(年間被曝量は365x24x5.9/1,000=52mSv)、飯館村は15.1-13.6mSv/hである。もっと原発に近い浪江村では90-45mSv/hである。このままなら1月で退避規準に達する。

飯館も福島市も屋内退避指令である30km圏外だ。これで米国が出した80km圏内退避の意味がわかった。

放射線強度マップ

DOEが米軍基地から飛びたった航空機で測定した汚染地図を公表した。

Red >125mSv/h 15Nautical Miles 27.8km

Orange

>21.7mSv/h 25Nautical Miles 46.3km
Yellow >11.9mSv/h 50Nautical Miles 92.6km
Green <11.9mSv/h - -

March 22 data by DOE

これは地表の測定と一致する。この分布は3月15日6:10の2号機のサプレッションチャンバー付近での爆発音と3月15日9:39、4号機4階のプール室で第1回の火災と3月16日5:45、4号 機4階のプール室での2回目の火災のとき放出された多量の放射性物質が南東の風に吹かれて福島市方向に流れているときに降雨があって大気中の放射性物質が地表に下りたためと理解できる。46.3km地点まで11.9mSv/hとなっている。降雨時のプリュームの形が地表に焼き付けられた形で残ったのだ。

DOEより遅れて3月23日、原子力安全委員会より発表されたSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)による放射性物質放出予測

Japanese government SPEEDI prediction

日本の気象庁と原子力安全委員会は長らく公表を拒んできたが4月5日にIAEAに提出していた風向拡散図を発表した。

ウィーンにあるオーストリア気象学・地学中央研究所(1851年創立)もよく似た拡散情報を提供している。http://www.zamg.ac.at/pict/aktuell/20110326_fuku_I-131.gif

フランス放射線防護原子力安全研究所の放射能拡散Simulationが累積効果が一番良く出来ている。

ドイツ気象庁が行っている福島第一原発からの放射能放出の予測http://bit.ly/fTiCeCアニメーションで放射能が拡散してゆく様が予測されております。是非ご覧ください。

放射線量データ秘匿または不在

朝日新聞によれば福島市でもこの数日高い数値を記録していて6.38-5.9mSv/h(年間被曝量は365x24x5.9/1,000=52mSv)、飯館村は15.1-13.6mSv/hである。10mSv/hに下がるとしてもコンクリート屋内退避または避難基準である50mSn/yには208日で達する数値である。文部省が全国の放射能濃度一覧を公開したが、肝心の福島市や飯館村の記録は表示されていない。無論福島県庁のHPには数表が掲載されている。政府もNHKもパニックを恐れてなのか、飯館村の数値を消したものをニュースにつかっている。朝日新聞はさすが立派でそのうような作為はしていない。

原発周辺には電源を使わない放射線測定器を設置することが義務つけられており、事故後からの積算放射線量が分かるはずだが公表されていない。また緊急停止まえの燃焼度データも公表されていない。

しかし政府は小田原評定を繰り返し自主的避難とした。不都合情報秘匿体質国のため市民の不審は拡大し、カオス的自主避難となっている。もう原子力新設は日本では終わったと思わざるをえない。無論 、既設原発は代替電源が用意できるまで使い切るしかない。ようやく斑目(でたらめ)原子力委員長が秘匿してきた39km圏外を含む12日から24日までの累積被曝予想をしぶしぶ公表した。原子力委員会はほとんど機能していない。

原発周辺には電源を使わない放射線測定器を設置することが義務つけられており、事故後からの積算放射線量が分かるはずだが公表されていない。また緊急停止まえの燃焼度データも公表されていない。

飲料水や野菜の放射線量が全ての食品に対して行われてはいないのは秘匿していると思っていたが存在しないのだと分かった。いままで無誤謬ドグマできたためなんらの準備ができていなかったからだ。

福島市出身の友人家族が市を脱出するという30km圏外だから自主退避だが、これは天災ではなく人災だから後日、集団損害賠償訴訟の対象にできるのではないか?

横須賀の空間線量率の推移

鎌倉に近い横須賀市西逸見局の空間線量率(ナノ・グレイ/時)は4月12日現在下図のとおりである。 次第に0.05mSv/hに漸近している。半減期8日のヨードが31日経て6%まで減少したというわけ残るはセシウムということだ。これが半分になるのにこれから30年かかるということであろう。

nGy/h=0.001mSv/h

Radiation in Yokosuka Naval base

3月15日のピークはの2号機のベントと引き継いで起こったサプレッションチャンバー付近での爆発ならびに損傷部からの漏れにより放出されたものが風で飛んできたものと考えられる。

3月21-22日のピークハ北風が吹いた時期に運ばれ、雨が放射性物質を地上にもたらしたものであろう。雨が止んでも高止まりしているのは雨で地表にはこぼれた放射能が地表や建物に付着してそこからガンマ線を放出しつづけていると解釈できる。18日間の平均が75nGy/h=0.075mSv/hである。どのくらいで減衰が止まるのだろうか?137セシウムの半減期は30年だから50nGy/hくらいか。年間被曝量は0.05x24x365/1,000=0.4mSvとなり、許容量の範囲内である。

3月30日の小さなピークは北風によるものと思われる。全体の減少傾向にあるのはヨウ素の半減期によるものであろう。

4月9日の小さなステップ状の揺らぎは雨でヨウ素が洗い流されたためと考えられる。

 

以下経時的イベントの記録である。情報源は初期の頃は日本のメディア。4月1日以降はIAEAである。 ようやく4月8日より文部省経由保安院が正式発表した現状が公開されることになった。 しかしここにも保安院にとっての不都合なベント前の5:14の漏洩は記載されていない。保安院と東電による歴史を書き換える行為だ。

第一原発1号機(46万キロワット)

date

time

event

3/11

14:46

scrum

15:42

emergency diesel generator stopped

16:36

emergency cooling system unable to inject water

3/12

1:20

pressure of primary containment vessel (PCV) reached 840kPa>2 times of design pressure

 

5:14

sudden de-pressuring of primary containment vessel of reactor-1 and detection of radiation

10:17

start venting

15:36

explosion of reactor-1building

20:20

start pumping sea water and boron through fire fighting line

3/23

2:33

added feed water line for water injection

3/24

11:30

power to central control room

3/29

8:32

temporary motor driven water injection

3/31

12:00

transfer of water from condensate water tank to suppression water tank

13:31

start pumping fresh water into reactor-2 by fire engine

21:37

water pouring to pool

4/3

13:55

transfer of water from surface condenser to condensate water tank

4/6

22:30

start injection of nitrogen to PCV

officially announced event for unit-1 on April 8

以下はメディアに報じられたものを著者が書きとめたものである。圧力容器の設計運転圧は70.3気圧、設計圧は87.5気圧、運転温度273oCであるが、これが上昇したため、自動減圧系の安全弁(SR弁)が作動して蒸気がGE Mark I型格納容器下部に接続するドーナツ型のサプレッションチャンバーに導かれた。蒸気はここで再液化されたが、逆に格納容器のドライウェルの圧が上昇した。逃がし安全弁が開固着して空きっぱなしになったと想像できる。(配管破断も理屈上はありうる)こうすると圧力容器と格納容器は連通してしまう。こうなると核分裂生成物の崩壊熱により、圧力容器内の蒸発を止めることができず、外部からの水の供給がない場合、圧力容器内の水が蒸発で失われて水位が低下し、燃料棒が冷却水から露出してしまうという事態となる。燃料棒が露出すれば、ジルコニウム被覆管が高熱になり、ジルコニウムの融点である2,200oCに達すれば被覆管は溶融して中味が崩落する。これがメルトダウンである。そこまでゆかずとも400-850oC以上になれば被覆管表面が水蒸気と反応して、水の酸素を奪い、水素を発生する。(酸素は発生しない)ジルコニウム被覆はもろくなり、ひび割れして核分裂生成物であるヨウ素やセシウム137が被覆管から圧力容器内に出てくる 可能性がある。またペレットが割れ目からこぼれて下部の水の中に落ちる。これがパーシャル・メルトダウンだ。底部の水が無くなればこぼれたペレットは塊となって溶融し、圧力容器の底を抜けば、格納容器内の水に落下してそこにある水を急激に加熱して蒸気爆発を発生させ、格納容器を破壊する危惧が生じる。

4月8日に東電が発表した新データによると、11日の21:30燃料上端から45cmまで下がる。炉内の圧力をさげたら上昇に転じた。地震発生後7時間後の22:46頃、 水位は炉心露出寸前となった。対応により一旦回復するが再び低下、炉心メルトダウンにより水素が発生し、12日2:45頃、格納容器内圧力は740kPaから840kPaから最高9.5気圧になった。温度は100oC以上となった。東芝OBは設計圧は430kPaという。 肉厚は3cm。設計圧の2倍以上の圧力だったのだから格納容器は破裂してもおかしくない事態だった。漏れ出る放射能が中央制御室にも流れ込んで放射線強度は通常の1,000倍になっていた。そこで安全院 と首相は究極の選択として12日午後に意図したベントを承認した。フィルター経由という公式見解だったが、どうもサプレッションチャンバーで洗浄したドライウェルガスをベントするということだと理解した。これは設計思想を越える異常事態である。住民を被曝から守るためとして3km以内(後手の判断で10km→20kmに修正)の住民に避難命令を出した。7万人が避難対象人数。

直流電源がないため、電動遠隔操作の格納容器のベント弁を開けることができない。手動で開けるには放射線が強すぎて困難をきわめ、12日14:00頃ようやく人力で開けることができた。

ジルコニウム酸化で発生した水素を格納容器から原子炉建屋内に排気したため、3月12日、15:36に至り、第一原発1号機の原子炉建屋の屋根と壁が突然爆発した。爆発時は衝撃波が瞬間、空気中の水分を凝縮させてその姿を現した。爆発の様子はビデオに撮影されている。格納容器はまだ壊れていないとの枝野長官の発表があり、ホットした。証拠として爆発後、放射能の数値は下がっている。1,015から70ミリシー ベルトまで下がったという説明があった。第一原発1号機の圧力容器の圧は13日には0.3533MPa(3.6atm)というから多分格納容器とは通通になっているのだろう。水位は-1.7mで燃料棒は露出したままであるという。

放出ガスは吸着剤で処理するとはいえ、ヨウ素、クリプトンやトリチウムなどはそのまま素通り。ヨウ素、セシウム137も出てくる。東電は放出にともなう年間被曝量は64mSv(7.3mSv/h)と予想した。8ヶ所のモニタリングポストと排気筒の測定装置は電源喪失で機能していないため、移動式測定器で測定したところ、格納容器のベントをあけた時点の境界の被曝量は1,015mSv/h(1mSv/h)であった。東電の予想は全く外れたことになる。

100km北の宮城県の女川原発では境界にあるモニタリングポストで21mSv/hが測定された。排気筒では検出されていないため、福島原発の1号 機のベントの影響だろうという。同じ頃、福島県田村郡三春町(福島第一の南45km)でガイガーカウンターが、普段20CPM (0.2mSV/h)くらいだったのが1,600CPM(16mSV/h)まで行ったという。ついでヨウ素、セリウム137も検出されたという情報が入る。

さて半径20km以内の住民を避難させるために3月13日、自衛隊ヘリを1号機から3kmの距離にある双葉高校のグラウンドに差し向けた。グランドで待っていた双葉厚生病院の患者と職員が建屋爆発時のチリを浴び、除洗レベルの被曝したという。行政は圧抜きしている最中にグラウンドで待機させるなどへまをしたわけだ。そもそも地方自治体が設置したモニタリングポストは停電で沈黙している。今後、周辺農地の汚染を農産物出荷管理などをしっかりしてもらわねば。

東芝の工場から冠水して動かなくなったポンプの大型モーターを自衛隊機が運ぶというニュースがあった。これは緊急炉心冷却システム用ポンプのモーターとすれば今回の事件はディーゼル発電機が水に浸かって使えなくなったとか燃料タンクを失ったからではなく、緊急炉心冷却システム用ポンプのモーターが津波で水浸しになったためなのだろうか?とすれば機器の配置が津波を考慮して居なかったということになる。

圧力容器の底を抜かないために東電が消防車で20m3程の水を格納容器に注入したという情報がでてきた。圧力容器内底部に水が残っていれば、溶融コアは圧力容器内にとどまる。スリーマイルはPWRで圧力容器底部は単純な構造。しかし東電はBWR大好きで圧力容器下部は制御棒駆動装置というハステロイ 製のパイプのジャングルだから未知の領域。

東電は1号機を捨ててコアを圧力容器内に閉じ込めるためにホウ酸を混ぜた海水を圧力容器と格納容器に注入することにし、自衛隊が注水作業をしている。これは圧力容器の底を抜かないための、なりふりかまわぬ最終手段である。本法は残留熱は蒸発潜熱で奪うわけだから格納容器ベントは継続されるわけで放出蒸気に伴う少量の放射能放出は継続されるわけだ。

14-16日と燃料棒は露出したままであるとの発表だが、実際は水位計が正しい水位を示していないという説もある。給水しても水位が上昇しないのは圧力容器下部から水漏れているという説もある。いずれにせよ、給水量が公表されておらず、消火ポンプは空回りしているだけかもしれない。もし水位計が正しいとすれば、メルトダウンはかなり進行していると考えられる。このとき、制御棒存在域を離れて圧力容器底部に落下した燃料の再臨界の可能性は落下燃料の量に比例する。

17日は何も変化なし。

18日午後、立ち上る湯気が見られるようになったので22mの高さから放水できる東京都の屈折放水車から1号機の放水する計画はより危機的な3号へと変更された。

23日、電源は復活。測定機器の電源が復旧した。温度が400oCと高いので海水注入量を2m3/hから18m3/hに増量した。

24日になり温度は234oCに下がったが、圧力が340kPaに上昇したため給水量を絞る。しかしいつベントしてもおかしくない状況だ。中央制御室の照明は点灯したという。

25日、プールヘの注水を予定したができず。

27日、1号のタービン室の溜まり水の水深は40cm、放射能濃度は2.9MBq/ccと判明。仮設ポンプで復水器のマンホールに戻している。直流ケーブル敷設、空調機電源に取り掛かる。

28日、進展なし。

29ー29日、進展なし。コンクリート車よるプール給水が企画されたが実施の報告はない。

30日、タービン室の溜まり水の水深は、復水器へ汲み上げた結果、3日間かかってようやく20cmに下がる。 しかし復水器は満水となったのでタービン室の溜まり水の汲み上げは中止。

31日、圧力容器(RPV reactor pressure vessel)への給水は消火系経由で7m3/hで継続中。RPVの温度は256oCから249oCに下がる。RPVの底部温度は134-128oC。RPVの圧もドライウェルの圧もこれにつれて下がる。満水のピットの水を1m分環境保護用タンクに移した。復水タンクの水をサプレッションプール用のサージタンクに移した。

4月3日圧力容器(RPV reactor pressure vessel)への給水は消火系経由で8m3/hで継続中。RPVの温度は281oCから181oCに下がる。RPVの底部温度は128-119oC。RPVの圧もドライウェルの圧もこれにつれて下がる。燃料プールに注水した報道はない。

第一原発2号機(78.4万kW)

date

time

event

3/11

14:46

scrum

15:42

emergency diesel generator stopped

16:36

emergency cooling system unable to inject water

3/12

1:20

pressure of primary containment vessel (PCV) reached 840kPa>2 times of design pressure

3/13

10:17

start venting

3/14

13:25

loss of cooling capability

16:34

start pumping sea water

3/15

0:02

venting

3/15

6:10

sound of explosion

3/15

6:20

damage to supression chamber?

3/20

15:15

sea water charge to spent fuel pool (40t)

15:46

power to power center

3/21

18:22

white smoke

3/22

16:07

sea water charge to spent fuel pool (18t)

3/29

16:45

water transfer from condensate water storage tank to supression water surge tank

4/9

13:10

water transfer from surface condenser to condensate water storage tank

officially announced event for unit-2 on April 8

2号機は3月13日は格納容器の圧も温度も高いまま待機中、水位は+3.8mという。3月14日になり、水位は+1mと下がり、ついに原子炉隔離時冷却系ポンプが停止。海水注入を開始したがエンジン燃料の給油忘れで、消火ポンプが停止。この間に炉内水位が下がり、燃料棒が完全に露出したという。圧力容器圧逃し弁(SR弁)が開かなくなり、開けようとしているが、成功していない。水位はダウンスケールすなわち計測できないところまで下がったという。原因は圧力容器のベント弁が閉まってしまったことにあるらしい。一時期SR弁を開けて一時、水没できたらしい。しかし、3月14日23:00すでに3時間露出したままだ、崩壊熱がまだ10,000kWhはあるので、これは容易ならざる事態だ。これではメルトダウンが進む。底部に熔けて塊になっても核分裂は生じないはずだが、崩壊熱で圧力容器底部を溶かすおそれは充分。やむを得ず、圧力容器内の水素ガスをサプレッションチャンバー経由でなく、直接大気放出弁を開けることを検討中という。すでに境界の移動式モニタリングが3mSv/hを越えているという。直接放出にすれば3mSv/hを越えることは確実。外部で防護服を着て注水作業している陸自のNBC(核・生物・化学)テロ対策専門部隊である中央特殊武器防衛隊は水素爆発の落下物で犠牲者が出ることを危惧し、注水をやめて撤退したいと言い出している。確かに東電がすべき作業だ。

3月15日6:10サプレッションチャンバー付近で爆発音が聞こえ、格納容器内部圧力が3気圧から1気圧に低下した。この圧力低下はサプレッションチャンバーに損傷が生じたことの根拠となると東電はいう。 あるコメンテーターはサプレッションチャンバーの外側で水素が爆発し、その衝撃でどこかが破壊されたと推察されるという。しかし阪大の宮崎慶次原子炉工学名誉教授は圧力容器の底が抜け落ちて下に落ち水蒸気爆発した可能性もあるとする。この直後の境界の放射線強度は毎時960.5マイクロシーベルト、圧力容器内水位は-2,700mmで、陽圧であった。この時点で所長は不急の要員を避難させ、50人体制で対処しているという。 このとき中性子を検知したという。

18日、原子炉建屋のブローアウトパネルからかすかに湯気が立ち上っているのが見える。そのうちに水素爆発が起こるのかどうか?

19日、電源を復旧して補機冷却系ポンプを使って冷却しようとしているがいまだ成功していない。

23日になり、電源は復活したが機器が水没して復旧には時間がかかる。建屋内は500mSv/hで以降の作業が難航している。

24日、常設配管を使ってプールヘの給水が始まる。

25日、中央制御室の照明点灯目標で工事中。

27日になってタービン室に溜まった水の放射能濃度は2.9GBq/ccと判明。のちこれは間違いと修正。

28日進展なし。

29ー29日、常設配管を使ってプールヘの給水は故障した。

30日、プールヘの給水を消火ポンプに切り替えたがホースが破れた。修理して再開。

31日、RPVの給水ノズル温度が165Cから161C。ドライウェル圧は大気圧。復水タンクの水をサプレッションプール用のサージタンクに移し4月1日完了。

第一原発3号機(78.4万kW)

date

time

event

3/11

14:46

scrum

15:42

emergency diesel generator stopped

3/13

5:10

emergency cooling system unable to inject water

3/13

5:10

venting

3/13

13:12

start pumping sea water and boron

3/14

5:20

venting

3/14

11:01

explosion

3/16

8:30

white smoke

3/17

9:48

water pouring to pool by helicopter

19:05

water jet to pool by police

19:35

water jet to pool by army

3/25

18:02

swith to fresh water

officially announced event for unit-3 on April 8

3号機は高圧炉心スプレイ系(HPCS)ポンプをバッテリーで動かして冷却してきたが、12日に至り、これもバッテリーを使い果たし、3月13日に至り、5:10原子炉給水が全てストップ。1号 機と同じく、3号機も燃料棒が1m30cm露出した。真水注入により、再度冠水したとの報道があった後、真水を使い果たし、海水に切り替えたが水位が上昇しない。13日朝9:00からベントスタック経由で大気放出することを許可したと官房長官が。実は圧力容器のベント弁を開こうとしたが固着して開かないたという。水位は-1.8mから-2.2mで燃料棒は露出したままだという。燃料棒を露出させたままでは水素が発生するはずなので建屋の爆発があるかもしれないという。圧力容器内の圧力は0.26MPa(2.5atm)という。これは格納容器と同じ圧力だから両者は連通している。3月14日に至って11:00水素爆発で上部構造を失う。爆発力は1号 機より大きく 、かなり大きな放射線遮蔽プラグのごとき大きな塊が飛び上がり落下した。このときプールのゲートも飛んだようだ。爆発後の炉内水位は-1.8mで変わらず、圧力容器内の圧力は0.17MPa(1.7atm)、格納容器内圧力は360kPa(3.6atm)と逆転している。

3号機の燃料は回収プルトニウムを混ぜたMOX燃料のため、崩壊熱も高いのだという。圧力容器の安全弁を開き、3号機の格納容器のベントも開き、格納容器ベントすると44マイクロシーベルトから一時的に毎時1,557マイクロシーベルトに上昇した。しかし真水が切れたので海水にしたという。東電は3号 機も捨てたことになる。米国では水素爆発はさけられたはずとコメントする専門家がいるという。

14-16日は燃料棒は露出したままであるという。圧力容器内圧は0.088MpaGである。15日から壊れた建屋から湯気がかすかに上がり始めたのが見えた。プールに使用済み燃料を保管してあったとしても古いものだから大して崩壊熱は出さないだろうと思っていたが、16日になると激しく白煙をあげるようになった。東電はこれは崩壊熱でプールの水が沸騰しているためだという。この炉の燃料プールには使用済み燃料が6ヶ 月保管していたという。

使用済み燃料棒は3年間プールで冷却することになっている。3号機のプールには2010年6月に取り出した使用済み燃料棒が残っていた。

 燃料プール深さは燃料棒長さ4m、遮蔽深さ8mとして合計12mである。プール開口部は10mx10mとすれば、総量1,200tonの水をたたえている。そして遮蔽深さ8m分の水量は800tonとなる。従って17日間は燃料棒は水没しているはず。ところが東電と政府はこれに水を注入しな ければと慌てふためいている。理由は3号機に大きな白煙が立ち上がったとき、正門での放射線量が10mSv/hと上昇したためらしい。燃料の崩壊熱から推測すれば3号機には余裕があるはずなのに多量の白煙が上がったのは水素爆発の影響で燃料プールに漏水があるためかもしれない。プールの水位が下がっているのか?放射性物質は4号 機のプールから出ているということもありうるのになぜ放置する。

400mSv/hで近寄ることはできないので空焚きにならぬように自衛隊の大型ヘリで海水を3号頂部に散布する作戦を立てたが、30mの高度で放射線強度は250mSv/hであり、乗員の制限値年間100Svを越えるからとのことで16日はなにもせず空費した。

17日9:48より、高度90mを飛べば87.7mSv/hで済むからと、陸上自衛隊のヘリCH-47から3号に向かって海水7.5トンx 4回の投下。このとき,タングステンシートを操縦士の下に敷いたという。しかし 、ヘリの水の10%程度が雨となって降った程度。正門の放射線は放水の前後で3.78mSv/hと変化なしである。次に自衛隊消防車で30トンの水を3号機に注水した。

18日午後、自衛隊と東電系列の会社が米軍の放水車を使って50トンの放水をした。ヘリからの投下は中止し、偵察だけとした。東京都消防隊はポンプ車をつないで連続的に放水する準備をしているという。

21日午後、一時黒煙が立ち上る。放射線量には影響なし。黒煙を出して燃えるものはケーブル、シリコンゴム・ガスケット、潤滑油などいくらでもある。

22日に白煙があがったとき、正門の値15mSv/hに上がる。どこから漏れているかは本当は不明。

23日になり、再度黒煙が上がる。総員退避。しかし放射線に変化なし。中央制御室の照明が点灯する。残留熱除去系循環ポンプを動かそうとしているが、黒煙騒動で中断。

24日、常設配管を使ってプールヘの給水が始まる。 タービン室地下一階で関電工のケーブル敷設作業員が3.9MBq/ccの水に入り、水が靴のなかにはいってベータ線熱傷になった。胸につけた被曝線量計は40分で180mSv/hであった。 水の表面は400mSvの線量であったという。

25日、3号機のワンスルー冷却は真水に切り替えた。

27日、3号のタービン室に溜まった水の水深は1.5m、放射能濃度は3.9MBq/ccと判明。

29ー29日、復水タンクの水をサプレッションプール用のサージタンクに移す作業を開始し4月1日完了。

31日、RPVの給水ノズル温度が89C。底部は114C。ドライウェル圧は大気圧。復水器の水を復水タンクに移し終えた。(ポンプが動いたのか?)

4月2日、7m3/hで注入。RPVの給水ノズル温度が119C。底部は90C。ドライウェル圧は大気圧。復水器の水を復水タンクに移し終えた。(ポンプが動いたのか?)

第一原発4号機(78.4万kW)

第一原発4-6号機は定期検査中というので、炉に問題がないが、冷却系は多分つかえないのだろうと思っていたところ、3月15日9:39、4号機4階のプール室で爆発音の後、火災が発生し、自然に消火した。爆発で壁の西北の隅が8x8m破損しているという。ここは冷却ポンプの回転数制御する機器が設置されているところだ。原因は水素火災だろうという。水素は燃料棒は赤熱しなければ発生しない。使用済み燃料プールの水に沈めてある燃料棒が水素を出すはずがない。圧力容器は空である。したがってプールの水が停電で数日間冷却されずにいたため、使用済み燃料から出る崩壊熱で蒸発し、液面が下がって使用済み燃料のジルコニウム被覆管が露出し、赤熱して酸化し、水素が出たのだろう。とすれば重大事、使用済み燃料プールがウランタドン・コンロとなるおそれがある。東電はプールに水が残っているか確認していない。不思議なことにはプール温度は84oCを示しているという。満水なら100oCであるべきだ。空になって温度計が放射熱を受けて温まっているのかもしれない。

3月16日5:45、4号機4階のプール室で2回目の火災が発生していることを中央制御室にバッテリーを届けた職員が発見した、今回も火は30分後、自然に消火した。

燃料プール深さは燃料棒長さ4m、遮蔽深さ8mとして合計12mである。プール開口部は10mx10mとすれば、総量1,200tonの水をたたえている。しかし燃料プールと原子炉ウェルは深さ4mのプールゲートで連絡しているがゲートは閉じられており、プールゲートのシールパッキンが原子炉ウェルの水が燃料プールにもらさないとすれば、遮蔽深さ8m分の水量は800tonとなる。ということは16日午後までに遮蔽水は完全に無くなって、燃料棒上部が顔を出し、水素が発生したといえる。残りの水深は4mだから2.5日で、即ち18日中に完全にドライアップする。水素爆発がやんだのは壁が壊れて通風が良くなったためだろうが、4号 機では水蒸気がそもそも当初からあまり出ていない。ことはこの計算に一致しないのは何故か?

放射線量は発電所内どこでも強いが、17日には減少傾向だ。これは燃料棒は赤熱しているが、ジルコニウムの温度がその融点の1,200oCに達していないため、多量の核分裂生成物が大気中にでてきていないことを示している。いわば空冷されて、なんとか平衡を維持しているということかもしれない。このところ寒かったが気温があがればどうなる。

18日になり、湯気がしっかりと見えるようになった。しかし3号にかまけてアクションはなにもとられなかった。不思議である。19日には湯気は増えるのか消えるのか? それが問題だ。

素人が数分で計算できることを5日間予知もせず放置し、あまつさえ、水漏れさえなければ発熱量はたいしたことのない3号機と17日も遊んでいることは信じられない。もし4号 機の燃料棒を垂直に支持している燃料集合体ラックが熱で崩れれば、空冷もとまり、ジルコニウム被覆が2,200oCを越えれば被覆がやぶれ、多量の核分裂生成物が大気中に放たれる。ペレットはプールの床に落下してつもり、山盛りになれば温度は酸化ウランが溶融する3,000oCになる。さすれば制御が利かない再臨界となる危険性があるのだが、分散しているため 、多分臨界にはならないだろうと関村東大教授はいう。臨界になれば高速中性子がでて、オゾンを発生させる。水注入すればまた水素が発生して爆発する。そうすると天井が燃料プールの中に落下して燃料集合体ラックを押しつぶすかもしれない。だからこれを防ぐためにはまずホウ酸を撒いてからにしたいというのが多分ホン音だろう。それなら、あらかじめホウ酸を解かした水を放水車で壊れた壁の隙間から注入すればよいと思うのだが。

3号に向かってヘリからの海水の投下時、ヘリから東側の壊れた壁越しに4号のプールの水を見たという報告が4号機を放置するという公式な理由づけとして利用されている。しかし数秒掠めて飛ぶときに東電の人間が原子炉ウェルや機器ウェルを燃料プールと誤認したかもしれないのだ。米軍の無人偵察機の撮影画像は公表されなかったが、自衛隊ヘリが撮影した写真が公開された。そこには燃料プールらしきものは障害物で見えない。

20日になった自衛隊機から温度測定したところ高温部分は見えなかったという。

22日夕刻から50mの高さに注水できるコンクリートポンプ車を使って4号機にも注水開始したというが異変はなにも報じられていない。

23日になり、電源復活、測定機器の電源も復旧した。

24日、常設配管を使ってプールヘの給水が始まる。

29日、ようやく中央制御室の照明が点灯。

30日、コンクリートポンプ車による給水は必要に応じ継続。タービン室地下で東電職員2名の死体を発見。津波の外傷による死亡という。

第一原発5,6号機

すこし離れたところにある。定期検査で停止中であった。しばらく情報は一切なかったが、16日になりプール室の水温が上昇しているという。5号は63oCで毎日5oCの上昇、6号は64oCで毎日4oCの上昇。

ディーゼル発電機は動くようになったという。ただ海水に浸ってしまったポンプのモーターを交換しなければ海水を汲み上げることはできない。東電は地震で転倒した東北電力からの送電線の回復工事をようやく17日に開始。

なぜかこの海水放流口周辺海域で規準の1,000倍以上の放射能を検出。

千倍でも 少しであると 保安院

保安院の東大法学部出のキャリア役人西山英彦審議官の期待とは裏腹にその後5,000倍近くなった。そもそもキャリア制度は身分制度であり、腐敗の温床となっている。キャリアが君臨しているような組織は解体すべきだろう。内閣府にも似たような、邪魔ばかりして、なにもしない組織があるそうだ。

共用燃料プール

ここには3年以上経過した燃料棒9000本が中間貯蔵されているが、ここも冷却できず温度は上昇しているという。

東北電力からの電力ケーブル仮設

20日、 東北電力から66kVを事務所本館近くの仮設メタルクラッドに引き込み、6.9kVに落として建屋に破損の少ない2号機に引き込み、ここから館内ケーブルで1号機に結ぶ工事が320人体制で行われている。PCにて480Vに落とし、バッテリー充電を行うべく作業しているという。

このような面倒なことをせずとも100万Vの送電線を逆送すれば済んだことだ。東京電力がフレキシブルな思考ができていない何よりの証拠だろう。

22日には1-4号機全てに外部電源を供給できるようになった。

第二原発

そうこうしているうちに第一原発に続いて第二原発もおなじ症状だという。バッテリーも使い果たしたためか計器の電源喪失で温度も圧力も水位も計測不能のようだという情報と、圧力容器内の水位はまだ燃料棒露出には至っていないという情報がある。第二原発は3月14日に至ってようやく100oC以下になり、冷温停止が宣言された。第二原発は外部電源が確保されていたのがその理由。

今後どうする?

福島も落ち着き所に落ち着いたようだ。まさに水は低いところにながれる。今東電は循環冷却系を確立して今後数年の循環冷却をしなければと焦り、タービン室に溜まった水を排水しようと努力を傾けているが、まったく地に足がついてないあがきのように見える。

救い出そうという循環ポンプも冷却器も原子力建屋の地下で水没しているはずだ。なぜならベローズは熱膨張を吸収するために薄いステンレス管で作た蛇腹管だから破裂するとすればここ。

炉心冷却用に注入している真水は格納容器のドライウェルとトーラスを連結するベント管のベローズの破裂個所から注入しただけ流れでてくる。この漏れを止める唯一可能な方法は原子力建屋の地下に防水セメントスラリーを高圧泥水ポンプで流し込しこんでベロー管を包んでしまうことであろう。その時溢れてくる水は配管・ケーブル・トレンチから回収しつつセメントを注入することになる。この手法はブローアウトした油田を止める一般的な方法である。米国に優れた技術がある。それまでトレンチは溢れて流出は継続するのでこれを回収しなければならない。結局、原子炉と格納容器内にある水溶性放射性物質は殆ど全部出てくるのではないか。大気に出ないだけ助かっているが海は大変迷惑。いわば巨大な水洗便所の原理だ。水洗便所はリークフリーではないから予期しないところから漏れる。しかしこれも時間がたてば大きな海原が助けてくれのだろう。

一段落した時点で地下の汚染が海に拡散しないように原発周辺に地中50mくらいの深さの遮蔽壁(地中ダム)を構築するハメになると思う。チェルノブイリの石棺より大規模な工事となろう。

費用はどうなる?

通産エネ庁は原発の1970年代の建設費規準の施設償却費しか原価にいれずに5.6円/kWhとし、石炭火力の6円/kWhより安い電源だと国民を欺いてきました。(詳しくはグローバル・ヒーティングの黙示録)しかし再処理、1基600億円する廃炉費、地方自治体を黙らせる補助金を含めれば11円/kWhになる。これに 汚染プラントの追加廃炉費、遮水工事、石棺工事に含め1基当たり2,000億円とすれば、福島第一に1.2兆円かかる。6円/kWh、福島県買い上げに匹敵する保障費を1兆円とすれば失われた12基の原発の発電量当たり13円/kWhとなる。代替LNG発電6円/kWhなどをのせれば原発で失った発電分の単価増は25円/kWhとなる。原発は30%の電力を賄っていたから8円/kWhの値上げをしなければ東電は破産する。 ちなみに有価証券報告書をみれば債務が2.5兆円を越えれば東電は債務超過になって破産する。これが現実のものになろう。税金が投入されなければ電気料金は31円/kWhとなる。(今、月額1万円を東電に支払っている家では月3,000円の値上げになる)これでPV電力倍額買取すると62円/kWhとなる。家庭用PVが完全に元が取れることになる。 このような日を夢見て着々と準備していた中国メーカーが安いPVを日本で売りさばいて大もうけすることになるのか?日本はますます没落する。

サルコジが飛んできたのは国家的危機だと認めたから。オバマは一応原子力政策を変えないといっているが、これも非常に政治的な発言。野党から攻撃されたくないから妥協したのだろう。

各地の放射線強度の経緯

福島原発正門での3月15日8:31の放射線強度は8.217mSv/hであった。これは8:40には2.4mSv/hに下がった。この日の正門の最高値は11.9mSv/h。

3月15日、3号機の水素爆発後のプラント敷地内への落下物の放射線は10:22の2-3号の間では30mSv/h、3号の山側では400mSv/h(白血球減少させる強度)、4号の山側では100mSv/hが測定された。

3月15日、東京都日野市南平2丁目石川宏氏宅、木造2Fの窓辺に設置した 米国のBlack Cat Systems社のGM-10a, b, g線測定ガイガーカウンターである。(設置場所:北緯:35°39' 28.08", 東経:139°24'05.40"(世界測地系), 標高:101m)瞬間だが、12:30頃、90CPMのピークを示している。120CPM=1mSv/hであるから、これは0.75mSv/hに相当する。このレベルが年間ずっと継続すれば6.6mSvとなる。法的には年間5mSVは報告義務がある。東海村では年間5mSV以上と報告があったようだ。これはセシウムや131ヨウ素が見つかっているというのでこれにトリチウム、85クリプトンなどの放射性ガスが混ざったものが風に乗って運ばれてきたものだろう。2号 機のサプレッションチャンバー爆発音時に放出されたガスとすれば日野に到達するまでに6.3時間かかっている。距離は280kmであるから。移動速度は12.3m/sとなる。当時北風だった。風速としてはちと早いが2号のサプレッションチャンバー破損に伴うガスが原因といっても良いのではないか?

16日の10:40に正門で10mSv/hを記録した。これは2号機格納容器サプレッションチャンバーからの漏れによるものと東電は考えている。16日、日野市では2:41-11:43にかけてゆるやかなピークが記録された。最高は55CPM(0.55mSV/h)。4号 機4階のプール室での2回目の火災によるものと思われる。

16日、福島県内北西25kmの飯館村で80mSv/hが瞬間記録された。このレベルに12.5hさらされれば、一般人の許容値1mSvとなる。

16日8:00、福島市水道水からヨウ素177Be/kg、セリウム58 Be/kgが検出されるが午後2:00にはゼロになった。飲食物摂取制限値はヨウ素300Be/kg、セリウム200Be/kg。17日、18日もヨウ素170Be/kgが時々検出されている。

16日、2号建屋から出始めた湯気は格納容器からのベントか、燃料プールからの湯気かが気になる。

17日、福島県内北西30kmの地点で0.17mSv/hが瞬間記録された。このレベルに5.9hさらされれば、一般人の一年の許容値1mSvとなる。実際には1時間程度だから良いがこれが何度も来るようでは問題だ。18日13:30には北西30kmで0.15mSv/hが記録された。

4月4日、茨城沖からこうなごから4,000Bq/kgのヨウ素が検出された。厚生省の安全規準なし。 検査もなし。従って茨城の漁船は千葉の銚子港で水揚げを拒否された。これも政府が無誤謬ドグマで準備していなかった結果である。風評被害は政府が作り出したものである。

メーカー

1号機:GE製、格納容器はIHI

2号機:GE・東芝、格納容器はIHI

3号機:東芝、格納容器はIHI

4号機:日立、格納容器はIHI

現場での労働者

現場で働いている人は相当の放射線を浴びている。4月1日までに20名が100mSvを越えたという。中央制御室の職員はガスマスク着用で勤務していたが人が体調を崩して入院。 格納容器のベント弁を開けた作業員は1回の操作で106mSvをあび、体調不良となったという。これは年間許容量の2倍以上である。作業員には死者・けが人多数で出ている。民主党は東電労働組合の支持を得ており、原子力推進だそうだが、自分たちは安全地帯に居て、被曝の危険性ある作業は日雇いに近い契約会社の派遣労働者とか、地元の貧農の人たちにさせていることに思いをいたすべきだろう。

企業

人数

作業

東京電力

450

復旧

IHI

30

冷却システム復旧

関電工

300

制御機器復旧

東京エネシス(TEPCO子会社)

50

電気設備

日立

170

機器交換

東芝

100

仮設電源

大成建設

130

瓦礫撤去

鹿島

8

重機作業

合計

1,238

後年癌になったもこれらの人はこの作業が原因との証明ができないという問題に遭遇する。法的にはなんら保護されていないのだ。要請があっても個人的にはそこら辺を考えてからにしてほしい。日当5万円で募集しても断る人が多いという。

考察

平安時代に大津波の記録があるそうで、1,000年に一度の大地震のようだ。東電は電源不足のようで企業が活動を始める月曜日から輪番停電すると連絡があった。問題は鎌倉市の下水ポンプには非常用発電機がなく、停電すると下水からし尿があふれ出す可能性あるとか。トイレをできるだけ使うなという広報車が触れまわっている。

初期の頃の 私の推測だが、原発近くの30m位の断崖に津波が砕けて50m位の水しぶきが上がっていたのでディーゼル油タンク流出だけでなく、海水ポンプシステムが潅水して動かなくなったのかもしれない と考えた。持ち込んだ発電車が役に立たなかった理由がうなずける。幾らビルを頑丈に作ってもシステムとして機能しなければそれは不合格。そうするとこの原発の設計思想に瑕疵があったことになり、人災と言えるのではないかと思 った。地震国日本には海水冷却型の原発は海浜で海面近くに建設してあるからこういうことになる。丘の上に建て、海水の冷水塔を使うシステム は高価になり、原発の安さが無意味になるのだ。

4号機がどういう結末になるにせよ、これは福島原発を巨大な津波でも壊れないコフィンで覆わねばならないことを意味する。チェルノブイリと同じ事態だ。チェルノブイリでソ連は崩壊したとされる。新生日本は原子力なしに生きてゆくことを考えねばならないのではないか。

大部分の人は多少のリスクなら家にとどまるだろう。20km圏からなにもケアなく退避させられて28名も死んだ。20名ほどは隠れて家に帰ってしまった。自衛隊を差し向けても退避を拒否している。一律に20km圏というのは管理側が責任をまぬがれるための政治的なマジックにすぎない。汚染はその時の風と雨で決まる。20km圏外でも飯井館村のように永住に適さないところがでてきており、IAEAがそれを指摘しても政府は無視している。ならば住民も自己責任 で判断すればよい。チェルノブイリだって年寄りは残って20年も生きている。東京は250kmあるから多分半年くらいは大丈夫であろう。その後は放射線の平均強度を計測して判断することになるのだろう。総員、東京退去など全く不可能。殆どの人は田舎に帰るところもなく、根無し草。第二次大戦後よりひどいことになる。国家破綻となるが、そうはならないことを祈ろう。

東電は日本の法律で既定されている年間100mSvという基準を満たすために200名を安全なところに待機させ、必要に応じて危険地帯に出かけるという体制をとり、使える要員の確保に努めている。ちなみに関電や原電敦賀での補修のとき、放射線を浴びてすぐ100mSvに達してしまうような作業に日本人は使わず、大勢の米国人作業員が被曝承知で来日して作業に当たったという。多額の報酬と引き換えの決死隊だが、その作業では死なないことを知っての計算された志願だ。今回の福島のケースは危険度は比べ物にならないし、そのような時間もない。そこで厚生省は泥縄式に250mSvまで引き上げた。

それでもすでに東電は当事者能力を喪失しているようだ。敗戦時の日本軍兵士は市民を捨てて真っ先に逃げたのと同じ、仲内のロジックだ。まー今度のようなところに飛び込む愚かな米国人も居ないだろう。このように日本の電力会社は下請け依存で、下請けに逃げられればなにも出来ない烏合の衆だということだ。政府スタッフも同じ。陸自のNBC(核・生物・化学)テロ対策専門部隊である中央特殊武器防衛隊ですら水素爆発の落下物で犠牲者が出てから注水をやめて撤退したいと言い出している。これも旧軍のメンタリティーと同じ。自分の任務を認識していないのだ。東電は総員職場放棄まで検討されたという。首相が東電が撤退するなら東電はこの世から消えるであろうと警告したのもうなずける。一旦解体して法でまもられた独占を剥奪し、電力市場を自由化しなければならない。

真っ先に 退却するのは 関東軍

 東海地震が近いと予想されているのだから中部電力は浜岡原発の新設は無論、既設の原発も代替電源に急いで切り替えることを考えないと自滅するであろう。代替はLNG、地熱、揚水発電、風力・太陽光である。 地球温暖化説は間違っている可能性もあるのだから当面免罪させよと世界に宣言する。地熱、揚水発電、風力・太陽光は近未来にいずれも安全対策で高価になる原発の発電単価を下回ると予想されているのだ。再生可能エネルギーに後ろ向きだった政府・電力産業複合体が当然のしっぺ返しを食った格好である。くわしくは「グローバル・ヒーティングの黙示録 」を。

さて福島事故は事前に防げた人災であり、日本政府と電力会社経営者、それをエセ理論で支持した御用学者達に責任がある。A級戦犯は歴代自民党政権の面々、そして原発推進を旗印にする民主党だ。それに積極的に従ったり悪乗りして煽った官僚、そして東大原子力工学科の視野狭窄の教授連だろう。原発導入にかかわった初期の人々はまだ謙虚だったのだが、反対する住民をだますために無誤謬ドグマを展開し、次第に自らもこのドグマを信じるようになり、一緒になって転んだという図だ。神戸地震、柏崎地震でも金のかかる改造が必要となる見直しをせず、殆ど金をかけずに古い原発を使用しつづけることができる設計条件を設定してOKした政府の責任はA級戦犯級。個人名挙げるのは一方的といわれそうだが思いつくまま記せば、

A級戦犯は政治家では原発導入を主導した中曽根康弘を筆頭とするお歴々、歴代の通産大臣、最近では民主党の直嶋正行、海江田万里、甘利明議員、自民党商工属、藤原電力総連出身議員、原発を受け入れてきた歴代の福島県知事、民主党の福島県出身の渡部恒三、江田五月。

役人では歴代の通産次官、エネ庁長官達、保安院院長とスタッフ、内閣危機管理センターの旧内務省系のエリート官僚。 通産次官では2004年頃までは電力自由化の一群の人々がいたが杉山秀二、北畑隆生が東電擁護派が盛り返し、人事権を握って現在がある 。松永和夫現事務次官は2002から2005年まで保安院院長としてザル規制「耐震設計審査指針」を作った張本人の極悪重罪人だ。2007年の柏崎事故が膿を出すチャンスであったが、保安院が原子力安全委員会を床の間に置いて暴走したため、最も罪深い。ちょうど戦前の参謀本部のようなことをしている。保安院の目的は国民を守ることなのだが、今後発生するかもしれない地震に耐えそうもない既存原発を安全だと称して使い続けることの儀式を執り行うことがその祭りの目的となった。最も罪の深い組織である。当然解体させねばならない。ここの役人は寺坂信昭院長以下東大法学部と経済学部が牛耳っていて無誤謬を売り物にしている。しかし目はふし穴だから間違った設計図書にメクラ判を押してしまう。申請者があとで間違いに気がついても絶対に修正をみとめない。なぜなら認めた途端、担当者の失態になり、未来永劫エリートコースからはずれるからだろう。こんな役人に国を牛耳られているのだから国が滅びるのは当然。先輩の後始末をするハメになった西山英彦審議官はつい先ごろまで特許庁にいたのだという。いわば素人だ。キャリアという身分制は役人を腐敗させる。表にはでてこないが経産省は柳瀬唯夫大臣官房総務課長を官邸5階に送り込んでいる。この御仁はまだ若いが原子力政策課長の2006年にとりまとめたのが「原子力立国計画」だ。核燃料サイクル、高速増殖炉の商業化、海外への原発輸出をもくろんでいる。経産省には電力の自由化をして東電の解体計画をもくろむ一派もいるが、政治家がしっかりしないとこれら守旧は我田引水する輩にしてやられるだけだろう。

歴代の原子力委員長、正力松太郎に始まる歴代の自民党総裁全員、最近では格下げされて東大原子力工学科の御用学者鈴木篤之、近藤駿介、原子力安全委員を勤める東大原子力工学科の御用学者斑目春樹は座して保安院の暴走を許したばかりで無くむしろ支援した。

それから文部省と日本気象学界は共同正犯にしてもよいだろう。もしかしたら間違っているかもしれない二酸化炭素温暖化犯人説を後生大事に守り、御用学者の地位を維持するためか、あらゆる異説を査読で葬り去り、懐疑論批判のパンフレットをばら撒き、原子力開発必要論で国民を催眠にかけている黒幕ではないのか? 東北大学の明日香壽川東北アジア研究センター教授などは懐疑派批判の書を文部省の予算を使ってかいている最右翼だ。気象庁は今回の事故後も原発周辺の放射線 拡散予報をせずに国民を恐怖におとしめ。気象学会の新野宏理事長(東大教授)が3月18日に会員に大気中に拡散する放射性物質の影響を予測する研究成果の公表を自粛するように通知をだした。明らかに文部省の圧力をうかがわせる。そのような研究者には研究費を出さないという暗黙の圧力である。二酸化炭素温暖化犯人説の発祥の地英国ではとっくの昔に50%以上の人はこの説を信じていないのである。時の文部大臣は高木義明だ。まったく役人の繰り人形。厚生省も国民を守る官庁でありながら、食品の摂取規準を用意せず、検査体制も作っていない。だから漁業者は魚を獲っても市場に出せない。風評被害は政府自身が作り出しているのだ。そして東電は一人当たり1,000円の見舞金を出すといって笑いものになった。

おっと忘れていた。この電子文書は事故直後の3月11に思い立って書き始め、毎日新しい情報と分析を加え、Google Analyticsのカウントから推定するに約1万人が読んでくれたことになる。このような当局が管理できないものを監督する権限があると思いこんでいる総務省総合通信基盤局長殿もお名前は存じませんが言論統制を巧妙な仕掛けでおこなおうとしている。共犯者のリストに加えなければ。

電力会社経営者では原発導入を主導した福島県出身の木川田一隆、平岩外四、那須翔、荒木浩、勝股恒久、清水正孝、副社長では原子力村のドン加納時男、榎本聡明、武藤栄、鼓紀男、東電労組書記長で現内閣特別顧問笹森清、甘利明自民党商工属、電力総連出身の民主党の藤原正司議員である。特に原子力村のドン武藤栄副社長の指揮は保身だけを行動基準にしていてその職を穢している。

B級戦犯はだれだろう。座視してなにもできず官僚の拡声器に終止したマスコミ。中には正力松太郎系のマスコミはこの期に及んでも原発は必要と国民を暗示にかけている。 経済評論家の勝間和代などお上命令型社会から自立型社会へといいことを言っているが東電の巨大な広告塔となってと批判する向きもある。そしてここで指摘するのは酷だが電力会社社員である。

C級戦犯は選挙でこのような政治家を選んだ我々自身だ。

559■真実

助けてください

福島県南相馬市の

女子高校生です

 

わたしは友達を津波で

なくしました

私の友達は

両親をなくしました

私の無二の大親友は

南相馬でガソリンが

ないため避難できずにいます

 

電話やメールでしか

励ますことしかできません

 

親友は今も放射能の恐怖と

戦ってます

 

だけどもう、諦めてました

 

まだ16なのに

死を覚悟してるんです

じわじわと死を感じててるんです

 

もし助かったとしても

この先放射能の恐怖と

隣り合せなんです

 

政治家も国家も

マスコミも専門家も

原発上層部も全てが敵です

嘘つきです

 

テレビでは原発のことが

放送されなくなりつつあります

同じ津波の映像や

マスコミの心ない

インタビュー

口先だけの哀悼の意

被災を『天罰』と言った政治家

 

政治家はお給料でも

貯金でも叩いて助けて下さい

 

彼らの贅沢をやめて

被災者を生きさせて下さい

 

命令ばかりしないで、

安全な場所から見てないで、

現地で身体をはって助けてください

 

私達は・・・見捨てられました

おそらく福島は隔離されます

 

完全に見捨てられます

国に殺されます

 

私達、被災地の人間は

この先ずっと

被災者を見捨てた国を、

許さないし恨み続けます

 

これを見てくれた人に

伝えたいです

 

いつ自分の大切な人が

いなくなるかわからないです

今隣で笑ってる人が

急にいなくなることを

考えてみてください

 

そしてその人を

今よりもっと大切にして下さい

今、青春時代をすごす

学校が遺体安置所になってます

体育や部活をやった

体育館にはもう二度と

動かない人達が横たわってます

 

どうしたら真実を

一人でも多くの人に

伝えられるのか・・・

一人でも見て貰えれば幸いです

考えた末、勝手ながら

この場をお借りしました

ごめんなさい、そして

ありがとうございます

すみ

沢山の人が本ページにアクセスされているようなのでGoogle Analyticsで自動計測したところ、赤線のような結果が得られた。もう本事件も山場を越え、アクセス数も急速に低下しつつある。 ロジスティックモデルを仮定して最小二乗法で近似するとそれでも4月11日までに累積1万件のアクセスをいただいたことになる。歴史に残る事件だけにこれだけの支持をいただいたと思う。それにしても福島の方々には同情を禁じえない。これを教訓に安易に原発を受け入れることの損得を真剣に考えていただければ幸いである。

本ページのアクセス数の推移 (赤線はGoogle Analyticsのカウント数)

京都大学原子炉実験所 小出裕章氏に聞くというビデオインタビューへのリンクを張りましたのでご覧ください。小出裕章氏はK氏という名でツイッターで話題になっていて未確認情報ですが、東電広報部は小出氏は手ごわい相手と認知し、各週刊誌に教授の金銭がらみのスキャンダルを売り込んでいるという。週刊新潮とポストが話に乗って取材を始めたらしいとか。この2紙は東電の広告で採算を維持しているらしい。

原子力へ

March 11, 2011

Rev. April 13, 2011


トップページへ