企業から業務委託を受けて働いている人たちが待遇の改善を求めた裁判で、最高裁判所は「仕事の内容によっては企業の社員と同じように労働者として保護されるべきだ」という判断を示しました。企業が業務の外部委託を進めるなか、12日の判決は雇用の在り方に影響を与えそうです。
この裁判は、愛知県に本社がある「INAXメンテナンス」と業務委託の契約を結んで住宅設備の修理を行っている技術者たちの組合が、社員と同じように委託を受けた会社と労働条件などについて交渉する権利があるかどうかが争われたものです。判決で最高裁判所第3小法廷の那須弘平裁判長は「委託を受けた会社から担当の地域が割り振られるなど組織の一員として扱われていることや、会社からの依頼を拒否できないことを踏まえると、個人で契約していても、社員と同じように労働者として保護されるべきだ」という判断を示しました。これによって、会社は業務委託の人たちの待遇について労働組合を通じて交渉に応じなければならなくなりました。業務の外部委託を進める会社が増えるなか、12日の判決は今後の雇用の在り方に影響を与えそうです。