東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発について、防衛省は19日午前、陸上自衛隊の大型輸送ヘリコプターCH47Jを1機出動させ、1~4号機の内部の温度を測定した。
自衛隊や東京消防庁などによる放水の冷却効果を確認するとともに、測定結果に基づき原子炉内の状況を分析し、今後の作業計画に反映させる。
同省によると、同機は陸自霞目駐屯地(仙台市)を午前4時45分に離陸。福島県楢葉町の運動施設「Jヴィレッジ」で、同省技術研究本部の職員2人や温度を測定するサーモグラフィーを乗せた後、午前5時45分に現地へ向かった。
放射性物質の放出が最も懸念される3号機に続き、4、2、1号機の順番で温度を測定し、午前6時50分に終了した。
作業は政府と東電の統合連絡本部の要請に基づくもの。北沢俊美防衛相が18日夕の省内の会議で「原子炉の詳細資料を集めるのが喫緊の課題だ。菅直人首相も大変期待している」と実施を指示していた。【坂口裕彦】
毎日新聞 2011年3月19日 東京夕刊