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東日本大震災:福島第1原発事故 警視庁も44トン放水 核燃プールに到達か

 ◇「地上」初日

 福島第1原発3号機の使用済み核燃料プールを冷却するため警視庁機動隊が17日に行った放水について、放水量は約44トンで、その一部は目標のプールに達した可能性が高いことがわかった。自衛隊の分と合わせ、17日は100トン超が放水されたことになる。

 17日夜、警察庁は「プールに水が達していたかは不明」と説明していたが、その後の機動隊員の報告や東電からの連絡を踏まえて、18日に詳しい経過を明らかにした。

 それによると、17日午後7時5分ごろ、3号機から20~30メートルの距離に止めた放水車で、最初の班の4人と指揮官1人が放水作業を開始。同15分までに、タンク内の水4トンと、近くにある貯水池の水40トンを合わせた計44トンを放水した。

 放水車での噴射は、開始からしばらくの間と、水がなくなる直前に勢いが弱くなる。10分間の放水時間のうち中間の3分ほどは、核燃料プールのある3号機上部に達するだけの水勢があり、現場に同行した東電職員が「そのポイントでいい」と機動隊員に話していたという。

 放水を終える直前に、機動隊員の一人が「線量計のアラームが鳴った」と指揮官に報告。原発内の免震棟に戻り、線量計のデータを確認した。線量計は80ミリシーベルトでアラームがなるよう設定されているはずだったが、データを確認したところ、7ミリシーベルトだった。計器の誤作動かどうかは不明だという。

 当初は3班が交代で計120トンを放水する計画だったが、次の班の作業のために貯水池に水を補給するだけで40分もかかる。自衛隊の準備が整ったことも考慮に入れ、警察庁が撤収を決めた。ある警察幹部は「完遂こそできなかったが、最初の地上放水という条件下でよくやった」と話している。【鮎川耕史】

毎日新聞 2011年3月19日 東京朝刊

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