文部科学省が都道府県に設置するモニタリングポスト(自動観測局、MP)は、18日午後5時時点で、茨城、栃木、群馬県の大気中放射線量が、1時間当たりの通常値を上回った。17日開設の被ばく医療健康相談ホットラインは問い合わせが殺到したため増設した。
3県の数値は、それぞれの通常値より0・04~0・131マイクロシーベルト高かったが、17日の同時刻より低下した。宮城県は17日夜にMPを設置した建物が倒壊の恐れがあると判断され、測定できなくなった。
19日からは、上水道や雨中の放射線量についても自治体からデータを集め、公表する。
福島第1原発から30~60キロ離れた福島県内の18カ所の屋外で18日午前10時8分~午後6時5分に実施した調査では、1時間当たりの放射線量は0・5~150マイクロシーベルト。北西に約30キロの浪江町内が依然最も高く、北西約32キロで屋内退避圏外の飯舘村でも52マイクロシーベルトだった。
また原発周辺住民向けの被ばく医療健康相談ホットライン(090・5582・3521、090・4836・9386、080・2078・3308)は、新番号(090・7408・1074、090・8591・0735、080・2078・3307)でも対応する。時間は午前10時~午後9時。【篠原成行】
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◆環境放射能水準調査結果(文科省発表)
都道府県名 17日 18日 過去の通常値
北海道 0.031 0.027 0.02 ~0.105
青森 0.019 0.019 0.017 ~0.102
岩手 0.030 0.028 0.014 ~0.084
宮城 - - 0.0176~0.0513
秋田 0.034 0.033 0.022 ~0.086
山形 0.043 0.040 0.025 ~0.082
福島 - - 0.037 ~0.071
茨城 0.204 0.187 0.036 ~0.056
栃木 0.182 0.165 0.030 ~0.067
群馬 0.093 0.085 0.017 ~0.045
埼玉 0.062 - 0.031 ~0.060
千葉 0.036 0.034 0.022 ~0.044
東京 0.050 0.048 0.028 ~0.079
神奈川 0.052 0.050 0.035 ~0.069
新潟 0.047 0.046 0.031 ~0.153
富山 0.049 0.047 0.029 ~0.147
石川 0.047 0.046 0.0291~0.1275
福井 0.044 0.045 0.032 ~0.097
山梨 0.044 0.044 0.040 ~0.064
長野 0.079 0.071 0.0299~0.0974
岐阜 0.060 0.060 0.057 ~0.110
静岡 0.038 0.037 0.0281~0.0765
愛知 0.039 0.039 0.035 ~0.074
三重 0.049 0.045 0.0416~0.0789
※17日は午後11時~18日午前0時観測、18日は午後4~5時観測。単位はマイクロシーベルト毎時(公表はマイクログレイ。1マイクログレイ=1マイクロシーベルトで換算)。宮城、福島、埼玉は機器点検などで計測できず
毎日新聞 2011年3月19日 東京朝刊