東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発でトラブルが発生するたびに、敷地境界の放射線量が増加している様子を描いたグラフを、市民団体「環境エネルギー政策研究所(ISEP)」(東京)が公表した。東電がホームページで公開している計測値を基に作成した。トラブル直後には、一時的に突出した高い数値を示し、その後は当初の低い数値には戻らず、右肩上がりで状況が悪化していることを示している。
同原発正門での計測値は、トラブル発生前の12日午前0~4時は1時間当たり0・062~0・069マイクロシーベルトで推移していた。1号機で12日午後3時36分、水素爆発が発生。その直後では同8・23マイクロシーベルトを記録。3号機で14日午前11時1分に発生した水素爆発の直後には同50・387マイクロシーベルトだった。その後、数分の1に戻ったが、2号機の燃料棒がすべて水面から露出する「空だき状態」になった後の同日午後9時37分には同3130マイクロシーベルトになった。
15日午前6時14分に発生した2号機の爆発では、約3時間後の同9時に1時間当たり1万1930マイクロシーベルトまで上がった。18日午前5時半現在(西門で測定)は、278・9マイクロシーベルトだという。
分析した飯田哲也所長は「政府や東京電力は事態がどう推移しているのか背景を解説すべきだ」と話す。【大場あい】
毎日新聞 2011年3月18日 東京夕刊