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東日本大震災:福島第1原発事故 放射線量超過の5県、数値低下 文科省が相談窓口

 文部科学省が都道府県に設置する「モニタリングポスト」(自動観測局、MP)は、17日午後5時時点で、宮城、茨城、栃木、埼玉の4県で、大気中の1時間当たりの放射線量が通常値を上回った。群馬県は一時的なMPの異常で、午後5時時点のデータが計測できなかったが、午後4時時点で通常値を上回った。

 午後5時時点の1時間当たりの最高値は▽宮城県0・141マイクロシーベルト▽茨城県0・209マイクロシーベルト▽栃木県0・189マイクロシーベルト▽埼玉県0・062マイクロシーベルト。群馬県の午後4時時点は0・096マイクロシーベルトで、それぞれの通常値の最高より0・002~0・153マイクロシーベルト高かった。17日午前9時時点では同じ5県で最高値を0・004~0・166マイクロシーベルト上回っており、放射線量は徐々に下がりつつある。

 また、文科省は福島第1原発から20~60キロ離れた福島県内の34カ所の屋外で、17日午前9時20分~午後5時43分にかけ計測を複数回実施、0・7~170マイクロシーベルトだった。170マイクロシーベルトを計測したのは北西に約30キロの浪江町で、この場所では午後に3回測定、それぞれ167、170、158マイクロシーベルトを示した。同町内の原発から約20キロ地点では、15日夜に255~330マイクロシーベルトを計測、付近では2日経過しても放射線量が下がっていない可能性もある。

 また、原発の北西約32キロの飯舘村で95・1マイクロシーベルトを計測、屋内退避指示圏外にも高い数値の放射線が拡散していると分かった。17日の調査で原発から北西方向で高い数値を計測、南側の30キロ圏内は4・5マイクロシーベルトだった。文科省は「風や地形の差と考えられる」としている。

 文科省は福島第1原発周辺地区の住民に向け、健康相談ホットライン(0120・755・199)と被ばく医療健康相談ホットライン(090・5582・3521、090・4836・9386、080・2078・3308)を設置。毎日午前10時~午後9時に対応する。【篠原成行】

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 ◆環境放射能水準調査結果(文科省発表)

都道府県名 16日   17日   過去の通常値

北海道   0.028 0.029 0.02  ~0.105

青森    0.028 0.026 0.017 ~0.102

岩手    0.034 0.030 0.014 ~0.084

宮城    0.148 0.141 0.0176~0.0513

秋田    0.039 0.044 0.022 ~0.086

山形    0.051 0.047 0.025 ~0.082

福島     -     -    0.037 ~0.071

茨城    0.233 0.209 0.036 ~0.056

栃木    0.208 0.189 0.030 ~0.067

群馬    0.107  -    0.017 ~0.045

埼玉    0.067 0.062 0.031 ~0.060

千葉    0.040 0.037 0.022 ~0.044

東京    0.053 0.050 0.028 ~0.079

神奈川   0.055 0.053 0.035 ~0.069

新潟    0.047 0.046 0.031 ~0.153

山梨    0.045 0.044 0.040 ~0.064

長野    0.087 0.077 0.0299~0.0974

岐阜    0.060 0.060 0.057 ~0.110

静岡    0.039 0.043 0.0281~0.0765

愛知    0.040 0.039 0.035 ~0.074

三重    0.055 0.049 0.0416~0.0789

 ※16日は午後11時~17日午前0時観測、17日は午後4~5時観測。単位はマイクロシーベルト毎時(公表はマイクログレイ。1マイクログレイ=1マイクロシーベルトで換算)。福島県は計器破損のため計測できず。

毎日新聞 2011年3月18日 東京朝刊

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