■ 東京電力・専門家より・・・福島第一原発の想定津波はたった70cm

以下、名前は出せないが、東京電力の専門家に取材ができた。

 

 原子力発電所が非常事態となっております。原子力安全関係で申し上げますと、安全性再評価というものがあります。想定津波は、70センチほどだったと思います。それでも、結構安全に関係して評価が大変でした。評価は、チリ津波を参考にしていました。たった70cmです。こんな評価でよいのかと議論がありましたが、「今までの歴史で観察されたのはこの大きさなので良い。」とのことで上が押し切りました。

 ところで、原子力発電所のやや北、南相馬市の状況を見ますと、10メートル以上の津波が来ていたと想像されます。同じような高さの津波が来ていると想定いたしますと、熱を最終的に除去する熱交換機のある海水建屋まで、水没、ポンプの損傷が起きていてもおかしくありません。(崩壊熱は最終的に海水に放出するしかありません)だとしますと、いくら電源車が来てもなんの役にも立ちません。

 非常用ディーゼル発電機も、毎月一回程度は運転確認をしており、これが全て動かなくなったと言うことは、この発電設備も水没してしまったのでしょう。政府はそんなことを一切発表しないと思います。 いや、おそらく政府も知らされていないでしょう。

 定期検査で停止している発電所も少ないとは言え、ある程度の崩壊熱が生じています。おそらく、蒸発させて熱を取るしか無く、現場ではとんでも無い状況になっていると思います。

 東京電力の原子力部門には非常に優秀な人材もおり、なんとか最悪の事態を避けるよう、がんばっていただきたいと思っております。

 



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