放射性物質の拡散を冷静に受け止め行動するために不可欠な情報提供。地震発生以降、東京電力は原発敷地内や周辺の放射線レベルなどのデータを折に触れて提供してきたが、公表までに時間がかかることが多い。
枝野幸男官房長官は15日午前の会見で、福島第1原発3号機付近で同10時22分、1時間あたり400ミリシーベルトという高い放射線量を観測したと発表した。だが、同時刻に会見した東電は「(400ミリシーベルトという値は)把握していない」と回答。同社がホームページで公表している放射線量測定結果も、15日午後1時半現在の資料に「400ミリシーベルト」の数値はなく、正式に測定値を明らかにしたのは、測定から5時間以上が経過した午後3時半過ぎだった。【大場あい】
毎日新聞 2011年3月16日 東京朝刊