福島第1原発の高濃度放射能漏れを受け、関西広域連合の取り決めで福島県の支援を担当している京都府と滋賀県は現地へ派遣する職員らの安全確保に苦慮している。途中で足止めしたり、行き先を変更したりするなど対応に追われている。
京都府は14日夕、連絡調整に当たる危機管理・防災課員2人を災害対策本部がある福島県庁に向かわせた。ところが、15日午前に放射能漏れが判明。職員は簡易防護服を持参しており、県庁のある福島市は原発から約60キロ離れてはいるが、府は内陸の同県会津若松市にとどまるよう指示。業者のトラックで運んでいた救援物資も同市で降ろした。
同課の担当者は「状況がどこまで悪化しているか分からない。情報はテレビなどからのもので現地入りのめどは立たない。近くまで行っているのにもどかしい」と残念がった。
また、滋賀県では毛布や食料を積んだ大型トラック2台が14日午後、県庁を出発。15日午前、新潟県内で放射能漏れを知り、行き先を原発のすぐ北に位置する福島県浪江町から会津若松市に変更した。【入江直樹】
毎日新聞 2011年3月16日 東京朝刊