2011年4月13日11時41分
福島第一原発の廃炉や敷地の除染などには「数十年から100年かかる可能性がある」――。英科学誌ネイチャーは、11日付電子版で、米スリーマイル島(TMI)原子力発電所事故を経験した専門家らの見方を掲載した。
記事によると、福島第一原発の建設の一部を請け負った東芝による「10年程度」という廃炉計画について、TMI処理の経験者は「福島第一原発でははるかに時間がかかるだろう」と述べている。原子炉が安定しておらず、さらに放射性物質が大量に放出される可能性も残っているからだ。
TMIを経験した別の技術者は、福島第一原発で採用されている沸騰水型炉(BWR)は「配管や弁などが密集している」と指摘。TMIより作業が難しくなる可能性を示唆した。
また記事では、旧ソ連・チェルノブイリ原発では事故から約80年後に当たる2065年まで除染が行われる予定、と言及している。(ワシントン=勝田敏彦)