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新・神奈川県知事 黒岩祐治氏に聞く「今、なぜ統合医療が求められているのか」(1)

2011年4月11日 07:00

 10日、投開票が行なわれた神奈川県知事選挙で、国際医療福祉大学大学院教授の黒岩祐治氏(56)が、170万を超える票を獲得し、初当選した。黒岩氏に対し、選挙前に行なったインタビューを掲載する。

<西洋医学に対して「大きな疑問」>

国際医療福祉大学大学院 教授 黒岩 祐治 氏 日本の医療はどうなっているのか―。誰しもがそうした不安や疑問をお持ちでしょう。病院というのは西洋医学の治療の場です。それ自体に大きな問題があるわけではありません。西洋医学が進歩したがゆえに、日本は世界最高の長寿社会になり、乳幼児の死亡率は劇的に低下しました。ある種、世界一の医療を実現することができました。誰でも、いつでも、どこの医療機関を受診できるという世界最高の医療体制を築くことができたことは間違いありませんし、それを否定するつまりはありません。

 しかし、果たしてそれだけで良いのか、また持続可能なのか、という思いは拭い切れません。医療が進むにつれて、高齢者であっても徹底的に治療する、病気を根治するという西洋医学の考え方が、人生の最終章を生きる人にとってほんとうに幸せなことなのか、という疑問が残ります。病気を治すことが西洋医学の絶対的な目標でありますから、どうしても攻撃的な医療にならざるを得ないという傾向が見られます。

 たとえば、がん細胞は悪い細胞だから手術で取り去る、抗がん剤で叩くという発想になる。すると、がんが消えるという効果がある半面、高齢者ほど強い副作用のダメージを受けやすい。その副作用によって免疫力が下がり、結局、日和見感染症などで亡くなっていくケースを、しばしば目にするわけです。その時に、がんを叩き潰すことが本当に必要なのか、という疑問を抱くと同時に、病気に対する発想を切り替える必要があるのではないかという思いを強く感じます。

 私はフジテレビで、平成元年から医療現場を取材してきました。救急車の中で医療行為ができないのはおかしいじゃないか、という救急医療のキャンペーンを行なってきました。2年間で放送回数が100回を超える連続キャンペーンです。これがきっかけとなり、救急救命制度ができたというのが、私の医療に対する原点となりました。その後、看護師の問題にも取り組みました。3Kと言われる厳しい労働環境の中で、看護師の仕事の素晴らしさを世のなかにアピールすべきではないかと考えキャンペーンをやりました。

 20年以上にわたって医療取材に携わってきたんですが、そんな中で西洋医学に対して大きな疑問を抱くことがありました。それは大先輩のキャスターであった逸見政孝さんのがん治療です。逸見さんが記者会見で、がんであることを告白して大手術を受けられましたが、私は素人目に見てもあんなに痩せ細った身体にメスを入れて大丈夫なのか、と思いました。執刀した医師はゴットハンドと言われる権威でした。それだけ素晴らしい医師に手術してもらえるということで、逸見さんも受け入れて手術に臨んだわけです。

 手術の後、その医師は、手術は大成功だと言っていましたが、結果的に逸見さんはまったく回復することなく亡くなりました。このことが私にとって医療に対する大きな疑問となったのです。日本の最高レベルの西洋医学というものは何なのか、正しいことなのか。もちろん医師は全力で手術に取り組んだわけですから責める気はありませんが、何か変だな、という感覚が残りました。医師はがん細胞しか見ていなかったのではないか、本来なら逸見政孝という人間そのもの、"いのち"を見つめていたのか、という疑問です。

 西洋医学は素晴らしい学問であって、大きな効果があることは認めますが、はやり限界があるんじゃないか、とても大事なことを見失っているのではないか、との思いから「いのちに向き合う医療」というものを探していたんです。

(つづく)

【吉村 敏】

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<プロフィール>
黒岩 祐治黒岩 祐治(くろいわ・ゆうじ)
ジャーナリスト、国際医療福祉大学大学院教授、早稲田大学大学院公共経営研究科講師。
1954年生まれ。兵庫県出身。1980年、早稲田大学政経学部卒業後、フジテレビジョン入社。
報道記者、番組ディレクターを経て「FNNスーパータイム」「報道2001」「新報道2001」のキャスターに。2年間のワシントン駐在を経験。自ら企画・取材・編集を手掛けた救急医療キャンペーンが救急救命士誕生に結び付き、放送文化基金賞、民間放送連盟賞を受賞。92年から放送の「感動の看護師最前線」シリーズのプロデュースキャスター、ミュージカル「葉っぱのフレディ」のプロデューサーを努める。著書に、「日本を再生するマグネット国家論」(新潮社)、「恩師の条件」(リヨン社)、「末期ガンなのにステーキを食べ、苦しまずに逝った父」(講談社)など。

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