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出荷自粛のサンチュ、東京の店頭に 出荷停止前に供給 (1/2ページ)

2011年4月13日5時1分

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 福島第一原発事故による食品の放射能汚染問題で、千葉県から出荷自粛を指示されていた同県旭市産の葉物野菜のサンチュが今月上旬、東京都品川区内の大手スーパーで販売されていたことがわかった。政府は「出荷を自粛していて流通しない」としていたが、実際には出回っていた。

 農林水産省と千葉県によると、このサンチュは4月7日、同省が店頭での食品表示の監視を依頼している「食品表示ウオッチャー」がスーパーの店頭で見つけた。表示は「千葉産」だったが、裏面に記載された集配業者の所在地が旭市で、同省に通報があった。

 同省や千葉県が調べたところ、集配業者は旭市内の複数の農家からサンチュを仕入れていた。いずれもハウス栽培だったという。

 旭市では3月22日に採取したサンチュやシュンギクなど5品目から基準を超えた放射性ヨウ素が検出されたことが同25日に発表され、同市が出荷自粛を決定。同県は同29日に旭市や農協に対し、出荷自粛を指示した。政府はこの指示に基づき「基準を超えた地域の該当農産物は流通しない」と説明。今月4日に出荷停止を指示した。

 ところが、旭市は3月28日に独自にサンチュの検査を実施。ヨウ素が1キロあたり1700ベクレルで、基準(同2千ベクレル)を下回ったとして、出荷を止めていた集配業者はスーパー側と話し合い、「基準以下になったので出荷を控える必要はない」と判断。翌29日から、出荷停止が指示された今月4日まで出荷を続けていたという。

 福島県などの野菜で基準を超えた際、政府は2日後に出荷停止を指示した。その後、政府は全県でなく地域を限定して停止できるようルールを変更し、旭市などに停止が指示されたのは検査から10日後になった。千葉県は首都圏への野菜の一大供給地になっている。

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