F組の名古屋グランパスがホームでアルアイン(アラブ首長国連邦)を4−0で破り、3試合目で初勝利を挙げた。MF金崎夢生(22)が前半27分と同ロスタイムに2ゴールを挙げると、後半にもMF藤本淳吾(27)がFKを直接決めるなど2点を加えた。名古屋は1勝1分け1敗、杭州緑城(中国)と勝ち点4で並び、3位に浮上。アルアインは1分け2敗で勝ち点1のまま。
重苦しい雰囲気を金崎が切り裂いた。ケネディが落としたボールに、ゴール左前にドリブルで持ち込み、左足で決めた。アルアインに押し込まれた時間を耐えて迎えた前半27分、自身の今季初ゴールは貴重な先制点となった。チームメートの祝福を気持ちよく受け入れた。
「1点ではダメ」と、6日のFCソウル戦で課題にしていた追加点も金崎が奪った。「夢生(金崎)が走ってくれる」と、DF阿部がスペースに蹴ったクロスに頭から飛び込んだ。「いいボールだった。ボールをよく見て枠をとらえることだけを考えた。2点目を取れた時間帯も良かった」。前半ロスタイム、イメージ通りのゴールで、完全に試合の流れをグランパスに引き寄せた。
11日の練習でストイコビッチ監督から「もっと力を抜いてプレーしろ」とアドバイスを受けた。「ゴール前ではある程度リラックスできた」と手応えを感じた。ただ、ボールを失うことが多く「もっとボールをキープしたい」と反省もあった。
公式戦5戦目にして90分間では初勝利。いい動きはできているものの結果が伴わなかった。金崎は「勝ち点3がどうしても欲しかった試合。勝ったことは大きい」と素直に喜んだ。
2点以上奪ったのも初めてという決定力不足の中、2得点に金崎の自信もよみがえってきた。「チームとしても初めての勝利で勢いがついた。でも次が大事」。19日にはF組首位のソウルと対戦する。韓国王者とのアウェー戦に勝利してこそ、金崎は本物の自信を取り戻すはずだ。 (伊東朋子)
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