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【プロ野球】

東野開幕白星 故郷茨城への思い込め熱投

2011年4月13日 紙面から

6回表2死二塁、田中を三振に仕留め、ジャンプして叫ぶ巨人・東野=宇部で

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◇巨人9−2ヤクルト

 桜の花びらが無数に舞った黒土のグラウンドで、両腕を突き上げた。巨人が初めて地方球場で迎えた開幕戦。56年ぶりの公式戦となった宇部での一戦における主役は、7年目で自身初の開幕投手を務めた東野だった。7回途中まで4安打2失点と好投。「チームがいい形でスタートを切れて良かったです」。開幕白星をつかみ取り、お立ち台で声を張り上げた。

 ずぶとい24歳は「緊張はなかった。いつも通り投げられました」。気合も乗る。4回は青木から見逃し三振を奪い雄たけびをあげた。6回まで無安打。「ノーヒットは正直、意識していました」。結局7回に4安打を集められて降板。プロ野球史上初の開幕戦ノーヒッターは逃すも、先発としての役割は果たした。

 郷里に思いをはせる。東日本大震災で実家がある茨城県鉾田市が被害を受けた。今もなお、震度5〜6クラスの余震が続く。「友達が避難している中、野球をやっていていいのかと思っていました。でも、『野球で勇気を与えてほしい』と言われ、頑張らないといけないと思いました」。前日は母から「普通に頑張って」とメールが届いた。

 2004年にドラフトで7巡目指名されて入団。その年のチームで最も下位での指名だった。そこからはい上がってつかんだ開幕投手の座。チームでトップ指名以外の選手が開幕マウンドに上がるのは、ドラフト外で入団した87年の西本聖以来24年ぶりだった。

 たたき上げの右腕は言った。「僕らは野球で頑張るしかない。避難している人たちに勇気を与えられたらいい」。故郷の友へ、家族へ、被災者へ。ありったけの思いを込めて、大役を務めあげた。 (永山陽平)

 

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