福島第一原子力発電所の事故を受けて、アメリカ・ニューヨーク市近郊にある原子力発電所の運転を停止するよう求める集会が地元で開かれました。集会では、福島の事故の評価が最悪の「レベル7」に引き上げられることが伝えられ、参加者からは「原発の見直しに向けて行動を起こすべきだ」などの声も出ていました。
この集会は、マンハッタンの北およそ60キロにあり、ニューヨーク市に電力を供給している「インディアンポイント原子力発電所」の運転停止を求め、市民団体が11日、原発近くの町、グリーンバーグで開いたもので、地元住民およそ150人が参加しました。インディアンポイント原発は1973年に運転を始めた原発で、参加者からは「大都市に近すぎるため事故のときに全員が避難しきれないのでは」といった安全性の問題を指摘する意見が相次ぎました。また、集会では福島の事故の評価が最悪の「レベル7」に引き上げられることが伝えられ、50代の女性は「自分のことのようにつらい」と涙を流していたほか、70代の男性は「世界中の人たちが原発の見直しに向けて行動を起こすべきだ」と話していました。アメリカには104基の原発がありますが、半数は、インディアンポイント原発のように運転開始から30年以上が経過していて、福島での事故をきっかけに運転停止を求める集会が各地で開かれています。