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きょうのコラム「時鐘」 2011年4月13日
まさかの友は真の友。大震災1カ月の節目に首相は海外からの支援に感謝を表すメッセージを出した。その結びが、この一文。官邸のHPに全文が載っている
政府の広告として主要国の有力紙にも掲載と報じられた。米、英、中、韓、ロ、仏とあるが、台湾の名が見当たらない。よもや掲載を忘れたのではあるまい。台湾外交部は、106億円もの義援金が集まり、大半が民間からの善意と発表したばかりである 日赤などに届いた義援金が1154億円(3日現在)だから、台湾の支援はかなりのものだ。金が援助のすべてではないが、心の温かさを計る物差しではある いまも台湾で敬愛される八田與一技師は、巨大ダムを作った後に現地に慰霊碑を建てた。碑には工事犠牲者の名が、日台の区別なく一緒に刻まれた。「差別はいかん、と父が厳命したそうです」と、技師の子息から教わった 思いやる心は、形になって現れる。だから、支援の一方で、領土問題に新たな火種を持ち込んだり、軍用機を飛ばして緊迫をつくり出す国の指導者がいることも忘れまい。まさかの時は、善意もその正反対も顔を出す。 |