事件【放射能漏れ】海に放出した汚染水「回収難しい」 長期的には薄まり拡散+(1/2ページ)(2011.4.11 10:31

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【放射能漏れ】
海に放出した汚染水「回収難しい」 長期的には薄まり拡散

2011.4.11 10:31 (1/2ページ)
「漁に出るに出られないのがつらい」と唇をかみしめる漁師=7日午後、茨城県北茨城市の平潟漁港

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「漁に出るに出られないのがつらい」と唇をかみしめる漁師=7日午後、茨城県北茨城市の平潟漁港

30年で太平洋全域に

 福島第1原発では、東京電力が放射性物質を含む汚染水の海へ放出した。専門家は「長期的には海に広がってかなり薄まるが回収は難しい。監視を強化し、生物の体内で濃縮が起きないかどうか注意してほしい」と指摘している。

 放出したのは、比較的濃度の低い汚染水でこれまでに約9000トン。ほかに2号機周辺には、炉心から出た放射性物質を含む高濃度の汚染水が推定2万トンあり、いったん止まった海への流出が再び起きる懸念もある。

 日本原子力研究開発機構の中野政尚技術副主幹は過去に、茨城県沖から半減期が約30年の放射性セシウムが広がった場合のシミュレーションをした。海流に乗って5年ほどで北米に達し、10年後にアジア東部、30年後には太平洋のほぼ全域に広がった。

 今回、福島県沖からも同様に拡散すると予測。ただ高濃度の汚染水が2万トン流れ出たと想定した場合でも、濃度は1年後に1リットル当たり約1ベクレル未満、10年後には同0・1ベクレル未満と人体に影響のないレベルになるとみる。

食物連鎖で濃縮も

 気象研究所の青山道夫主任研究官は今回の事故で同様の流出量を想定すると、汚染水の流出後1カ月でセシウムが福島県の沿岸域に1リットル当たり最大40ベクレルの濃度で広がると推測。セシウムは長期間残るが、時間がたてばかなり薄まるという。

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