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東日本大震災:福島第1原発爆発 「脱原発」欧州で活発に

 【ブリュッセル福島良典】福島第1原発の爆発を受けて、欧州各国で12日以降、環境政党や市民団体が原子力発電への依存軽減を求める脱原発運動が活発になっている。欧州では最近、温室効果ガスの排出抑制などの観点から「原発回帰」の動きが高まっていたが、日本における安全神話崩壊の衝撃は大きく、各国政府に方針見直しを迫る圧力が強まっている。

 ドイツでは12日、老朽化した原発を抱える南西部ネッカーベストハイムの近郊で、反原発団体の約6万人が手をつないで原発閉鎖を要求する「人間の鎖」を作った。ドイツでは昨年、中道右派連立政権が「原発17基を20年ごろまでに全面閉鎖する」との従来の脱原発政策を軌道修正、稼働年数を平均12年延長することを決定。再生可能エネルギー開発まで既存原発を活用するためだ。メルケル首相は12日、日本の事故を踏まえて関係閣僚の緊急会合を招集、国内原発の安全点検を指示した。

 電力の約8割を原発に依存する「原子力大国」のフランスではベッソン・エネルギー担当相が記者会見で「深刻な事故ではあるが、原子力大惨事ではない」と強調した。

毎日新聞 2011年3月14日 東京朝刊

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