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東日本大震災:福島第1原発爆発 被ばく情報乏しく 避難住民「途方に暮れている」

 東京電力福島第1原発1号機の爆発事故から一夜明けた13日、福島県の避難指示圏(半径20キロ)外の自治体の公共施設は避難住民であふれた。医療施設などで被ばくの有無を確認する住民も増え、地震に加え、目に見えない放射性物質への不安が広がっている。

 二本松市の県男女共生センター駐車場に設置された陸上自衛隊の除染所では、医療関係者が高性能線量計で放射能をチェックした。

 富岡町のホームセンター勤務、稲月佑樹さん(23)は12日朝、家族4人で避難した。避難指示があった川内村へ向かったが、いっぱいになり、避難所を求め転々とした。伊達市の実家にたどり着いたのは深夜だった。消防署などに被ばくのチェックができるか確認したところ、センターを紹介され一家で訪れた。

 稲月さんは「(数値がゼロで)ほっとした。早めに避難したからかもしれない。昨日は何がなんだか分からないまま、ただ『避難して』と言われただけ」と情報不足に不安ものぞかせた。

 南相馬市から相馬市に妻と避難した大工、佐藤栄治さん(52)は「福島市や郡山市に行こうかと考えていたが、ガソリンスタンドがどこも開いていなくて、結局ここに行き着いた」と話した。避難指示圏外の南相馬市北部から家族4人で自主避難した会社員、船山貴央さん(29)は「放射線の子供への影響を考えて早めに避難した。いつ自宅に帰れるのか。県外には親類もおらず、途方にくれている」と声を落とした。

 田村市の30代の男性会社員は「ガソリンが足りない」と避難に踏み切れない。男性方では南相馬市で津波に遭った親族らを含め10人が暮らしている。「もうしばらく自宅で待機して原発の状況を見極めたい」と言う。【太田誠一、神保圭作、山田奈緒】

毎日新聞 2011年3月14日 東京朝刊

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