2011年4月11日13時42分
東日本大震災後、韓国で即席めんやミネラルウオーターなど飲食料品を中心に日本からの注文が急増している。韓国政府機関のまとめでは対日輸出額は前年同期比で5割増と伸びており、製造会社では工場を24時間操業にするなどして需要増に対応している。
大韓貿易投資振興公社が11日付で明らかにした対日輸出入動向によると、地震発生後の3月12〜29日の対日輸出額は前年同期比で51.5%増と急増した。ミネラルウオーターが同8.8倍、ラーメンが同2.2倍、昆布が同約5倍になるなど増加率が際立っている。
「辛ラーメン」で知られる食品メーカー農心では3月のインスタントラーメンの輸出額が平年比2.5倍の750万ドル(約6億3700万円)に急増。増加分のほとんどが対日輸出だという。同社は日本向けの製品を生産する釜山工場を24時間操業にした。4月も注文増は続き、他の工場での生産拡大も検討中だ。
また、ミネラルウオーター「済州サンダース」を製造する済州特別自治道開発公社によると、対日輸出は通常、年間50万〜100万トンだが、震災後の注文増で4月中に2500万〜3千万トンを日本向けに出荷する計画だ。別のミネラルウオーター生産会社も3月の輸出額が昨年の3倍となった。
水産加工品会社の東遠F&Bではノリの対日輸出額が約2倍に。別の食品会社でも、日本から即席の加工食品に関する問い合わせが相次いでいるという。(ソウル=中野晃)