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“落ちない石”耐えた 石巻・釣石神社

度重なる余震にも耐えた釣石神社の巨石=9日、石巻市北上町

 合格祈願で有名な宮城県石巻市北上町の釣石神社にある「落ちそうで落ちない」巨石が、東日本大震災の揺れと津波に耐え、崩落を免れた。
 神社のある越波地区は北上川を逆流した津波に襲われ、76戸のうち73戸が流された。濁流は神社の境内を表土ごとえぐり、社務所や大鳥居ものみ込んだ。
 水が引いた数日後、住民が見に行くと、巨石は震災前と変わらぬ姿を保ち、受験生が掛けた絵馬も流されていなかった。地震で石灯籠などは倒れ、巨石のすぐ下まで波が迫った跡があった。
 近くに住む鈴木栄幸さん(68)は震災当時、ゴーという津波の音に驚き家を飛び出した。しぶきが迫る中、居合わせた参拝客ら4人と巨石のそばの階段を駆け上がり、九死に一生を得た。鈴木さんは「釣石さんが導いてくれた」と感謝する。
 神社は江戸時代初期、山間部から現在地に遷宮されたと伝えられる。1978年の宮城県沖地震でも落ちなかった。
 宮司の石巻市職員、岸浪均さん(56)は9日、神社に戻り、巨石の無事を確認した。「困難を乗り越える心のよりどころが残ってくれた。地域の復興を見守ってほしい」と話した。(酒井原雄平)


2011年04月10日日曜日


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