2011年4月11日23時44分
影響は関西、九州にも及ぶ。神戸大(神戸市)では、米、豪、オーストリアの大学との協定で来るはずだった交換留学生10人のうち、7人がキャンセル。立命館アジア太平洋大(大分県別府市)でも、4月に来日する予定だった28人の交換留学生のうち、13人がキャンセルし、5人は来日を9月以降に延期した。
こうした中でも、比較的冷静なのは長期留学生たちだ。4年前に来日した東大工学部のマレーシア人男子学生(24)は母国の両親や妹から頻繁に帰国を促されるが、日本にとどまる。「海外メディアの報道は危険を強調しすぎていると思う。放射線量を見ても、今のところは大丈夫」と話す。
日本で学ぶ留学生は昨年5月時点で約14万1千人。政府は2020年をめどに「留学生30万人」の目標を掲げている。文部科学省学生・留学生課の担当者は「安全に関する正しい情報を発信し、技術水準の高さなど日本の良さをアピールしていくしかない」と話す。(花野雄太)