粕屋町で飲酒運転の車にはねられて高校生2人が犠牲になった事故で、亡くなった福岡市東区の山本寛大(かんた)さん=当時(16)=の母美也子さん(42)が5日、福岡商工会議所(同市博多区)を訪れ、河部浩幸会頭に飲酒運転撲滅を呼び掛けるステッカー150枚を贈った。商議所は早速、携帯電話や手帳に貼っていた。
ステッカーには「ストップ!飲酒運転 あなたのモラルで、助かる『命』があります」のメッセージと三つのハートが描かれている。2月9日の事故後、美也子さんが主宰するNPO法人「はぁとスペース」が作成。同月末、東京マラソンの車いす部門に出場した父浩之さん(44)がヘルメットや車輪に貼って走った。
「身近な物に貼って、2人の命を思い出してくれれば」と美也子さん。ステッカーは、寛大さんだけでなく、一緒に亡くなった同級生の皆越(みなこし)隼人さん=当時(16)、須恵町=の命、2人の思いを表現したという。河部会頭は「悲しみの中で作ってくださり、ありがたい。何とか飲酒運転を食い止めたい」と話した。
=2011/04/06付 西日本新聞朝刊=