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福島第1原発:周辺の賃貸に入居希望殺到 避難所を敬遠

原発から約25キロしか離れていない物件でもすぐに入居者が決まった。右は丸福不動産の渡辺社長=福島県南相馬市で、内橋寿明撮影
原発から約25キロしか離れていない物件でもすぐに入居者が決まった。右は丸福不動産の渡辺社長=福島県南相馬市で、内橋寿明撮影

 福島第1原子力発電所の周辺自治体で、賃貸物件への入居希望が殺到している。避難指示の出ている20キロ圏内の住民や、津波で自宅を流された人が、不便な避難所暮らしを敬遠して戻ってきているとみられる。不動産会社などによると、屋内退避指示が出ている20~30キロ圏に近い福島県相馬市やいわき市のほか、11日に「緊急時避難準備区域」に指定された北20~30キロ圏内の南相馬市中心部でも空室がほぼなくなっているという。【内橋寿明、高橋昌紀】

 原発事故直後は、南相馬市でも避難する人が相次いだが、地元に勤務する人たちを中心に、3月下旬から帰宅する人が目立ち始めた。

 同市原町区の丸福不動産は、3月下旬ごろまでは原発から20キロ圏外に約100の空室を抱えていたが、現在はほとんどがふさがり、退居待ちの予約が入っているという。渡辺康之社長は客に対し、避難指示に突然、切り替わる可能性を説明しているが「覚悟の上で次々と入居している」と話す。

 相馬市にある会社に勤める、末直樹さん(28)もその一人。南相馬市内にある自宅は、原発から20キロ圏内。同居していた両親と避難所にいたが、先月下旬から仕事に復帰。勤務先の工場敷地内で仮住まいしているが、1部屋に8人が雑魚寝する。風呂、トイレは共同だ。避難所よりは恵まれているかもしれないが、工場が動き出せば24時間ごう音が響く。「眠れるか不安」と話す。

 南相馬市で1週間以上単身者用物件を探しているが、見つからない。「放射能は不安だが、職場の近くに住まざるを得ない」とため息をつく。「危険を背負うのは自分一人で十分です」と、新居が見つかっても家族を呼び寄せるつもりはないという。

 南相馬市の北隣、相馬市でも、市によると市内に300あった空き物件がすべて埋まった。市は津波被害を受けた市民の仮住まいとして、アパートなど100室を借り上げたが、約400世帯が希望した。原発から35キロ以上離れているため、避難指示圏や屋内退避圏内にあった企業が同市に拠点を移すケースも目立ち、法人契約も多く成立した。

 また、原発の南側に位置するいわき市の不動産会社によると、同市でも3月下旬に入り、県内外にいる被災者から問い合わせが相次ぎ、物件のパンフレットや契約書を避難所あてに郵送している。さらに、20キロ圏内に住んでいた東京電力や下請け会社の社員数百世帯が、同市内に賃貸物件を求めたという。原発の復旧作業のためとみられる。

毎日新聞 2011年4月12日 11時23分(最終更新 4月12日 11時28分)

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