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鹿島火力発電と横浜火力発電所が稼動したことにより、東京電力管轄内の供給可能電力量は4000万kW以上に増加した。そのため、各所でエアコンが作動する夏の時期までの間は、計画停電の実施日は大幅に減少すると考えられている。
このため、今週から首都圏の鉄道の通勤時間帯は、震災前と同じく通常通りの平日ダイヤで運行する鉄道会社が増加した。また今は学生の春休みも重なり、震災直後の通勤パニックと違って比較的通勤も楽になった。
本日を含めて8日連続で計画停電の実施が見送りされ、鉄道も平日ダイヤで運行されることになったことによって震災前と同じ環境に戻ったかのような錯覚に陥る人もいるだろう。あくまで空調設備が稼動しない今の時期だから電力量が許容範囲内に収まっているのに過ぎず、日常の節電生活は当面の間、継続的に実施しなければならないことになんら変わりはないことを忘れてはならない。
節電への協力ひとつとっても日本人気質というか、みんなで協力する同調性は諸外国にない日本人の良いところだ。節電に反協力的な人はほとんど見当たらないし、街中を見ても皆自主的に節電を心掛けている。地下鉄のエスカレータが停止しても、文句一ついわずせっせと階段を利用するあたりはいかにも日本人らしい一面である。
しかしながら節電への協力とは別に、節電活動に対する誤解もある。例えば、節電を理由にした営業時間の短縮などだ。そもそも電気は、消費量と発電量が常に均衡状態を保つことによって周波数が安定させている。だから節電活動は電源消費ピークを抑えるために必要なのであって、水やガスなどように、電力余裕があるときに節電しても意味がない。世間の電力消費が低くなる深夜帯はむしろ電力消費を増やしてもなんら問題ないのである。
つまり24時間節電することが必要なのではないことを世間にもっと認知させるべきだと考える。だからマクドナルドや吉野家が24時間営業を復活させることは正当性がある行動といえる。元々電力消費量が少ない深夜の時間帯なら、震災前のように平常どおりにネオンを照らせば良いのである。
ここ数日、計画停電が実施されないために、企業生産活動において深刻なダメージを与えることは少なくなったが、エアコンが作動する時期になれば、再び電力ピーク値が供給量を超過する恐れがあるために、数ヶ月後には忘れかけていた節電に対する意識を再び復活させる時期がやってくる。現在、政府は電力消費を抑制させるためのに罰則を含めた企業向けの政令発動を検討しているが、私にはもっと良い案がある。それは日本人がもつ協力したいとする潜在的意識を活用した自主的節電するための仕掛けを作るのである。
例えば、東京電力のホームページをはじめ、デジタル放送データ放送などのメディアを利用し、東京電力管轄内の今現在の電力消費量をモニタリング数値として常時公表するのである。そうすれば、あともう少しで許容値が超えそうだと解れば、みんなが自主的に一斉になってエアコンを一時的に切るなど、自主的な節電活動に貢献できると考えるがどうだろう。
なお、電力の使用状況グラフは東京電力のホームページ(http://www.tepco.co.jp/forecast/index-j.html)から閲覧できるが、できればリアルタイムな電力消費量をホームページ以外のメディアを通じても一般公開を行ってほしい。計画停電せずにこの夏を乗り切るための仕掛けとなる。 |
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