事件【正論】国学院大学教授・大原康男 「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ」+(2/3ページ)(2011.3.22 03:05

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【正論】
国学院大学教授・大原康男 「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ」

2011.3.22 03:05 (2/3ページ)

 東京で語学研修中に地震に遭った「瀟湘晨報」の記者は、日本語教師が学生を誘導し、「教師は最後に電源を切って退避した」と落ち着いた対応を称(たた)えたが、おそらく、四川大地震で5千人を超える児童が死亡した際に、生徒を置き去りにして真っ先に逃げた教師が念頭に浮かんだのであろう。

 韓国の「聯合ニュース」は、日本の地震報道が恐怖感を与えない抑制的な表現で正確な報道を続けていると伝え、「揺れる画面にも声は沈着」「迅速、物静かな災害報道」と称賛したし、ロシア独立系紙「ノーバヤ・ガゼータ」(電子版)は日本人が社会的秩序を失わず、互いに助け合う姿を「日本には最も困難な試練に立ち向かうことを可能にする『人間の連帯』が今も存在する」と解説した。

 台湾の親中派紙「中国時報」に至っては、日本では「(米ニューヨーク大停電やカトリーナ災害時のような)商店略奪も起きず、すべてに秩序が保たれている」と指摘し、この「日本独特の栄誉を重んじ、恥を知り、礼を重んずる特性」の原点を、新渡戸稲造のいう武士道精神に求める評論家、南方朔氏のコラムを掲載している。

 米英、インド、パキスタン、イランなどのメディアも、日本人としてはいささか面映(おもは)ゆくなるような記事や社説を載せているが、その一方で、多くの人々が食料や日用品の買い溜(だ)めに走っているのも偽りのない姿である。それでも、大量の品を買い占めようとするような動きは皆無に近く、ここでも抑制的な姿勢が見られよう。

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