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関連報道に関する当会の見解

サンデー毎日〔3月26日特大号(p.20~21)〕「私たちの『加害性』を問いかける」について

2006年3月17日
電気事業連合会

題記記事中には、事実誤認と考えられる記述がいくつかみられます。事実関係は次の通りです。

1. 「六ヶ所村は、同時に「核のゴミ」の集積地でもある。」〔p.20、中段・8行目〕

<事実関係>

 誌面で紹介されている、六ヶ所の再処理工場は、原子力発電所で使われた使用済燃料に約95%も含まれている有用な資源(再利用可能なプルトニウム、ウラン)を取り出す施設です。また、そこで発生する高レベル放射性廃棄物も、最終処分地が決定されるまでの間、同所の「ガラス固化体貯蔵建屋」で、30~50年にわたり冷却・一次貯蔵されることになっています。ゴミの集積地ではありません。

 2. 「プルトニウム利用から撤退しつつあるのが世界の潮流でもある。」〔p.20、下段・3行目〕

<事実関係>

 再処理したプルトニウムをMOX燃料に加工して軽水炉で使用する「プルサーマル」は、これまでフランスをはじめとする各国56基のプラントで行われ、 4,894体のMOX燃料装荷実績があります。また、ベルギー、ドイツ、スイスなどの国では、フランスで使用済燃料を再処理してMOX燃料とし、自国でリサイクル(プルサーマル)を続けているという実態があります。さらに中国、ロシアもサイクル路線を目指しており、最近では米国でも、2005年6月にプルサーマルが再開され、MOX燃料工場の建設も開始されました。今後、米国も大規模な利用計画があります。

3. 「核燃料サイクル施設の中でも、再処理工場が「最も危険」といわれるゆえんである。」〔p.20、下段・10行目〕

<事実関係>

 六ヶ所再処理工場の排気筒及び海洋放出口からの放射性物質による一般公衆(施設周辺)への実効線量は、国の安全審査で年間 0.022ミリシーベルトと評価されており、1年間に日常生活で自然界から受ける線量約 2.4ミリシーベルト(世界平均)、自然放射線の地域差などと比較しても非常に小さな値です。(なお、東京~ニューヨーク間を航空機で1往復した時に受ける宇宙線増加の影響は約 0.2ミリシーベルトです。)
 また、イギリスならびにフランスの政府が設置した委員会の調査では、白血病と再処理工場に有意な因果関係は認められないと報告されています。
[イギリス:環境放射線の医学的側面に関する委員会(COMARE)1996年、フランス:放射線疫学調査グループ 2001年]

4. 「劣化ウランは、原発で使う核燃料を作る時に出る『核のゴミ』です。」〔p.21、19行目〕

<事実関係>

 天然ウランを濃縮し、原子力発電所で利用する濃縮ウランを生産する際に生じる劣化ウランは、MOX燃料を作る際に、再処理工場で抽出されたプルトニウム・ウランと混合され、再利用されます。廃棄物ではなく、有用な資源であります。

以上

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