オリックスは11日、開幕戦のスタメンを発表し、ドラフト1位・駿太外野手(18)=前橋商=が「9番右翼」に名を連ねた。高卒新人外野手では、張本勲以来、52年ぶりの快挙。昨秋ドラフトでは“外れ外れ外れ1位”として注目を浴びたが、今回はその実力に、みんなの視線が集まる。
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ついに勝ち取った。キャンプ中の1軍抜てきから約2カ月、プロの競争を勝ち抜いてきた。「まだ実感はないですが、開幕戦に出られるのは夢のよう」。喜びをかみ殺しながらも、表情には自然と笑みが浮かぶ。「去年までテレビで見ていた世界」というプロ野球開幕戦に、自らが選手としてスタメン出場することが現実となったのだ。
予想はしていなかった。それだけに、開幕スタメンと現実に浮かれてはいない。「ドキドキ感はあるが、やることは変わらない。ドラフトされたときの方が『うわーっ』となったけど」。プロとして、グラウンドで自分のプレーに専念する。やるべきことを自覚しているからこそ、首脳陣も駿太の起用を決めたに違いない。
駿太が開幕戦で安打すれば、プロ野球の歴史に新たな1ページを記すことになる。張本氏が、安打を放ったのは2試合目。大先輩については「テレビで見ている印象だけで(現役時代のプレーなどは)分かりません」と恐縮したが、快挙を達成すれば「アッパレ」をいただけることになるだろう。
この日は京セラドームで行われた開幕前日練習に参加した。いつも球場にはT‐岡田や伊藤の車に同乗し、青濤館から通勤している。「岡田さんにも、伊藤さんにもいつも色んなことを教わってます」。表情にあどけなさの残る18歳。この少年が、イチローも経験していないオリックスの新たな歴史を切り開いていくことになる。
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