東日本大震災と福島第1原発事故の発生から1カ月が経過したのを受け、東京電力の清水正孝社長は11日、福島市を訪れた。福島県民に謝罪するため佐藤雄平知事に面会したいと意向を伝えたが、知事は拒否した。
県は「優先すべきは原発事故の収束に全力を尽くすことだ」との知事の考えを東電側に伝えたという。
清水社長は県庁内の知事室を訪問。佐藤知事は不在で「気持ちを伝えに参りました」と名刺を置いていった。その後、県庁内に設置された原子力災害対策の拠点「オフサイトセンター」に立ち寄った。
これに関連し、経済産業省の西山英彦審議官は「東電の最高責任者として、原発各号機の状況をどう思っているか、将来の展望も含め分かる範囲で説明し、被害を受けている方々への誠意を示してもらえたらいい」と記者会見で述べた。
清水社長は事故後も佐藤知事に面会を求めたが、知事は「県民の怒りと不安は極限に達し、受ける状況ではない。社長以下、死力を尽くして事態の収拾に当たるべきだ」と拒否した。
清水社長が公の場に姿を見せるのは3月13日の記者会見以来。体調を崩し、入院した時期もあった。