2011年4月11日21時58分
河村たかし名古屋市長が主導して昨年夏に実施された市議会解散のリコール運動で集められた署名簿が、外部に流出していたことが11日、関係者の証言でわかった。一部は3月の出直し市議選で、減税を訴える無所属候補らの選挙運動に利用されたとみられる。
署名集めに携わった関係者によると、署名簿は出直し市議選当時に減税日本の候補者から、電子データの形で無所属陣営に渡されたという。その中には、署名者数万人分の氏名や住所などが含まれていた。この無所属候補は落選している。
市選挙管理委員会などによると、リコール署名簿の複製や目的外使用を禁じる法令の規定はなく、個人情報保護法も政治活動に関する情報は対象外だという。ただ、署名集めを担った河村市長の支援団体「ネットワーク河村市長」の鈴木望代表は署名期間中、選挙への目的外使用やコピーをしないことを明言していた。
河村市長はデータ流出について「(事実なら)残念だが、選挙に利用すること自体は法律上問題はない」と説明。一方、ネットワーク側は「コピーや電子データは存在しない」としており、今後調査を進めるとしている。(豊岡亮)