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美浜原発、50年稼動へ 関電「10年延長可能」報告書

2009年11月5日13時37分

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 関西電力は5日、来年11月に運転開始から40年を迎える美浜原子力発電所1号機(福井県美浜町)を来年以降の10年間も運転が可能だとする報告書を国に提出した。同日午後に森詳介社長が福井県庁を訪れ旭信昭副知事に伝えた。順調に運転を続けた場合、国内で初めて50年間稼働する原発になる。

 運転開始から30年を過ぎた原発は、10年ごとに高経年化(老朽化)対策の報告書をつくり、国に認めてもらうことが必要となっている。関電は同日午前、経済産業省原子力安全・保安院に美浜1号機の老朽化対策をまとめた「高経年化技術評価」と「長期保守管理方針」を提出。必要な点検や機器の取り換えなどの対策を実施することで、今後10年間、安全運転を続けられるとした。今後、原子力安全・保安院で半年かけて審査し、結論を出す。

 福井県側に対して森社長は「安全性を最優先に努めていく」と伝え、旭副知事は「不安を持つ県民もいるので耐震安全性を含め、慎重に進めてほしい」と要望した。

 美浜原発1号機は出力34万キロワットで、70年11月に運転が始まった。来年3月に運転開始40年を迎える日本原子力発電(原電)の敦賀原子力発電所1号機(福井県敦賀市)に次ぎ、国内商業原発としては2番目の古さだ。敦賀1号機は、代替の3号機が16年に運転を始めるのを機に運転を停止し、廃炉にする予定となっている。

 原発の使用年限や寿命についての明確な規定はないが、新規立地が難しく、増設する際も地元の同意の手続きに時間がかかるため、国が96年に「安全性を確認すれば60年運転しても健全性は確保できる」との判断を打ち出している。

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