永久歯が足りない子ども10人に1人
オルタナ 1月9日(日)14時11分配信
永久歯の芽(歯胚)は胎児期につくられるため、母親の食生活が影響を与えているとする説、下の第二小臼歯の欠如が比較的多いため不要な歯が淘汰されつつあるとする説など、歯科医によって複数の仮説が立てられているが、正確な原因はまだ明らかになっていない。
先天的に歯胚がなく、28本の永久歯が生えそろわない「永久歯の先天欠如」の発現頻度について、同学会は2007年に初めて全国規模の実態調査に乗り出していた。
調査は北海道大学、昭和大学、鶴見大学、朝日大学、大阪歯科大学、九州歯科大学、鹿児島大学の付属病院小児歯科が協力して2年間にわたって実施された。その結果、7歳以上の子ども1万5544人のうち1568人に永久歯の先天欠如があることが分かった。
発現頻度は、最近生まれた子どもほど高かった。出生年代別の発現率は1985年以前が9.62%、1986-1995年が10.08%、1996年以降では10.50%と微増している。ただしその差は0.9%未満であり、上の歯に限れば1996年以降の発現頻度が最も低かった。
公開講座で調査報告をした鹿児島大学小児歯科学の山崎要一教授は「子どもの永久歯先天欠如が増加傾向にあると結論付けるには、今回の結果だけでは証拠不足だ」と言い切る。
実際に増えているかどうかは長期的かつ大規模な調査を経て初めて明らかになるという見解だ。山崎教授は今回の調査について「約10%もの子どもに永久歯の先天欠如があることが分かった。小児期の先天的な歯科疾患として、それ自体が大きな問題を提示している」と語る。
永久歯の先天欠如については、遺伝や治療に関して研究が進められている。しかし、欠如の原因は解明されていない。昔と今の食事の変化が原因とする考えもあるが、歴史的にも地理的にも食べ物の違いが人間の歯を変えた例は見られず、この説にも科学的根拠がないという。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)
最終更新:1月9日(日)14時11分
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