Danger Room

対テロ技術や軍事技術、国家安全保障などに関する総合ブログ。

福島原発:現場作業を支援する各種無人機

2011年4月11日

Adam Rawnsley

(1)から続く

一方、米空軍は、地震発生後すぐに、日本政府からの要請を受けて、高高度無人偵察機『Global Hawk』を日本に送った。日本政府が「監視・偵察機能を利用して、市町村や産業インフラなどの施設の被害状況を確認する」のを支援するのが目的だ。Global Hawkは、ハイチ地震の際にも投入されている。

また、共同通信の報道によると、米国政府はこのほど初めて、日本政府に対して、福島第一原発4号機の監視に、ビール樽型の超小型無人機(MAV)『RQ-16 T-Hawk』を利用することを提案したという。

RQ-16 T-Hawkは英Honeywell社製で、小型なうえに軽量(重量約7.7キログラム)だ。ガソリン駆動のダクテッドファンを利用してホバリングし、高度7000フィートまで上昇できる。


Photo: DVIDSHUB

計画では、RQ-16 T-Hawkは4号機の上空をホバリングし、東京電力の作業員が機械を持ち込んで使用済み燃料棒を冷却するのに十分安全なレベルの放射線量かどうかを確認することになっている。

RQ-16 T-Hawkは、偵察飛行のために開発され、イラクでは、道路脇に仕掛けられた爆発物の探知に利用された。米陸軍が進める総額2000億ドル規模の大がかりな兵力近代化プログラム『フューチャー・コンバット・システム(FCS)』では、中心的な役割を果たすことになっていたが、FCSプロジェクトは、あまりに野心的で負担が大きすぎることから、結局打ち切られた。その後、米陸軍は、飛行中に騒音を出しがちなRQ-16 T-Hawkの運用を中止した。

RQ-16 T-Hawkは、FCSプロジェクトが打ち切られた後、マイアミ・デイド郡警察で監視用ロボットとして民生利用されてきた(日本語版記事)。

CNETの報道によると、RQ-16 T-Hawkはすでに日本に向かっているという。

[日本語版:ガリレオ-矢倉美登里/合原弘子]

WIRED NEWS 原文(English)

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