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[事件]ニュース トピック:津波
【東日本大震災】明治、昭和の津波乗り越えた 漁の町「3度目も必ず」岩手・田老
2011.4.11 09:23
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岩手県宮古市の田老町漁協は、40年以上かけて整備した施設が、ほぼ全滅。鉄筋3階建ての事務所だけが、流されずに残った。「先人は明治、昭和の三陸津波を乗り越えた。われわれも必ず」。震災1週間後から組合員の安否確認や相談業務に取り組み、3度目の復興に向け、動き始めている。
震災前、組合員は約700人。管内には田老漁港など7港があり、年間生産高は18億円前後あった。アワビやウニなど天然資源に恵まれ、養殖業も盛ん。ワカメは「真崎(まさき)わかめ」のブランド名で全国の消費者に親しまれてきた。
しかし、大津波はすべてをのみ込んだ。3月14日朝、出張先の東京から陸路で田老にたどり着いた小林昭栄組合長(67)は各漁港を見て回り、ぼうぜんとなった。「全部駄目だった。市場や倉庫、5億円かけたアワビの生産施設も」
約960隻あった漁船のうち残ったのは約40隻。組合員の死者・行方不明者は30人を超える。地元の主婦の貴重な雇用の場だった水産加工場も壊滅し、約100人の従業員全員を3月末に解雇せざるを得なかった。被害額は75億円に上る。
養殖業の再開には、少なくとも1人当たり約1千万円の自己負担が必要。平均年齢60歳の組合員にはあまりに重い。施設の全面復旧には何年かかるか分からない。
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