福島第一原子力発電所の事故を受けて、アメリカに次ぐ世界2位の原発保有国フランスでは、国内の原発の閉鎖を訴える抗議集会がフランスで最も古い原発がある町で開かれました。
抗議集会が行われたのは、フランス東部のドイツとスイスとの国境に近い町、フェッセンハイムです。この町には、1977年に操業が開始されたフランスで最も古い原発があり、10日、この施設の前で抗議集会が開かれました。集会にはフランスをはじめドイツやスイスから合わせて数千人が集まり、横断幕やプラカードを掲げて原発の危険性を訴えたり、原発の閉鎖を呼びかけるメッセージを風船にくくりつけ、平和のメッセージとして空に飛ばしたりしていました。集会に参加した女性は「福島県の事故は、原発の近くで暮らす私たちにとってぞっとするような事故でした。原発は今すぐ閉鎖されなければなりません」と話していました。アメリカに次ぐ世界2位の原発保有国フランスは、総消費電力量のおよそ80%を原発に依存しています。当初、福島第一原発の事故の発生直後に行われたフランスの世論調査では、半数以上の人が原発の利用をやめる必要はない、と答えていましたが、今月初めに行われた最新の世論調査では、原発へのエネルギー依存度を減らすべきだと回答した人が80%以上に上っており、原発大国フランスで「反原発」の動きが高まっています。