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ページ更新時間:2011年4月11日(月) 05時14分

高濃度汚染水の移送作業に遅れ

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 福島第一原発では依然、汚染された水の処理が難航しています。2号機の周辺に溜まっている極めて高い濃度の放射性物質を含んだ水について、東京電力は、10日、移送作業を始める予定でしたが、事前の安全確認に時間がかかっています。

 「タービン建屋のたまり水を復水器や廃棄物処理施設に移送することで、作業環境を改善するとともに、原子炉建屋から漏れてくるところを早く見つけて止水したい」(東京電力の会見)

 2号機周辺に溜まった汚染水は、1時間あたりの放射線量が1000ミリシーベルトを超え、原子炉の冷却機能を復旧させる作業にとって特に大きな障害になっています。

 復旧作業を進めるには、まず、タービン建屋に溜まっている水を除去する必要がありますが、放射線量が高すぎて作業ができないため、隣接する地下トンネル「トレンチ」のたて穴から汲み出す準備が進められていました。

 この水を移送する作業は10日から始める予定でしたが、ホースの水漏れ点検など事前の安全確認に時間がかかり、いまだ始まっていません。

 「ホース類にいったん、仮に水を流して、漏えいがないと確認してから臨む」(東京電力の会見)

 東京電力は、11日、汚染水をポンプで「復水器」に移す作業を始めるとともに、廃棄物処理施設への移送についても水を受け入れる準備が整い次第、別のポンプを使って始める予定です。

 一方、10日、水の移送作業の準備中に体調不良を訴えた作業員については、病院で「過労」と診断されたということです。事態の長期化が必至となるなか、今後は気温の上昇によって、防護服に身を包んでの作業がより過酷になることも予想され、作業環境への配慮も難しい課題です。(11日02:06)