ニュースリリース

2007/04/11

液晶ディスプレイの視認性向上と耐衝撃性を実現した
光学弾性樹脂(Super View Resin)を開発、量産開始

  • NEWS_no 07-005
  • [新製品]

この度、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社では、液状接着剤、両面テープ等の接合材料開発で培ったコア技術を応用し、液晶ディスプレイの視認性向上と耐衝撃性を同時に実現する光学弾性樹脂(Super View Resin 以下SVRという)を開発し、2007年春より量産を開始いたします。
現在の携帯電話の表示部は、カバーに強化ガラスやアクリル板を使い、液晶モジュール(発光部)との間にすきま(エアギャップ)を持つことで、外からの衝撃で、カバーが割れた場合でも、液晶モジュールに影響が出ないような構造(エアギャップ構造)になっています。

■エアギャップ構造とSVR構造の違い

エアギャップ構造とSVR構造の違い

しかし、このエアギャップがあることで、光の散乱による輝度やコントラストの低下を招き、特に屋外での視認性を著しく落とし、本来の液晶モジュールが持つ性能が100%発揮されないという問題がありました。

■光取り出し効率の向上と反射の抑制

光取り出し効率の向上と反射の抑制

■屋外での表示画面:比較写真

画面の視認性:比較

この問題点に対し、当社はカバーと液晶モジュールの間に、屈折率を制御した弾性樹脂を充填することで、エアギャップ構造に比べ、光の散乱を少なくし、視認性を向上させることに成功しました。
また、この充填した樹脂に弾性を持たせることで、それ自体がクッションとなり、外からの衝撃を和らげ、カバーや液晶モジュールを破損から守るだけでなく、カバーが破損した場合でもガラスの飛散を防ぎ、パネルの強度補強も同時に実現します。

■パネル強度比較(自社調べ)
   以下の測定条件下でエアギャップ構造に比べ、「約1.5倍の強度を実現」

パネル強度試験データ

SVR構造は、携帯電話はもちろん、PDA、携帯ゲーム機、デジタルスチルカメラ、カムコーダー等など、中・小型液晶ディスプレイに適した構造で、モジュールとしての部品点数の削減が可能です。

<SVR 仕様>

  • 主成分: アクリル系 紫外線硬化型樹脂
  • : 透明

SVRに関しては現在、特許を申請中です。
また、ソニーケミカル&インフォメーションデバイスでは、工法、設備等に関する情報についてもご提供させていただく予定です。
なお、東京ビックサイトで開催される4/11(水)〜4/13(金)「第2回FPD部品・材料EXPO」会場にて光学弾性樹脂を発表いたします。会場にお越しの際は、ぜひ弊社ブースにお立ち寄りください。

このニュースに関するお問合せ先

ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 広報室
Tel.:03-5435-3943

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