ニュースリリース

2008/04/16

2008年4月16日
ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社

視認性向上と耐衝撃性を同時に実現、液晶・有機ELディスプレイ向け弾性特性を持つ光学樹脂を製品化

〜モバイル機器向けブラックプリンティング対応、アクリルカバー対応〜

  • NEWS_no 08-007
  • [新製品]

ソニーケミカル&インフォメーションデバイスは、ディスプレイの視認性を高め、同時に耐衝撃性を持つ光学弾性樹脂を昨年製品化したことに続き、今回、モバイル機器向けブラックプリンティング対応の紫外線硬化と熱硬化機能を持つデュアルタイプとアクリルカバーに適したアクリル(PMMA ※1)対応タイプの2種類をあらたに製品化しました。
※1 PMMAとは、ポリメチルメタアクリレート:Polymethyl methacrylate、アクリル樹脂の一種。

<光学弾性樹脂とは>

カバーとディスプレイの間に屈折率(カバーと同等)を制御した光学弾性樹脂を充填することで、エアギャップ構造に比べ、光の散乱を少なく、視認性を向上させることが可能です。また、この充填した樹脂自体に弾性を持たせることで、それ自体がクッションとなり、外からの衝撃をやわらげ、カバーやディスプレイモジュールを破損から守るだけでなく、カバーが破損した場合でもガラスの飛散を防ぎ、パネルの強度補強も同時に実現します。

光取り出し効率の向上と反射の抑制

画像:光取り出し効率の向上と反射の抑制

■ブラックプリンティング対応デュアルタイプ「SVR1240H」

携帯電話、デジタルスチルカメラなどのモバイル機器には、落下時のディスプレイへのダメージを軽減するため、カバーレンズやカバーウィンドウと呼ばれる透明の基材が、保護材として組み込まれており、この保護材の裏には印刷部位(ブラックプリンティング)が、施されている場合があります。従来の紫外線硬化型樹脂では、ブラックプリンティングの下に紫外線が届かず、その部分の樹脂硬化が不十分な場合がありました。
今回開発したデュアルタイプ「SVR1240H」は熱硬化型樹脂を配合することで、紫外線照射工程後に熱を加え、紫外線が届かない部位についても熱による硬化補完が可能になります。

SVR1240Hの熱硬化の有効性
※ガラスカバーにブラックプリンティングしている場合

画像:SVR1240Hの熱硬化の有効性

[SVR1240Hの仕様]

主成分:アクリル系 紫外線+熱硬化型樹脂
色:透明

なお、この「SVR1240H」は2008年4月より携帯電話、auの有機EL搭載モデル、W61SA(製造元:京セラ株式会社)に採用されています。

■アクリル(PMMA)カバー対応タイプ

携帯電話やデジタルスチルカメラなどのモバイル機器の表示部カバー材質は強化ガラスとアクリル板が主流で、特にアクリルカバーはガラスカバーに比べ、透過率が低いため、ガラスカバーと同等のUV照射条件では、硬化が不十分になってしまいます。そこで、樹脂の硬化反応性を高め、同じ積算光量(※2)で硬化可能な性能を確保しました。
※2 SVR1100と同等積算光量
また、アクリルカバーは、ガラスに比べ、環境温度に依存し、変形(反り)しやすいのが一般的です。そのためアクリル板が高温環境下にさらされる場合、樹脂がアクリル板の反りに追従できず、界面剥離が発生するケースが考えられます。今回開発したアクリル対応モデルは従来の「SVR1100」に比べ、伸び率などを高くすることで、アクリルカバーへの追従性を高め、この課題を克服しています。

アクリル(PMMA)カバー対応タイプの高追従の有効性

画像:アクリル(PMMA)カバー対応タイプの高追従の有効性

[アクリルカバー対応タイプの仕様]

主成分:アクリル系 紫外線硬化型樹脂
色:透明

光学弾性樹脂の新製品2モデルに関しては現在、特許を申請中です。
また、ソニーケミカル&インフォメーションデバイスでは、工法、設備などに関する情報についてもご提供させていただく予定です。

なお、東京ビッグサイトで開催される2008/4/16(水)〜4/18(金)「第3回FPD部品・材料EXPO」会場にて光学弾性樹脂を発表、展示いたします。会場にお越しの際は、ぜひ弊社ブースにお立ち寄りください。

■会社概要

  • ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社
  • 代表者: 代表取締役社長 杉山 正義
  • 本社所在地: 東京都品川区大崎1-11-2 ゲートシティ大崎イーストタワー8F
  • 事業内容: 電子材料・電子部品、接合材料、光学材料、プリントメディアなどの製造・販売、磁気テープ、
    磁気デバイスの製造
このニュースに関するお問合せ先

ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 経営企画部門 広報室  TEL:03-5435-3943

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