加工用トマト 栽培契約見送る
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加工用トマト 栽培契約見送る

4月10日 18時56分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力の福島第一原子力発電所の事故の影響で、食品メーカー2社が福島県の農業団体に対し、今年度は、これから作付けされる加工用のトマトの栽培契約を見送る意向を伝えていたことが分かりました。福島県は「トマトは現在、出荷制限の対象外で、非常に残念だ」と話しています。

食品メーカー「カゴメ」と「日本デルモンテ」の2社は、JA全農福島と加工用トマトの栽培契約を結び、ジュースなどの原料に使ってきました。ところが、福島第一原発の事故を受けて、これから作付けされる加工用のトマトについて、今年度は契約を見送る意向を9日までにJA全農福島に伝えたということで、全農福島では緊急に対応を協議しています。福島県によりますと、露地栽培のトマトは、これから作付けされるため放射性物質の検査は行われていませんが、すでに検査が行われているハウス栽培のトマトからは国の暫定基準値を超える値は検出されていません。福島県は「現在、トマトは出荷制限の対象となっておらず、メーカーの対応は非常に残念だ。農家に対しては代わりになる農産物の生産を支援していきたい」と話しています。一方、メーカー2社は「消費者に届けるものなので、完全に安全性が確認されないと契約することはできない」としたうえで「来年度以降については、安全性が確認されれば、契約を再び行いたい」と話しています。これについて厚生労働省は「これまでの検査で、トマトからは国の暫定基準値を超える放射性物質は検出されていないので、そうした対応は必要ないものと考えており、メーカー側には冷静な対応をお願いしたい」とコメントしています。さらに、消費者に対して「出荷制限などの指示は科学的な根拠に基づいて出されているので、流通している食品は安心して食べてほしい」と呼びかけています。