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2010年11月16日 (火)

第7回全国原子力発電所立地議会サミット1日目
小池百合子「いちばん」の会

Cimg1052 空腹となったので、0時10分、ホテル近くの「らーめんや風神 品川駅前店」(電話:03-3446-5676)にて「風神 醤つけ麺(こってりスープ) 700円」「瓶ビール 520円」2本の夜食をとる。角が立った太めの麺だったので、楽しめるかと思いきや、隣客のタバコの煙を吸い続ける結果となり、食べた気がしない夜食となった。

 シャワーを浴びたのち、資料整理などを行い、3時に就寝する。

 7時、起床。目を覚ますために熱めのシャワーを浴び、8時30分からホテル本館のロビーにて、某社担当者と打ち合わせ。

Cimg1053 10時30分、ホテル1階の「カフェレストラン24」にて「めざめる朝カレーとホームメイドパンブッフェ&玉子料理」のブランチをとる。朝カレーということで、どんな具かと思ったら、カリフラワーやフライドポテトという、ホテル側のエコ的には良い具であった。とはいいつつも2杯食べる。卵料理がつくとのことだったので、サニーサイドアップにしてもらい、醤油をかけ、トーストで黄身をすくいながら楽しむ。加熱された黄身と醤油をたっぷりすったトーストに、少々の納豆をのせて食べたいところ。

 11時過ぎ、ホテル本館ロビーで某氏と打ち合わせ。

Cimg1054 12時、品川プリンスホテルのアネックスタワーの5階に移動し、 「第7回全国原子力発電所立地議会サミット」(主催:全国原子力発電所立地市町村議会議長会)に出席する。柏崎市議会の提唱で始まったこの会も7回目となる。
 今回のテーマは、「我が国における原子力政策~立地地域の安全・安心と振興~」。前回は「21世紀のクリーンエネルギー~安全・安心・信頼~」であり、自民党からの代表者がこないと大不評であった。

Cimg1055 13時から「富士の間」にて開会。今回の出席者は総勢470名となった。
 主催者側の挨拶ののち、経済産業省、文部科学省は大臣ではなく、次官クラスの代理出席であった。前回に引き続き、両省のトップ3もこなかったが、国会・衆議院において補正予算審議で荒れているためであろう。
 来賓出席の国会議員は、民主党・広野ただし参議院議員、自民党は谷垣総裁が出席予定であったが代理で松村龍二参議院議員、公明党・谷合正明参議院議員、日本共産党は党職員の代理、みんなの党・小熊慎司参議院議員。

Cimg1058 その後、14時10分から基調講演として、経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力立地・核燃料サイクル産業課の森本英雄課長から「我が国における原子力政策」をテーマに講演があった。
 主な内容は以下の通り。

●エネルギー政策の枠組み
・エネルギー政策基本法。2002年6月14日、議員立法で公布。「安定供給の確保」「環境への適合」及びこれらを十分考慮した上でお「市場原理の活用」を基本方針とする。
・エネルギー基本法。2003年10月7日閣議決定。エネルギー政策基本法に基づき、施策の方向性を明らかにしたもの。3年毎に見直しをしており、2007年を一次改訂。今回は民主党政権での初めての改訂で、2010年6月18日に閣議決定。

●エネルギー源のベストミックスの確保
1)非化石エネルギー(原子力、再生可能エネルギー)
 政策総動員により、最大限の導入を図る
2)化石燃料
 安定確保や高度利用の推進が必要
 質疑応答の時間は、またもお約束で反対派のアピールの場となった。

●自立的かつ環境調和的なエネルギー供給構造の実現
・原子力発電の推進。新増設9基(設備利用率85%)、2030年までに少なくとも14基以上の新増設(設備利用率約90%)
・核燃料サイクルの早期確立と高レベル廃棄物処分に向けた取り組みの強化
・原子力産業の国際展開に向けた一体的対応
 → 後述
*新成長戦略「元気な日本」復活のシナリオ[2010年6月18日閣議決定]

●日本の原子力発電の現状と今後の目標
*エネルギー基本計画 2010年6月18日閣議決定
*原子力発電推進行動計画 2010年6月4日経済産業省
○原子力発電が全電源に占める割合(現状:3割)
→ 2020年:約4割→2030年:約5割
○原子力発電所の新増設・リプレース(現状:54基の軽水炉が稼働中)
→ 2020年までに9基、2030年までに少なくとも14基以上
→ 次世代軽水炉を官民協力して開発(2020年代後半から導入)
○原子力発電の設備利用率(現状:約65%、自然災害による影響を除外すると約78%、過去最高は1998年度の約84%)
→ 2020年までに約85%、2030年までに設備利用率約90%
○核燃料サイクルの確立と高レベル放射性廃棄物の処分
→ 使用済燃料の貯蔵・再処理、MOX燃料製造、プルサーマル、高速増殖炉の開発・実用化等を推進
→ 高レベル放射性廃棄物の処分事業推進に向けた取組を強化。
○原子力に関する国際的課題
1)原子力産業の国際展開
2)ウラン燃料の安定供給確保
3)核不拡散・原子力安全等のための国際的枠組みの整備

●個別政策の状況
(1)新増設・リプレースの推進
・高経年化対策の充実
・既設炉の将来的な廃止措置を踏まえたリプレース
(2)設備利用率の向上
・日米では、運転期間や定期検査の間隔で米国が優位
・他方、自動停止回数では日本が優位
・米国において設備利用率の向上を果たした取り組みは我が国も参考にすべき。
(3)立地地域及び国民との相互理解促進
・地域住民等、国民との信頼関係構築のため「国の顔が見える」取組を推進。
・地元のオピニオンリーダーの活動を支援。
・次世代向けの教育の強化。小中学校向け副読本の制作・配布や教育職員セミナーの実施。
・電源立地地域対策交付金の拡充
 → 2010年10月29日の特別会計「事業仕分け」において、1割から2割の予算圧縮を図ることとなった。合わせて、本体の文部科学省の関係予算についても目的に沿った縮減を図ることとなった。
(4)核燃料サイクルの推進
・プルサーマル計画の推進
・高レベル放射性廃棄物の処分、処分地の選定:「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」に基づき、原子力発電環境整備機構(NUMO)が処分を実施。早期に文献調査を開始すべく、NUMO、事業者、国が一体となって立地活動を行っている。
(5)原子力産業の国際展開
・世界で原子力ルネサンス。原子力の再評価と導入、拡大の動き。
・我が国は、1980年代の世界的に原子力が停滞した「原子力冬の時代」にも原子力発電所を着実に建設。「予定工期通り、予算内」の建設能力・実績を積み上げてきた。
・日本の素材・部材メーカーの「ものづくり力」も強み。世界でも高いシェア。
<日本メーカーの事例>
1)原子炉圧力容器と蒸気発生器の大型鍛鋼品で世界シェアの約80%を占める
2)PWR用蒸気発生器用伝熱管で世界シェアの約30%を占める。
3)完全無漏洩の「キャンドモーターポンプ」で世界シェアの約40%を占める。
<ベトナムの原子力計画>
 2010年10月、日越共同声明において、ベトナム南部ニントゥアン省の原子力発電所(第2サイト)の建設に関し、日本をパートナーとすることを明記。

Q.ベトナムの受注は嬉しいこと。しかし、民間で新しい会社を作ってオールジャパン体制はいいが、メーカーがBWR、PWRの二つあるのは無理があると思うが・・・(敦賀市)
A.韓国がUAEの受注をしたから、PWRというわけはなく、CANDU炉もあり、2つの炉がある。日本の場合はスタンダードであるPWR、BWRの両方あるのが強みと考えて、売り込みを図るべきと思う。

Q.低炭素社会のために原発というが、九州電力のCO2排出量は増えている。定期検査期間の間隔の短くするのは、安全性を犠牲にするのではないか。もんじゅにしても再処理にしても未解決ということは原子力政策については欠陥があある。(薩摩川内市)
A.Co2に関しては総量の規制ができない限り意味はないと思うが、民生の方がCo2排出は増えている。定期検査については、安全性を犠牲するということではない。日本の13ヶ月は火力時代に合わせたものであり、データや経験を元に見直す時期にきている。サイクルについては、原子力に課せられた最大のテーマであり、全力で取り組む。一歩一歩解決していくのが大切。

Cimg1059 休憩ののち、15時35分から分科会に分かれての議論となった。
 今回は、「第5分科会 原子力政策の推進と安全規制」を選択した。座長は、福井県美浜町議会の北村晋議長、大阪府熊取町議会の奥野博通議長である。
 テーマは以下の通り。

(1)原子力発電所立地における国と地方の役割
(2)原子力発電所にかかわる規制機関のあり方
(3)原子力広報・広聴

 議論の取っかかりがないのか、最初にでた意見が使用済み燃料がそのまま置かれるのは不安といった国に意見を求めるような発言だったので、あえて議論を起こす意味で以下のような発言をした。

(三井田)皆さんお集まりの市町村議会の諸先輩に、こういった事例があるかお聞きしたい。それは都道府県との関係である。新潟県では、県の技術委員会というものを作り、ここの議論を待って、地元が判断するという流れができている。つまり、国の安全確認と県の安全確認という、言い方としては誤解を受ける部分はあるが、二重外交のようなもの。柏崎市は新潟県に安全確認の要望などを行っている。本来の最終確認は国。市町村と都道府県の関係は、皆さんのところでどのようになっているか教えてほしい。

→ 御前崎市の場合は、リプレイスと乾式貯蔵施設に事業者が取り組んでいるが、県はあまり関わっていない。
→ 美浜町の場合、1号機が県が安全委員会があり、地元の会という流れになる。県の意見にもある程度、影響される。
→ 福井県の場合は20万人ほどの反対署名が知事に届けられたこともあって、県も安全委員会など設置した。最終的には住民投票しかないのではないか。(福井県大飯町)

 その他、

・再処理工場を応援してもらいたい。再処理工場は資源施設であることをここに集まった人には認識してもらいたい(青森県六ヶ所村)
・特措法の延長を陳情する方が先ではないか。ここで議決してもらいたい。(大阪府熊取町)
・高経年化対策や耐震工事など、国はどう考えるのか(福島県双葉町)
・保安院と規制機関の分離独立を何回も意見書として、全会一致で2回ほど議決した。規制機関のあり方はそろそろ決着すべきではないか。国と地方、地方と住民のあり方として、住民の素朴な意見に国は答えていない(宮城県女川町議会)
・合併によって住民の合意形成は難しい。国が全面にでてほしい。(静岡県御前崎市議会)
・専門家でも原子力に右左があり、その対立を自治体をやる理由が分からない。国がもっと前にでてくるべきではないか。プルサーマルの意見について、住民説明会をやると反対派が多くくる。(宮城県女川町議会)
・住民投票は慎重にやるべき。安全規制がしっかりしなければ推進もままならない。(茨城県東海村議会)
・最初に原発ができたときは寿命30年、そして40年と延ばされ、さらに延ばすという話になった。増設やリプレースの話はいつの間にか消えた。運転延長だけではなく、国には廃炉やリプレースもよく考えてほしい。住民投票した場合は、正しい方向にいくとは思えない。(福井県美浜町)
・定格出力を熱出力にして、出力アップする理由が分からない。エネ庁なり保安院なり広報誌があるが、パチンコ屋のチラシのような扱いで、朝刊折り込みするのは間違いではないか。行政側で、役場を通して全戸配布すべき。(福島県双葉町議会)
・そろそろ福井県の原発も古くなってきたが、延命してきている。国が逃げ腰になっており、事業者に投げている部分があると思う。オフサイトセンターのPRが足りない。もう少し考えてほしい。(福井県高浜町)
・先日、北欧をまわったところ、PRがうまかった。地層処分の現場では、ほとんど住民の反対はない。住民にとって、何の関心もないほど、理解が深まっている。日本では国、地方の自治体が周知広報をアップダウンで行っているが、ボトムアップでの仕組みづくりが必要。原子力の悪い部分も教えての周知活動が必要ではないかと思う。(茨城県東海村議会)
・プルサーマルを最初にやることになったが、これは他の事業者が不祥事を起こしたことによって、最初となった。とにかく嘘を言うなとの積み重ねをしている。とにかく現場をみて、議員も勉強する必要がある。知事は地元が良ければ良いとの判断をしている。日本は民主主義であるが、住民投票は絶対しない。(佐賀県玄海町)
・広報という観点で、地元の教育はどうなっているか、不安。反対派で地元に押し掛けるのは、地元民ではない。電気消費地の人がくる。(福井県美浜町)
・六ヶ所村にも反対運動はあるが、これを行うのは地元の人間はほとんどおらず、県外の人間が多い。マスコミは反対が多いと報道するが、実際は違う。(青森県六ヶ所村)

 ここまでの議論のなか、事例は話さなければいけないと思ったため、一応、以下のような発言をした。

(三井田)柏崎でも廃炉パレードなどが行われたが、地元ではない多くの人が参加していた。別の質問になって恐縮だが、文科省の方もいらっしゃっているので、皆さんにお聞きしたい。小中学校の教育のなかで、放射線や原子力の知識について、教職員側に理解がない場合がある。実体験している。皆さんご存じの通り、学校の先生は県内での移動となる。市外からこられた先生には、原子力のことを知ったうえで学校の教育を行ってもらいたいと思う。賛否両論はあっても、知識は教えるべきであり、個人的には文科省で教職員への原子力、放射線に関する再教育の徹底をトップダウンでやってもらいたい。いまどき電気をエレキテルといって怖がる人がいないように、放射線の知識をキチンと教えれば、むやみに怖がることもなくなる。

 17時30分に分科会が終了したので、一旦、ホテルの部屋に戻り、急ぎの仕事を行う。

Cimg1060 18時30分、ホテル内プリンスホールでの交流懇親パーティに出席。
 パーティの席順は、分科会別に各原子力発電所立地議会の人が均等になるような配置となった。
 交流のなか、柏崎市議会だけではなく、他の議会においても、このサミット自体に反対であるとして参加しない議員もいるという。公務を欠席することにもなり、有権者に対してどう説明しているのか不思議に思う。

Cimg1061 立食、ブッフェ形式のパーティであるため、例年通り、懇談するよりも食事を確保することに時間を割くようなかたちとなった。
 次の予定もあるので、とりやすいあんかけ焼きそば、鰻のひつまぶし、天ぷら(海老、キス、エリンギ)、抹茶ケーキをとり、軽く夕食をとる。

 19時30分、懇親パーティを抜けさせてもらい、赤坂見附に向かう。

 20時、グランドプリンスホテル赤坂の新館2階「クリスタルパレス」に到着。新潟中国総領事館拡大移転への反対活動にご協力頂いている2名と待ち合わせ、自民党総務会長である小池百合子衆議院議員のパーティ「いちばん」の会に出席する。
 柏崎市での講演の御礼を申し上げるとともに、新潟中国総領事館拡大移転の件で、自民党新潟県連からの明確な動きがないこと、これまでの経緯などを詳しい資料でお渡しし、実態を説明した。
 あとは自民党本部がどのように対応するか、である。

Cimg1063 21時、「JAPANESE DINING 夢萬」(電話:03-5573-4290)に移動し、ちょうど東京都内に来ていた南魚沼市議会・桑原圭美議員、パーティの後片付けや支持者への挨拶も終わった東京都議会・野田数議員(元・小池百合子衆議院議員の秘書)と合流し、懇談。レーベンブロイを飲みながら、焼き鳥などをつまむ。遅い時間に行ったためか、手作り豆腐が売り切れだったのが残念。

Cimg1064 23時40分、二次会としてオープンエア席もあるパブ「The Mermaid」(電話:03-3584-2006)に行き、ポップコーンをつまみにギネスビールを2パイントほど飲みながら、アジアと日本の近現代史などを語り合う。かつてセイロンと呼ばれたスリランカの話になったので、ジャヤワルダナ大統領の逸話を紹介した。

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コメント

先日はお世話様でした。都内での懇親会は非常にいいお話でした。その日は三井田さんの活動をネットで知ったという方(二名)と知り合い、今話題の中国総領事館・新潟市チャイナタウン構想などについての今後の対応等について意見交換させて頂きました。たまたま私が新潟県出身という事もあり、偶然ではありましたが、充実した意見交換ができました。ただ、東京都内の方々が真剣に新潟市の事について活動をしておられるという現状については、我々も考えなくてはならないと感じました。

投稿: 桑原圭美 | 2010年11月19日 (金) 22時53分

 桑原さん、コメントありがとうございます。
 先日は夜遅くまでのお付き合い、お世話になりました。
 新潟県出身者、新潟県内での旅行の思い出から応援して下さる他都道府県の方、ありがたい限りです。この思いを新潟県民としてどう受け取るか、考えさせられた意見交換会でした。

投稿: 三井田孝欧 | 2010年11月25日 (木) 20時21分

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