2008年02月27日

08東大英語解説と出典紹介(改訂版)

東京大学の入試終わりましたね  受験生お疲れ様です
若干変化はあるものの受かる人にとっては予想通りのレベルだったでしょう

早速東大の英語の問題をやって見ましょう

大手予備校よりも速く解答をつくろうとがんばりましたが
解説を書いていたらものすごい長さになってしまい鬼のように時間が過ぎました

スペースの都合上二問だけにします(急いで書いたので誤植があるかも)

英語にあまり自身のない人は1問目を自身のある人は2問目に挑戦してみてください

以下の文中には文法上・文脈上余分な語がひとつある。

1:Sometimes I catch myself envying intensely at those monolinguals who were born, grew up, have lived all their adult life in one language.

2:I miss the feeling of comfort, of certainty, of control I imagine they have, unaware as they usually are that it could not be otherwise.

出典は
Living in Three Languages
Colette Grinevald (en Bybee, Haimany Thompson, 1997)
です

1の解説から
Sometimes I catch [myself envying intensely at those monolinguals]
時々、私は[自分が〜していることに]きづく

envyは他動詞ですので目的語が必要です。でも後ろにはintensely「激しく」という副詞と前置詞atのかたまり
詳しい自動詞・他動詞の解説は1月28日のblogで
http://toeicjuken.seesaa.net/archives/20080129-1.html

つまりatはいらないのです

envying(動詞)those monolinguals(目的語)

という形にならなければなりません

間にintenselyという副詞をはさんで答えをわかりにくくしています
TOEICでも文法問題でよく使われる方法です

those monolinguals (who were born, grew up, have lived all their adult life in one language)

(1つの言語の中で生まれ、育ち、大人になってもその中で生活する)単一言語の話者


「時々、単一の言語を使う環境の中で生まれ育ち、一生その環境の中で生活する単一言語の話者を非常にうらやんでいる自分に気がつくことがある」

しかし、なんとも「羨ましい妬み」ですね。多言語母語話者になりたい人は
日本に山ほどいるのに、一ヶ国語だけがしゃべれるのが羨ましいなんて・・・


2の解説です。さて打ち込むのがめんどくさいです

I miss the feeling of comfort, of certainty, of control

〜がないのをさびしく思う
快適で、確実、制御=つまりは自由に母国語を使えるてことですね

the feeling (of...) (I imagine they have...)
彼らが持っていると思われるfeeling

unaware as they usually are that it could not be otherwise

これもこの間やったやつですね

ここの言い換えについてはネイティブ間でもめているので
先に答えを言います  notがいりません。では解説です

まず言い換えると
though they usually are unaware
[that it could be otherwise]

この文法の詳しい解説は
http://toeicjuken.seesaa.net/archives/20080208-1.html

彼ら(単一言語話者)は気がつかない
何に?→ここについてはネイティブ間で割れています

1otherwiseはdifferentであり

[it could be different for other people]
=[other people in the world might live differently from them]

「モノリンガルの人は他の人(マルチリンガル)の人がどういった、状況にあり、気持ちを抱いているのかわからない。」

2otherwiseのところを仮定法の条件にしてみると
[if they were not molingual, the life could be different]

「もし彼らが単一言語母語話者でなかったら、lifeは変わっているだろう=comfort, certainty, controlがない」

裏を返せば
if they were multilingual, they couldn't feel comfort, certainty, or control
「もし彼らが多言語母語話者であったら今感じている快適さを感じることができなくなるだろう」ということです

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、1でも2でも筆者の伝えたいことは同じだと言うことです。

結局は「単一言語母語話者に、多言語母語話者の気持ちなんてわからない」てことですね

しかも面白いのはどちらの意見を聞いても
「そっちでもいいと思うよ、あんま変わらないし」
「1のほうがそのままに近いし、2のほうが筆者の言いたいことなんじゃない」という人もいました
posted by morite2 at 00:01| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 文法・語法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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