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統一地方選:大阪維新の会が第1党 減税日本は13議席

投票する橋下徹・大阪府知事=大阪府豊中市で2011年4月10日午前10時15分、幾島健太郎撮影
投票する橋下徹・大阪府知事=大阪府豊中市で2011年4月10日午前10時15分、幾島健太郎撮影

 10日の統一地方選では、大阪や愛知などの首長が代表を務める「首長政党」が台風の目となり、既成政党に加え、機能不全が指摘される地方議会への批判票を集めて存在感を示した。今後は国政への影響力強化も狙う。

 橋下徹大阪府知事が代表の「大阪維新の会」は大阪府議選、大阪・堺市議選で計119人の候補者を擁立し民主、自民、公明、共産などと激突。3選挙で獲得議席は告示前48から2倍超の103に伸ばし、3議会とも第1党となった。府議選(定数109)では57人が当選、過半数を占めた。大阪市議選(同86)では33人、堺市議選(同52)では13人がそれぞれ当選した。

 橋下知事は大阪府と大阪・堺両市を解体・再編する「大阪都構想」実現に向け勢力を拡大し、議会運営でも優位に立った。府議選で当選した維新幹事長、松井一郎氏(47)は都構想について「有権者からご支持をいただいたと思う」と話した。

 東日本大震災発生後、橋下知事は「日本を支えるには東京と大阪の二つの『都』が必要」と述べ、防災面でも都構想の必要性を強調。選挙後は3議会での都構想推進決議に向け会派間の政策協議を優位に運びたい考えだ。

 一方、愛知県議選では、河村たかし名古屋市長が率いる「減税日本」が13議席を獲得したものの、大村秀章知事の「日本一愛知の会」は5議席にとどまった。両党は統一候補43人を擁立。名古屋市内で減税日本が議席を伸ばしたが、同市外では両党とも伸び悩んだ。

 河村市長は2月、愛知県知事選、名古屋市長選、同市議会解散の賛否を問う住民投票の「トリプル投票」を仕掛けて完勝。減税日本は3月の出直し市議選で第1党に躍進した。勢いに乗る減税日本は、統一選の前後半戦合わせて全国で150人以上を公認・推薦し、勢力拡大を目指した。

 しかし、東日本大震災では復興財源確保のため政府・与党内で増税論も浮上。「減税というおかしな風が吹いているが、大災害でそんな余裕があるのか」(愛知県議選の自民党候補)との批判が高まった。愛知の会の候補者は市議や首長経験者中心で清新さに欠けるという側面もあった。大村知事は「自粛ムードで選挙戦が低調だった。現職回帰、保守回帰があった」と振り返った。

 河村市長は「苦しい時は減税をしないとだめ。民のかまどを温めることで経済を盛り上げるのは当然」と主張。独自候補を擁立する衆院愛知6区補選(12日告示、24日投開票)について「増税型の政治がいいのか、減税型政治がいいのか。しっかり判断してもらえると思う」と強調した。【丸山進、福田隆、高橋恵子】

毎日新聞 2011年4月11日 0時11分(最終更新 4月11日 3時11分)

 

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