Hounsfield(ハンスフィールド、ハウンズフィールド)のよってCTが発明された当初のCT撮影は、患者さんの周りを管球が1周回転してCT撮影を行い、CT撮影後患者さんの横たわる寝台(参照:医科用CTの構成)を少しずらして再び管球を1周回転させる撮影方法が採用されていました。また、管球や検出器は電気コードにつながっているために配線の絡みを考慮して、CT撮影の回転方向を正→逆→正→逆・・・と交互に変えていたそうです。この方式によるCT装置を「ノンヘリカルCT」、従来型ということで「コンベンショナルCT」と呼ばれています。
しかし、それでは効率が悪い。そこでCTが発明されてから20年弱が経った1990年頃、管球が連続して回転できる「ヘリカルCT」「スパイラルCT」「螺旋CT」が出現しました。
図1:ノンヘリカルCTの模式図 | 図2:ノンヘリカルCTの模式図 |
(資料提供:東芝メディカルシステムズ)
導線の代わりに金属と金属の接触で通電できる電車のパンタグラフのような「スリップリング」という部材で、連続回転が可能になりました。
図3:スリップリングの模式図(辻岡先生より引用改変) |
言い方の違い
かつて螺旋的な動きによるCT撮影を、GE社(米国)では「スパイラルCT」と呼び、東芝社(日本)では「ヘリカルCT」と名づけたそうです。現在日本では「ヘリカルCT」と慣習的に言われているようです。