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東日本大震災から1カ月となるのを前に、菅直人首相が10日、初めて宮城県の被災地を訪れた。一度は中止になった同県への視察実現に地元首長らは安堵(あんど)の表情を見せたが、住民からは「今ごろ来ても…」と冷ややかな声も漏れた。
菅首相は地元首長らとの会談場所となった石巻市役所に予定時刻になっても現れず、慌てた市職員は「渋滞に巻き込まれたようだ」。約15分遅れて青い防災服姿の首相が到着すると、ほっとした様子。東松島市の阿部秀保市長は「要望は伝えた。政府には決断してもらわなければならない」と話した。
この後も首相の視察日程はずれ込み、避難している被災者を激励するため訪れた石巻商業高校に滞在したのは予定より短い10分程度。同市の無職佐々木俊行さん(60)は「話したいことがあったのに会うことすらできなかった。裏切られた思いだ」と声を落とした。
(デイリースポーツ提供)
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