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統一地方選前半戦 民主が大敗

4月11日 4時18分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

10日に投票が行われた統一地方選挙の前半戦で、民主党は、自民党との「対決型」となった3つの知事選挙でいずれも敗れたほか、41の道府県議会議員選挙でも、選挙前の議席を38下回る346議席にとどまり、大敗しました。菅総理大臣は、今回の大震災の対応に引き続き全力を挙げることにしていますが、党内から、今回の大敗についての菅総理大臣らの責任を問う声が出ており、求心力の一層の低下は避けられないものとみられます。

統一地方選挙の前半戦として、10日、東京をはじめ12の都道県の知事選挙と、4つの政令指定都市の市長選挙、それに41の道府県議会議員選挙と15の政令指定都市の市議会議員選挙の投票が行われました。このうち、12の知事選挙では、▽北海道知事選挙で、自民党と公明党道本部が推薦する無所属で現職の高橋はるみ氏が3回目の当選を果たしました。▽東京都知事選挙で、自民党と公明党が実質的に支援した、無所属で現職の石原慎太郎氏が、4回目の当選を果たしました。▽神奈川県知事選挙は、無所属の新人で、民主、自民、公明の各党の県組織が推薦する元ニュースキャスターの黒岩祐治氏が、初めての当選を果たしました。▽福井県知事選挙は、無所属の現職で、自民党と公明党、それに民主党県連が推薦する西川一誠氏が、3回目の当選を果たしました。▽三重県知事選挙は、無所属の新人で、自民党とみんなの党が推薦し、公明党県本部が支持する元経済産業省課長補佐の鈴木英敬氏が、初めての当選を果たしました。また、▽奈良県知事選挙は、無所属で現職の荒井正吾氏が、▽鳥取県知事選挙では、無所属で現職の平井伸治氏が、それぞれ2回目の当選を果たしました。▽島根県知事選挙は、無所属の現職で自民党と公明党が推薦する溝口善兵衛氏が、2回目の当選を果たしました。▽徳島県知事選挙は、無所属で現職の飯泉嘉門氏が、3回目の当選を果たしました。▽福岡県知事選挙は、無所属の新人で、民主党、自民党、公明党、社民党、国民新党が支持する元内閣広報官の小川洋氏が、初めての当選を果たしました。さらに、▽佐賀県知事選挙は、無所属の現職で、自民党と公明党、それに民主党県連が推薦する古川康氏が、▽大分県知事選挙では、無所属の現職で、社民党と公明党県本部が推薦し、自民党県連が支持する広瀬勝貞氏が、それぞれ3回目の当選を果たしました。この結果、民主党と自民党の「対決型」となった北海道、東京、三重の3つの知事選挙では、いずれも自民党が推す候補が当選し、民主党は全敗しました。また、41の道府県議会議員選挙では、定員2330人のうち、民主党は、立候補者のおよそ40%が落選して、選挙前の384議席を38下回る346議席にとどまりいずれの議会でも、第1党を獲得できず、大敗しました。今回の選挙結果について、民主党の岡田幹事長は「有権者の判断を真摯(しんし)に受け止め、党勢を立て直すために努力しなければならない。ただ地方の選挙なので、政権への批判だとは受け止めていない」と述べるとともに、幹事長を辞任する考えはないことを明らかにしました。そして、菅総理大臣は、10日、東日本大震災の被災地を視察したあと、記者団に対し、「復興のためには予算と関連法案を成立させなければならず、与野党を超えて強力な実行態勢をつくることが、私の大きな仕事だ」と述べ、大震災の対応に引き続き全力を挙げることにしています。しかし、政権交代後初めて与党として臨んだ統一地方選挙での大敗で、党内から、岡田幹事長の責任を問う声や、「菅総理大臣には政権を任せられないという国民の意識の表れだ」という指摘が出ており、菅総理大臣の求心力の一層の低下は避けられないものとみられます。これに対し、自民党の石原幹事長は「『菅政権にハンドリングを任せて大丈夫なのか』という民意が示されたと言える。民心が離れた政権で、国難に対処していけるのか。菅総理大臣はしっかりと受け止めて対応しないと大変なことになる」と述べました。野党側は、今年度の第1次補正予算案の成立など、当面の震災対応には協力する姿勢を示していますが、菅政権の下での本格的な被災地の復興は困難だという声が強まっており、今後、政権に対して譲歩を迫る場面が増えてくるものとみられます。一方、橋下知事が代表を務める地域政党・大阪維新の会が、大阪府議会議員選挙で過半数の議席を獲得したほか、大阪市議会と、大阪市に隣接する堺市議会議員選挙でも議会第1党となり、躍進しました。また、愛知県議会議員選挙では、名古屋市の河村市長が率いる地域政党・「減税日本」は13議席と、一定の勢力を確保しました。