統一地方選 「何かあったんですか?」石原節早くも全開
毎日新聞 4月10日(日)23時41分配信
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集まった大勢の支持者を前にして、あいさつする石原慎太郎氏(右端)=東京都港区で2011年4月10日午後8時49分、須賀川理撮影 |
【喜びの石原氏の表情も】写真特集・統一地方選主な当選者など
石原氏は、港区南青山の選挙事務所に午後8時40分過ぎ、震災発生以来着続けている防災服姿で登場した。割れんばかりの拍手で出迎えられると、顔を紅潮させ、頭を下げて応じた。開口一番、「何かあったんですか?」と冗談を飛ばす余裕も見せた。
震災の犠牲者を悼んで半旗にした日の丸の横で、あいさつを始めた。まずは、投票が締め切られた直後に「当選確実」と報じられたことに「よくないと思うね」と報道への注文から。4期目の抱負を「(これまでと)同じことをやるしかない。プラスアルファで災害対策。東京が止まったら日本が止まる」と語り、「まさに国難。しっかり立ち上がろう。肩を組み直してみんなでやろう」と呼びかけた。
さらには「ほとんど無駄に近い電力消費を抑制しなければ。パチンコやる人も我慢なさい。自動販売機なんてなくても生きていけるじゃない」と語気を強めた。
一方で原子力発電は「今度の事故で全部否定したらどうなるか。冷静な判断をしないと国の経済は持たない」と現状では原発は必要との考えを改めて示した。
選挙運動をほとんどしなかった。公務で被災地や避難所などを飛び回り、政府にも注文を付けに積極的に足を運んだ。最終日だけした街頭演説では、公約より「国難」を強調し続けた。
震災直後の「天罰」発言で、反発を受けた一幕もあった。翌日の記者会見で撤回し、大きな痛手とならなかった。【真野森作、井上俊樹】
◇「東旋風」再現ならず 東国原氏
東国原英夫氏(53)は、タレントとしての知名度と前宮崎県知事としての実績を武器に「困難な今こそ、若い力と感性で日本を引っ張る」と都政の若返りを唱えたが、4年前に宮崎に吹いた「東旋風」の再現はならなかった。
午後8時半、新宿区の選挙事務所に到着した。白いワイシャツとピンクのネクタイの上に白いウインドブレーカー、灰色のランニングシューズ姿。さばさばとした表情で、「このような結果になり非常に残念。みなさまには申し訳なく思います」と言い、支持者に頭を下げた。
記者団に対し、「震災で選挙をやっている場合じゃないという声もあった。通常の選挙はやりづらいと思っていた。選挙の報道が少なく、都知事選があることを知らない人も多かった」と振り返った。今後については、白紙を強調したが、「社会貢献など何らかの形で政治・行政にかかわっていきたい」と話した。【奥山智己、鈴木一生】
◇「都民、現状維持に向かった」 渡辺氏
ワタミ創業者の渡辺美樹氏(51)は、石原氏当確のニュースがテレビで流れた直後の午後8時すぎ、中央区日本橋の事務所であいさつ。約50人の支持者やスタッフを前に「震災があり、都民の意識が変化よりも現状維持に向かった」と敗戦の弁を語った。
居酒屋のチェーン展開や介護事業で手腕を発揮。選挙戦では「私の経営力を(都政に)使って」と訴えた。終盤は、原子力発電を容認する石原氏を批判し反原発も訴えたが、支持は広がらなかった。渡辺氏は「今知事を代えたら混乱が広がるという不安を聞いた」と話す一方で、「現状に問題を感じている人は私にアプローチしてくれた」と語り、悔しさをにじませた。今後については「白紙」と語った。【前谷宏】
◇「私の力不足」 小池氏
前参院議員の小池晃氏(50)=共産推薦=は午後8時40分ごろ、新宿区歌舞伎町の選挙事務所に姿を現した。支援者らに拍手で迎えられ、「こういう結果になったのは私の力不足」と唇をかんだ。小池氏は「石原都政からの転換」を訴えた選挙戦を振り返り、「テレビ討論も行われない異常な選挙戦だったが、石原都政の問題点を徹底的に示すことができた。今後あらゆる分野での戦いに生きてくる」と語った。【野口由紀】
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最終更新:4月11日(月)0時25分
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