長谷川はい上がれ！所属ジム会長が再起へゲキ

８日の試合後、観客に向かって手を合わせる長谷川（右は山下会長）

　８日に神戸で行われたプロボクシングＷＢＣトリプル世界戦で、４回ＴＫＯ負けしたフェザー級前王者・長谷川穂積（３０）＝真正＝に対し、所属ジムの山下正人会長（４９）は９日、「このままでは終われへん」と再起と、その後の王座返り咲きへのプランを明かした。一方、同じリングでＫＯ防衛に成功したスーパーバンタム級王者・西岡利晃（３４）＝帝拳＝、スーパーフェザー級王者・粟生隆寛（２７）＝同＝は神戸市内で会見し、長谷川の現役続行にエールを送った。

　山下会長はこの日の午前中に、長谷川の世界戦をプロモートする帝拳ジムの本田明彦会長（６３）と神戸市内のホテルで会談。長谷川の今後について話し合った。その後、取材に応じた同会長は「本人の気持ちはまだわかれへんけど」と前置きした上で、「これじゃ終われへんやろ。完全に負けたという試合ではないし、年齢的なものも気にならない」と続けた。

　前日（８日）の試合後、長谷川は進退について「簡単にやるとは言えない。ちょっと考えたい」と明言を避けていた。それでも、一夜明けたこの日の朝に長谷川と電話で話した山下会長は「ダメージもないみたい。サバサバとしてたよ」と元気な様子もうかがえたという。

　復帰へのプランもある。長谷川の上下の階級はＷＢＡ、ＷＢＣともに日本人が世界王者のため、現階級にとどまることが確実。昨年４月にバンタム級でモンティエルに負けた後は、階級をいきなり２つ上げてフェザー級の王座決定戦に臨んだが、「もっとフェザーのキャリアを積まないと」とノンタイトル戦で経験を積み、王座挑戦の機会を待つのが青写真だ。

　長谷川はこの日、神戸市内の自宅で静養に努めた。公の場所には姿を見せなかったが、自身のブログには「今は１４度戦ってきた世界戦の身体と心を休ませてあげたいと思います。ボクシングが大好きです。応援してくれる皆さんが大好きです」とつづった。

　以前から目標として「３５歳での世界王者」を掲げている。まだ３０歳。日本ボクシング界をリードしてきた男は、しばしの休息を経て、再びリングに帰ってくるはずだ。